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サロメの殺人裏話

『美しい月を眺めるのは素敵だわ。月はまるで、小さな外国のコインのように、銀色の花のようにも、あどけなくも冷たい、穢れを知らぬ処女のようだわ』

 私が、この作品を書いたのは、オスカーワイルドの『サロメ』に魅せられたからだ。本来の歴史のサロメは、母親の策略などの理由でヨカナーンの首を求める(確か、聖書に書かれていたと思う。旧約聖書か新約聖書かは忘れた)が、戯曲のサロメは愛しい男が振り向いてくれない、口付けをさせてくれない、などの恋愛要素が絡んだ悲劇だ。
 聖書の方の話を何となくではありながらも、知っていたうえでこの戯曲に魅せられた。
 と言っても、魅せられたきっかけはサロメの舞台を見たからではない。
とある春アニメ(どこまで言っていいかわからないから伏せる)で、第一話目にサロメを演じる女性ヴァンパイアが登場した。詳しくは書かないが、そのヴァンパイアは舞台『サロメ』の主役で、とある理由から演じ続けていた。その女性ヴァンパイアが演じるサロメがあまりにも魅力的だった。演じているというよりも、そこに存在していると言った方が正しいかもしれないが。最期も、サロメの名にふさわしい死だった。そして、彼女のサロメは、私の創作心を刺激した。
 ただ、残念なことにアニメの中では全てやらなかった。どうせなら、彼女の演技で、本物の王女となった彼女のサロメを通しで全部見たかったなとは思う。
 そうは言っても、尺の都合やらストーリー上のこともあるので仕方ないと思うし、結構満足しているのは事実だ。
 そんなこんなで、自分で本を探して読み込み、自分なりの現代版『サロメ』を書き起こすことになった。実際はサロメと言う世界が気になりすぎて読んでいた節はある。
 一番残念なのは、ミステリーにする予定が狂ったことだ。
 実は、本当はこの作品はサロメモチーフの殺人事件を題材にしたミステリーを書き、その犯人編としてアップするつもりだったのだ。
 しかし、自分の実力が足りないせいもあるが、ハウダニット(ミステリーで言う、犯人が使う手法、つまりトリック)とホワイダニット(犯行理由と言ったところか)が作りさせなかった。さらに、根本的な問題として、事件に関わった人間たちをどう特定するかなどが難しく、書けなかったためである。
 と言いつつ、現在進行形で別のミステリーを構築中だったりするが。それは、別の機会に話そうと思う。
 結果的に、サロメと境遇が少し似たストーカーじみた女性が、愛しいけど絶対に自分になびかない謎の青年の首を欲しがり、最後は殺されるという、狂った話になったが。
 だからと言って、納得できていない作品というわけではない。これはこれで、かなり納得しているし、我ながらいい作品ができたと思っている。それに、自分なりの現代版『サロメ』が形になったことにほっとしている。
それに、これのおかげで課題点も浮かんだので書いてよかったと改めて思っている。
 まあ、一発目の投稿がこれってどうなんだとは思うが。新作が偶々これになってしまったからという理由があるのだが、ただのやべえ人に見えるんだろうなと思う。中の人、ちょっと涙目。それは、それでいいことにしておこう。
 ついでに、エブリスタの規約が厳しすぎてR-15程度に済みそうだったのがR-18になってしまったことを少し愚痴っておく。なんか、あれ、矛盾やらなにやらありそうっすよね……。
 削除されたらこっちにアップしようかな、なんて

 いけない、いけない。関係ない話まで展開してしまった……。裏話だけ読みたい人には申し訳ない。
 解説等は、求める声があれば別で投稿しようと思う。多分ないけど。

今まで、小説家になろうで私の作品を読んでくれていた方、そして、今回初めて私の作品を呼んでくれたすべての方に感謝を。
裏話までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、また、次の作品でお会いしましょう。

作品リンクはこちら→ https://estar.jp/novels/25857067

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