2020年8月11日 金沢競馬8Rの八百長疑惑について金沢競馬場の裁決委員の方とお話をしました
この度、2020年8月11日(火) 金沢競馬8Rにおいて八百長の疑惑がありました
まずはその疑惑の内容をお話しする前に、私がこの記事で書く「八百長」の定義について、まずはご説明させていただきます
【この記事での八百長の定義】
一般的に八百長とは「勝負に見せかけておきながら、事前に取り決めておいた勝ち、もしくは負けで決着させる事」とされておりますが、私がここで言う八百長とは単なる意図的な敗退行為(ヤラズと言われる行為)のみを指しているのではなく「競走における意図的な敗退行為によって、その敗退行為を事前に把握している特定の個人または組織が、勝馬投票券を購入する一連の行為」を指しております
【疑惑の競走内容】
八百長疑惑の競走内容は、2020年8月11日(火) 金沢競馬8R「ホオズキ特別3歳B1」となります
このレースで意図的に敗退した馬が4頭居ると考えております
1番「エグランティーヌ」鞍上は「田知 弘久」騎手
5番「タイムイズナカヤマ」鞍上は「堀場 裕充」騎手
7番「キークラウン」鞍上は「吉原 寛人」騎手
8番「ハクサンローズ」鞍上は「鈴木 太一」騎手
この3頭の1,5,7,8号馬の騎手、1,8号馬の調教師、7号馬の馬主は過去に何度もあった疑惑のレースでの敗退対象馬に関連している人物です
ですが競走馬の力関係等も考えた上で、まずは7番「キークラウン」鞍上は「吉原 寛人」騎手にフォーカスをあてたいと思います
キークラウンの単勝オッズは上記の通り3番人気ですが、3連系の人気順オッズをご覧ください
解りやすいように3連複と3連単の最終オッズに、7番から断然人気馬の2頭の3番と9番への組み合わせを赤く囲っておきます
■3連複最終オッズ
■3連単最終オッズ
ご覧の通り、単勝では7番が3番人気ですが3連複、3連単では7番は5番人気程度だというのがお解りになるかと思います
少なくとも2番と6番より人気がありません
それでは続いて実際のレースを7番のキークラウンを注目してご覧ください
【2020年8月11日 金沢8R レースVTR】
【2020年8月11日 金沢8R 競走結果】
さてレースをご覧になって如何でしたでしょうか
「ゲートが悪く仕方なく抑える競馬に徹したが、差は詰められず追い込んだものの5着敗退、やや抑えすぎにも見えるものの着順は人気通りでもあり、特に何も疑わしい所は無かった」
と思われた方も少なくないのではないでしょうか?
スタート後、全馬が避けて通るべきはずの内に1番の田知騎手、5番の堀場騎手、7番の吉原騎手がすぐに入って抑えている行為が微笑ましいです
8番の鈴木騎手も外々を回って抑えてますね
前半で見事にこの4頭が分断した後方追走となります
これが意図的な敗退行為であるかどうかは、なかなか判断が難しいとは思います
では7番のキークラウンがどのような馬かをご覧頂きたいと思います
まずは該当レースの出走表をご覧ください
■2020年8月11日 金沢競馬 8R 出走表
皆さんの目にはこの7番のキークラウンはどのように見えましたでしょう?
確かに人気の3番と9番よりはやや見劣りはするかもしれませんが、この馬も中央から転厩初戦を圧勝しております
その転厩初戦の7月12日のレースは1分38秒5の時計で勝っています
一方6番のヤマヒビキですが、同じ日の同じ距離のレースで3着に敗退し、その時の時計は1分39秒8で、キークラウンより1秒4も時計が遅いです
それなのに何故キークラウンは離された5番人気なのでしょうか?
とはいえ、これはあくまでも私の主観に過ぎませんので、ここで専門家の見解を見てみたいと思います
金沢競馬専門紙がサイトで無料出走表を提供しておりまして、そこで専門誌の出走表をご覧いただく事が可能となっています
■金沢競馬専門紙協会
転載は禁止なのですが、該当レースの予想の印を抜粋させていただきました
(※ クレームの削除要請があればすぐに対応させて頂きます)
これが専門家の方々による予想です
どう見てもやはり3番人気か、もしくはそれ以上の人気が妥当ではないでしょうか?
