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〈あな病22〉脳科学から見た自我の保全と再構成:自我システムと脳その2
前回の記事では、自我システムと脳の関連性について詳しく見てきました。自我が脳の特定の領域やネットワークに関連していることを確認しました。今回は、自我が崩壊する現象を脳科学の視点から深く探ってみましょう。
自我の崩壊とは
自我の崩壊は、自己意識や自己認識が一時的にまたは永続的に失われる状態を指します。これはストレスやトラウマ、あるいは特定の薬物の影響によって引き起こされることがあります。
脳の構造と自我の崩壊
前頭前野と自我の崩壊:前頭前野は意志決定、自己制御、時間的連続性の認識などの高次認知機能を司ります。自我の崩壊には時間の連続性を必要とするから前頭前野が必要です。前頭前野の機能不全は、これらの能力の喪失を引き起こし、自我の崩壊と直接関連しています。
帯状皮質と自我の崩壊:帯状皮質は感情認知や社会的情報処理に関与し、自己と他者との境界を認識する役割を担っています。帯状皮質が適切に機能しない場合、自我と他者との境界が曖昧になり、自我の崩壊を引き起こす可能性があります。
自我の保全と再構成のための具体的な手段
自我の崩壊を防ぐためには、前頭前野や帯状皮質の機能を維持し、強化することが重要です。例えば、瞑想やマインドフルネスの実践、適切な睡眠と栄養、ストレス管理の技術などが役立つことが科学的に示されています。ですが、これらより強力なものもあります。
また、人間の行動原理は自我を守ることと密接に影響する理由も述べます。
脳に関する参考図書3つ
『脳と自己』神経科学が解明する意識の謎』著者:アントニオ・ダマシオ
『脳のなかの自己』神経科学から見た意識と自我』 著者:ジョゼフ・レドゥ
『ミラーニューロン』 著者:ジャコモ・リゾラッティ
まとめ
自我の崩壊は、脳の特定の領域とネットワークの働きに深く関連しています。前頭前野と帯状皮質の役割を理解することで、自我の保全と再構成についての理解を深めることができます。