誕生日プレゼントをくれない教授がくれるサプライズとは?
教授は朴念仁である。
誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントもくれない。
教授とまだラン友だった頃。共通の友だちと2月にマラソン大会へ参加した際、季節柄バレンタインチョコを配ったのであるが、お返しをくれなかったのも教授だけである。
そんな教授と何故か仲良くふたりで休日をすごすようになり、わたしも以前のように走れるようになったので、一緒に大会に参加することになった。
今回教授は、トレイルマラソン大会へ行きたいと言う。
トレイルマラソン大会(トレイルランニング大会)とは、未舗装路である山や丘陵などを走る大会である。
わたしは、ゆっくりとだが42.195kmのフルマラソンを完走することもできるし、110kmウォーキングを完歩することもできる。
だが、2階へ上がるだけでゼェーゼェー言う、脆弱な心肺機能の持ち主だ。
平地でも教授についていけないのに、山道はさらにキビシイ。
山道の大会となると最後尾覚悟である。
それでも、自然の中を走るのは気持ちいいし、大好きな教授と一緒にいたいので、わたしも大会にエントリーした。
さて本番。
スタートしてすぐ、教授はあっという間に見えなくなった。
わたしは最後尾として走ってくださるスイーパーと呼ばれるスタッフの前を陣取り、ひたすら完走を目指す。
マラソン大会なのに、坂道を歩いてばかりだったが、それでもひとり、ふたりと追い抜くことができた。
森の中をひたすら走る。キツくてキツくてたまらない思いをしながら、ようやくゴールが近づいてきた時。
前方に教授がいた!!!
「一緒にゴールしよう」
なんと教授は、後ろから5本の指に入る順位のわたしを待っていてくれたのである!
誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントも言葉さえくれない教授だけれど、いつもサプライズで優しい行動をプレゼントしてくれる。
教授。ありがとう!!!
大好き!!!
最後尾でも感動のゴールはできるのだ。
朴念仁な教授と仲良くなった訳とは
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