恋の三角関係
今日はませにませていた4歳の頃の話。
私が沖縄県 伊是名島出身ということを知ってる人も多いと思うが、実は保育園までは那覇市繁多川に住んでいた。
人生で初めて異性を好きになったのはおそらく保育園の頃であろう。同じクラスのしんすけ君に一方的なベタ惚れしていた。
しんすけ君の何に惚れていたのか覚えてないないが、とにかく大好きで園内にいる間、しんすけ君の隣を独占していないと気が気でならなかった。
遊ぶ時も、ご飯の時も、お昼寝の時も、とにかくしんすけ君の隣はこの私ですから状態で、他のメスガキを寄せ付けない圧倒的な執着でしんすけ君の独占に成功していた。
ちなみに母曰く、しんすけ君はアンパンマンのカバオ君にそっくりらしい。
保育園にいる間はこの幸せがずっと続く、4歳にしてそう信じていた。
小さい時特有の男子のアレ
同じクラスのりょうが事あるごとに私にちょっかいを出してくるようになった。
小さい頃、男子が気になる女子に意地悪したり、ちょっかい出したくなる類であろうことは今になって分かるが、当時のリトルロマーシアにとってりょうはストレスの種だった。
しんすけ君と遊んでいると割って入ってきたり、
髪を引っ張ってきたり、事あるごとにりょうは絡んできた。
保育園に親がお迎えに来た際、タイミング良く来たりょうママに遭遇した時なんか奴はおとなしくママの足元にいる。
ッチ。いつもお前は私の周りをうるさくウロチョロ騒いどるだろうが…。
「りょうってばロマーシアちゃんのこと好きなのよ」なんて親同士盛り上がっている。
好き?いい加減にしてよ。
私にはしんすけ君がいるんだから、これ以上二人の仲を邪魔するんじゃないよ。
4歳にしてそんな事を考えている、立派なおませさんなのであった。
ストレス
しばらくの間恋の三角関係は続き、しんすけ君との時間を邪魔されることがとにかく苦痛で、保育園に通うのは当時の私にとって多大なるストレスになった。
母が櫛で私の髪をといていたある日、私の頭に10円玉サイズの円形脱毛が2つあるのを見つけたのだ。
保育園での三角関係に疲れ、4歳にして円形脱毛症って…。なんて子どもなんだろうか…。
恋愛が生活の中心になってしまうのは大人になった今でも変わらない。
小さい時からロマーシアはロマーシアだったんだなぁ〜と自分のことなのに感慨深さすら感じる。
円形脱毛症の発覚後、だいぶ昔の話なので
どこの何科に行ったのか覚えてないが、担当してくれたおじさん先生が円形脱毛の部分をトントン優しく叩いて治療してくれたが、先生の髪型がベビーへッドだったことに子どもながら不安だったけど。
何度か通院を重ねた頃、私は母に自ら保育園を辞めたいと申し出、保育園を中退することになった。
保育園を辞めた頃、バレンタインデーが迫っていたので母や叔母と一緒に手作りチョコを作り、しんすけ君にチョコをあげに保育園へ。
保育園に到着すると私を見かけた先生や園児に騒がしくも迎えられ、一丁前に元気?なんて世間話しつつ、手作りチョコをしんすけ君に無事渡す事ができて嬉しかったし、自分の気持ちに区切りもつける事もできて満足した一日となったのだった。
あれから私は伊是名島へ引っ越しし、しんすけ君やりょうと2度と会うことはなかった。
彼らはどんな青年として成長し、TVに出ていた私を見て保育園で一緒だったことは覚えていたのだろうか。
たまにふとそんな事を今だに考えてみたりする。
にしてもよ?
子どもが保育園辞めたいと言って、うん辞めよう!で辞めさせてくれた母、シングルマザーで働いて大変だっただろうに、今考えるとマジで凄くないか。
大人になって改めて気付く母の愛。
おわり