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地域限定SNS

あけましておめでとうございます。
私はあまり新年の目標、みたいなのには興味がないので、新年とは関係のないことについて書こうと思う。

去年の後半から何となく使い始めた地域限定SNSアプリのようなものがある。自分の住んでいるエリアを選んで写真やコメントを投稿すると、同じエリアのユーザーにだけそれが表示される、という仕組みだ。投稿やコメントは完全に匿名で、コメントに返信しているのが投稿者なのかもぱっと見ではわからない。あまり活発なやりとりは起きない代わりに、いたって平和で安心して使える空間になっている。自分の近所の最新情報が色々とあがったりするのでけっこう面白い。私も新しいお店の情報だとか、紅葉などの街の様子を時々投稿している。

このアプリのもうひとつの特徴は譲渡機能だ。いらなくなったものを「譲渡する」を選んで載せると、欲しい人から連絡が来て受け渡しの取引をする、という流れだ。売るのではなく譲渡なので金銭の授受は発生しない。同じ地域に住む利用者間でのやりとりなので、受け渡しは決められたロッカーなどに入れて取りに来てもらうか、直接手渡しだ。私も家に不用品が色々とあるので、この機能を何度か使っている。最近は利用者が増えてきたのか、意外と投稿よりもこの譲渡の方が活発になっている感じがある。

使ってみた感想としては、この譲渡機能は手軽でけっこう便利だ。私は以前はメルカリでいらなくなったものを時々売ったりしていたのだけれど、最近は全然やらなくなった。理由は色々とあるのだけれど、やはり少し面倒なのと、売る、となると私的にはけっこう出せるものが限られてしまう、というあたりが一番の問題だった。確かに売ればお金にはなるのだけれど、そんなに大層なものはうちにはないので、安い値段しかつけられない。そこから手数料と送料を引くと結局たいして利益はない。さらに、売れたら梱包して発送する、という作業が発生する。これがまた微妙に面倒だ。中身が壊れたり汚れたりしないように気を遣うし、箱も用意しなければならない。なんだかんだとけっこう労力がかかる。また、私の場合は使い古した物をネット上の見知らぬ人に売りつける、ということに少し抵抗がある。未使用のものならわりと気兼ねなく売れるのだけれど、使用済みの洋服などだといったいいくらぐらいの値段をつければいいのだろう、と悩んでしまう。

というわけで、私の性格だといらなくなったものを誰かに無料であげる、という方がやりやすい。そこをうまくついてきたのがこの地域限定SNSの譲渡機能だ。もう着なくなったダウンコート、何回か履いたけれどもういらないブーツ、使い古したけれどまだ問題なく使える鍋などがうちから旅立っていった。捨てるのはもったいないので、誰か欲しい人が使ってくれるなら、喜んで譲りたい。お金を取るわけではないので、多少汚れていたり使用感があってもまあいいかな、と思える。しかもご近所さんに渡すみたいに、適当な袋に入れて持っていけばよいのでとっても手軽だ。

つい先日も、2シーズンほど履いたブーツを譲渡して、かわりにメルカリで別のブーツを買った。定価で買おうかと思っていたブーツの新品未使用品がちょうど出ていたのだ。こうやって物も循環していくのが面白いなぁと思いつつ、昔は地域のコミュニティーが果たしていた役割を、今はオンラインアプリがやっているのかなぁとふと思った。便利というか、不思議な世の中になったものだ。


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