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Photo by
kiraku_san
ささやかな抵抗
どういうわけか、今度うちの一番偉い人から表彰されることになった。
正直、意味がわからない。
いや、むしろ意味なんてないのかもしれない。
だってそうだ。
頑張った覚えもなければ、特に目立った活躍をしたつもりもない。そんな人間を表彰するなんて、一体どういうつもりなのか?
うちの幹部達の目は節穴か?
もしくは、一旦、持ち上げておいて、その後に何か責任を押し付けて辞任させるような陰謀でもあるのか?
そんなありえない妄想まで浮かんでくる始末。
ま、ともあれ、そんなこんなで表彰式に出席することになったのだが、周囲からは
粗相のないように、
顔面以外、交換できるものはすべて
交換して行け
と言われている。
仕方なく、先日はスーツを新調しに行き、くたびれた革靴を引っ張り出してきて磨いた。
次の休日は髪を刈りに行かなければならない。
休日とはいえ、なかなか忙しい。
しかし、準備をすればするほど、ふと疑問が湧いてくる。
なんで俺の貴重な休日をこんなことで潰さなきゃいけないんだ?
そう思い始めると、なんだか少し反抗したくなってきた。。
いや、せめて心の中で密かに小馬鹿にしたい。
今、その衝動がフツフツと煮えたぎってきている。
そこで思いついたのが ネクタイ だ。
そもそも、おしゃれに気を遣うような中年ではない。
綺麗なお姉さんと食事に行くならまだしも、なぜ自分より年上のオジサンから賞状をもらうために、頭をひねっておしゃれなネクタイを選ばねばならんのか。
馬鹿らしい。
決めた。
次の休日は、DAISOから順番に、徹底的にチープなネクタイを探しにまわるぞ。
なんだか、ちょっとワクワクしてきた。。