実はこのレース、7番のキークラウンは締め切り前までは2番人気の9番と争うくらいの人気で断然の2~3番人気だったのです
4番人気5番人気の2番、6番とはかなりの人気の差は開いていたのですが、締め切り直前にオッズは急変し、7番のキークラウンは一気に5番人気に下落しました
締切直線に7番のキークラウンを外した馬券の大量購入があったのです
【どの程度の大量購入があったのか】
1つ前の7レースとの投票数を比較をしてみました
青枠が1つ前の7レースで、赤枠が8レースの投票数です
かなりの差があるのが解ると思います
3連複で約370万円
3連単で約1,400万円
上記金額が7レースよりも売れている事が解ります
これが締切直前になって一気に売れてい事は判明しています
ちなみにですが当日の全てのレースの中で、3連複と3連単の売り上げはこの8レースが断然トップでした
どのような大量購入になっているかオッズを比較して見てると、明らかに1,5,7,8を外して大量購入されている事が解ります
■3連単オッズ(人気上位馬の3番と9番を1着に固定して流した場合のオッズ)
3連複も同様の売れ方をしています
なお3連複の場合は人気上位を見れば一目でおかしなオッズだと解ります
7を外した、2-3-9、3-6-9が締切直前で大量購入され1番人気になっています
それではここで一旦整理します
1.とある馬、数頭を外した馬券が締切直前に大量購入された
2.大量購入されなかった馬は不利とされる馬場の内を回る等、分断した後方で勝負所でも抑えたままレースを終えた
3.大量購入されなかった馬の、騎手、調教師、馬主は、以前から同様の大量購入のあったレースで不可解な敗退を繰り返していた
以上をもって私は「このレースには八百長の疑惑がある」と判断しました
【金沢競馬場への連絡】
八百長の疑惑があると判断した私は当日、8レース確定後に金沢競馬場へ電話しました
電話を受けた金沢競馬場の電話担当者に、八百長の疑いがある事を伝えた上で調査を要望したのですが、何度説明をしても「裁決がレースを確定したので不正等はないと判断しており、調査の予定はない」という回答でした
レース上で判断できる不審な行動では解らないが、大量購入とその購入から外された馬とレースの結果を見れば少なくとも「嫌疑」があって然るべきであり、「裁決がレースを確定したから」という理由のみで確認・調査をしないのは、公正競馬を遂行する義務の放棄ではないのか?
と話したのですが電話応対した担当者の回答は以下でした
・私には調査をする権限がない
・裁決は現在業務中である為に、最終レース終了後に裁決から電話連絡するので裁決に確認してほしい
との事で私は裁決からの電話を待つことにしました
ちなみにですが、私が裁決と話をさせろと言った訳ではありません
なお「裁決がレースを確定したから問題ないという認識」と見解は、船橋競馬場でも浦和競馬場でも同じ事を言います
入線後すぐに確定する訳ですから、これでは馬券の大量購入を観点に調査なんて出来るわけがありません
【裁決委員の方との話の内容について】
その後、約束通り裁決委員の方から連絡がありましたので、その内容を書き記します
船橋競馬場の裁決委員の方との話同様、以降の記載は会話記録ではなく議事録的な記載方法で記載しています
(当然、会話での本当の口調はこのようなものではありません)
私:本日の金沢8Rにて7番のキークラウン号を外した馬券が締切直前に大量購入された
レースの結果はキークラウン号に鞍上の吉原騎手がゲートを出た後に、馬を内に入り後方待機のまま馬券に絡むことなくレースは確定したが、これは八百長等の不正があったと考えている
このような「締切直前に特定の馬が外された大量購入があり外された馬が敗退する。敗退した馬の騎手と調教師は大体特定のグループ、そして特定の馬主の馬である」事は幾度となくあり、嫌疑は十分であると考えているため、不正がなかったかの調査をして頂きたい
裁:競走の後に、レース上での不正な行為を監視・調査する地方競馬全国協会の専門職の2名の人間と共に、レースのVTRを厳密に2回ほど確認した上でレースの結果を確定をしている
したがって今回の第8レースにおいても不正は無かったと判断している
私:吉原騎手の騎乗内容についてはどう判断したのか?
裁:確かにレースでは抑えて後方待機となっているが5着に入線している
またキークラウン号は5番人気~6番人気であった為、結果論で言うと人気通りであり、そこに不正や問題はないと判断している
加えて、吉原騎手が後方待機のままであった為、レース確定前に吉原騎手に事情を確認している
そこで吉原騎手は「返し馬に乗った時から馬がいつもの調子ではない(状態が100%ではない)と感じた為、今回はこのようなレースになった」と証言している
それらを踏まえた上でも8レースに不正はなかったと認識している
私:1つずつ認識の確認をさせていただきたい
まず先ほどキークラウン号は5番人気~6番人気であると発言したが、キークラウン号は3番人気である
裁:人気順は3番,9番,6番,2番,5番の順の5番人気であると認識している
私:単勝は3番人気である、それは3連単の人気ではないか?
