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青春の思い出

青春っていう言葉は少し気恥ずかしいのであまり口にすることはないけれど、学生時代を振り返るとやっぱり青春だったなぁと思う。友達がいて、共に過ごす時間があって、新しい経験をして、たくさんの思い出を作った。私の今までの人生の中で間違いなくかなり重要な期間のひとつだ。

ここのところ母校のイベントがあったり、中学、高校、大学の同級生と会ってゆっくり話したりする機会が多かった。久しぶりに皆に会うと思い出話に花が咲く。そっと閉じられていた記憶の扉が開いて、ずっと忘れていた思い出が驚くほどたくさん飛び出してきた。そして改めて、一生懸命に青春を謳歌していたんだなぁと懐かしさを感じた。こうした経験や思いを共有した友人がいるのは幸せなことだ。

そこでふと今の時代を見て、この世界的に異常な状態が長引いている現状を思って寂しい気持ちになった。コロナ禍が始まってから中学生、高校生、大学生になった若者たちは私たちが経験した学生生活とはまるで違う日々を過ごしている。友達と会って交流する機会を奪われ、共に喜怒哀楽に溢れた思い出を作り上げることもできず、わりと孤独な時間を過ごさざるを得なかった子供たち。40歳を過ぎてからの2〜3年はたいしたことはないけれど、10代の若い子にとっての2〜3年は重みが違う。徐々に以前のような生活に戻りつつあるけれど、過ぎてしまった時間はもう戻らない。一度しかない学校生活の多くを奪われてしまったわけだ。これは子供たちに対して社会が犯した犯罪と言ってもよいかもしれない。悲しいね。これはこの子たちの将来にどう影響するのだろう。そういうことを考えると私はどうしても不安を感じてしまう。

桑田佳祐の新しいベストアルバムを聴きながら、若い頃の私に思い寄せ、今の世の中に対してやるせない気持ちになる、そんな雨の休日。桑田さんの歌声を聞くと一瞬で中学や高校時代の夏休みにタイムスリップできる。音楽っていうのはすごい力を持っていると思う。記憶と密接につながっていて、聞いただけでその記憶とそのときの感情までもが鮮やかに蘇る。サザンの音楽はまさに私の青春時代の歌だ。

あまり過去に捉われるのはよくないけれど、今日は雨だし、少し疲れているので立ち止まってゆっくり思い出に耽る日にしようと思う。明日からまた前に進めばいい。


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