見出し画像

<あな病18>再び対象関係論へ:分裂ポジションと心の成長

この理論の中で、「分裂ポジション」という言葉があります。今回の記事では、分裂ポジションとは何か、対象関係論の基本を理解していきましょう。

対象関係論は、心の発達において、大切な人との関係が重要だという考え方です。メラニー・クラインが提唱したこの理論では、子どもの心の発達過程において「分裂ポジション」という重要なステップがあります。

分裂ポジションとは、子どもが自分や他者を善悪に分ける初期の心の発達段階を指します。この段階では、子どもは他者を理想的な存在(善)か、脅威の存在(悪)として捉えることが一般的です。これは、子どもがまだ善悪を統合する能力が発達していないため、現実をシンプルに理解しやすい形に分類して対処しようとするからです。

これは「良い乳房、悪い乳房」理論という呼ばれ方もしています。

なぜかというと、乳幼児期では子供は親の母乳が出なくて飲めない時、「お母さんにも都合があるよね」とかは思わず、「母乳が出ないとかダメだな〜」と怒ります。このように、良いものと悪いものが混在しているということを理解できないため、二極化思考が起こります。これが、育ってからパーソナリティ障害や発達障害という形になった時の二極化思考の原型です。実は幼児退行現象です。

この記事では、分裂ポジションの基本概念を紹介しました。次回の記事では、分裂ポジションがどのように心の成長、そしてADH Dなど発達の障害と呼ばれるものに影響を与えるのかを詳しく解説していきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?