身内通院介助のカタチ
足元がおぼつかなくなった父に杖をもたせ、私は、パート仕事の前に月一で病院へ送っていました。以前は、もう一つ大きな病院へ前立腺がんの治療のために送り迎えをしていましたが、同居して何ヶ月かした頃、前立腺がんが大分良くなり、そちらの病院へは通院しなくても良くなったのです。
調べてみると、前立腺がんは罹る人も多いが治る確率も高いよう。そして、予防や回復のためには、質の良い睡眠や食事、生活習慣も前提になっているようでした。バランスを考えた毎日の食事が、少しは身体に効いたのかも!!
とは言え、尿漏れが回復したわけではありませんでした。
福祉サービスも利用し始め、父は、ケアマネージャーさんの勧めでどうにかリハビリパンツを履いてくれることもありましたが、通院の際に履いてくれたかどうかは確認できませんでした。他人が何かを聴くのと、私や身内が聴くのでは、父の機嫌が違います。いくらでも気分良く通院してほしい、又、自分も仕事前に嫌な気分になりたくありませんので、当たらず触らずのことが多かった。二人共あまり会話をせずに、病院へ向かったのです。
仲睦まじい親子や、細やかな心遣いと優しさを感じさせる老老介護のご夫婦を見かけることもありました。そんなときに、父はどう感じていたのだろう。思いかえすと、自分の冷たさに殺伐とした気持ちになることもありました。けれど、何かは気づいていたことでしょう。
いろんな家族がある。そして、自分の家族がこうなのは、、、
その中にある、かすかな優しさや思いやりは感じ取れたでしょうか?
いつもの通院とは別に、これはすぐに通院したほうがいいようだ!と思うことがありました。いつも茶の間で横になってばかり居る父は、抵抗力が落ちているせいで風邪を引きやすくなっています。風邪と骨折は高齢者の致命傷とも伝えてあります。そして、いくら、直ぐに通院するように、と話しても「この前通院したばかりだから大丈夫!」の一点張り。困りきって父の妹である叔母たちにも言ってもらうと、何度目かに漸く、「通院する。」とのこと。そのときには、車椅子でなければ介助できない状態になっていました。