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話しかけないで、、

外に出ると、やたらと知らない人に話しかけられる。

しかも、日本人だけならまだしも外国の人にまで。。

基本、母国語でさえ怪しいレベルの私は、いかなる国の言語も全く解さない。

なのに、例えば、
大きな駅の構内をひとりで歩いていたりするでしょう。
すると、前方から外国からの老夫婦(ここでは仮に米国人とする)がやってきたりする。

  夫婦で日本観光なんだろうなぁ。

なーんて、そんなことをぼんやり考えた次の瞬間、来る。
絶対に来る。

付近に駅員がいようが、外国語に堪能そうな学生がいようが、さらには外国の人がいようが全く関係ない。
何故だか私の方へ一直線なのだ。

これは若い頃からなので、このような場合、今ではだいたい10メートル手前ではもう
  あ、来るな…
と察知できる。

もちろん目線は逸らす。
物凄く逸らす。蹴つまずくくらい。
顔だって「いかにも私は純日本人です!」と田舎のおっさん風の表情を作る。

それでも関係ない。
捕まる。100%の確率で捕まるのである。

で、道を聞かれる。
つまり、彼等は、
 この田舎のおっさんは、
  「英語が話せる」
    +「この辺りの道を知っている」
と、勝手かつ完全に決めつけて話しかけてくるのだ。

どういう基準で選んでるの?
自分が外国に行ったら、絶対にこんな適当そうな異国のおっさんには聞かない。
仮に言葉が通じても、道を知らなかったらどうするつもりなのか。
もっと「道を知ってそうな顔」の知的な人を選べばいいのに。。

そして、昨日も、

見知らぬ街で、体格のいい欧米人の爺さんに道を聞かれた。
「Post Office」って言ってた気がするから多分郵便局のことだろう。

ちょうど数分前に郵便局の前を通った気がしたので、
  この道を真っすぐ行って、
  右側にあるのが郵便局アルよ
的な感じ、というかニュアンスを、遠い昔に『ニューホライズン』で覚えた英単語を総動員して精一杯伝える。

すると、案の定と言うか、期待に反せずというか、、その爺さんは、最初の角をいきなり右折したりするのだ。。。

そうなるとこちらは島国の小心者である。
こんな些細なことから、後々、国際問題に発展して、トランプあたりが出てきたら大変なことになる。
結局、一緒に郵便局まで送り届ける羽目に。

別れ際、爺さんはアメリカ人らしい(ホントにアメリカ人かはわからないけど)弾ける笑顔で
  ありがとう (的なこと)
を言い、これに対してこちらも、
  いやいや、
  これくらいお互い様ですよ (的なこと)
を、国境を軽々と越える愛想笑いと共に返し、そそくさとその場を辞するのであった。

で、その後、
こちらも案の定というか、期待に反せずというか、知らない街で道に迷うのである。

                   Fin

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