裁:地方競馬全国協会の職員からも3番,9番,6番,2番,5番の順と聞いており、人気の順番はこのように認識している
私:それは3連単の人気であり、また最終オッズになる前は7番のキークラウン号は2番人気の殆ど差のない3番人気であった
しかし締切直前に7番のキークラウン号を外した馬券の大量購入があった為、3連単は5番人気となったものであり、決して本来の支持率(人気)通りの決着であるとは言えない
したがって大量購入があった事で歪曲した支持率である事から、先ほど見解を述べられた「人気通りの着順」という事は否定させて頂く
私:次に先ほど述べられた吉原騎手への聞き取りについて、吉原騎手が「返し馬に乗った時から馬がいつもの調子ではない(状態が100%ではない)と感じた為、今回はこのようなレースになった」と証言したとの事だが、キークラウン号は前走がJRAからの転厩初戦で、その際に騎乗していたのは米倉騎手である
吉原騎手は今回キークラウン号には初騎乗のはずだが「いつもの調子ではない」とは何をもって言っているのか?
裁:攻め馬に乗ったのではないか?
私:私はキークラウンの調教に誰が跨ったかまでは知らないが、吉原騎手が「返し馬に乗った時から馬がいつもの調子ではない」と言っていたのは調教の時と比べてという意味なのか?
裁:私はそう解釈していた
※参考※ 当日の専門誌の調教欄
私:承知した。後にキークラウンの調教に誰が跨ったか調べておく
少し話は変わるが裁決の判断基準について伺いたい
今回のようにずっと控えたままの競馬もそうだが、例えばゲートが開いた後、楽に逃げられるにもかかわらず、到底ゴールまで保ちそうでない無茶なペースでずっと気合を付けて大逃げえした場合はその時も騎手に「何故、このような(無茶な)競馬をしたのか」をヒアリングするのか?
裁:その通りである
私:そのヒアリングの結果「あえて大逃げして残す事ができないか、そういう作戦だった」と回答があった場合、それ以上追及できないのではないか?
裁:その通りである
私:そうなると、その大逃げが意図的な敗退行為であった場合、裁決は不正を見抜けないのではないか?
裁:もしその行為が本当に意図的な不正行為なのであれば、見抜くことはできない
私:という事はレースだけで不正を見抜けないのであれば、色々な角度から不正がないかを確認・調査するべきではないか?
裁:その意見は否定はできない
私:少し話が逸れるが裁決委員の業務は以下であると認識しているが相違ないか?
1.競走の着順確定
2.失格・降着・申立の裁決
3.競走馬や騎手への保安措置と制裁
4.競馬の公正を害すべき行為の取締
裁:相違ない
私:では話を戻して、裁決の業務として「競馬の公正を害すべき行為の取締」があるが「意図的な敗退行為をレースだけで見抜けない場合がある」のであれば、別の観点からでも競馬の公正を害すべき行為を調査・取り締まる必要があるのではないか?
裁:別の観点と言うのは何を指しているのか?
私:状況を整理するとこうなる
1.締切直前に特定の馬を外した馬券の大量購入があった
2.大量購入で外された特定の馬は、馬券に絡む事なく敗退した
3.敗退する馬の騎手、調教師、馬主には規則性がある
4.敗退行為はレースだけでは見抜くことができない場合がある
5.このような事が過去に何度も発生している
ではレースだけで不正を見抜こうとするのではなく「競馬の公正を害すべき行為の取締」を遂行するのであれば、直前の大量投票を調査するべきではないのか?
裁:その意見も理解はできる
私:本当に「競馬の公正を害すべき行為の取締」を遂行するのであれば、大量投票とそのレース結果を見て「おかしい」と思うべきであり、そこに何の疑いもないというのは理解し難い
本日の金沢8Rだが、1つ前の7Rと比べてどの程度の投票数の差があったのかは把握しているのか?
裁:まだ手元に情報はなく把握していない
私:三連単で言うと1,500万円程度、三連複で言うと300万円以上違いがある
ちなみに今日の金沢競馬全レースの中で三連単および三連複の売上トップはこの8レースである
これを認識してもおかしいとは思わないか?
裁:今の段階では何とも言えない
私:繰り返しになるが今日が初めての事ではなく、今までに何度もこのような事が起きていた
そして必ず、敗退する馬には特定の騎手、調教師、馬主が絡んでいる
当然これは調査するべきではないか?
裁:調査の件については一度内部で検討する
私:検討ではなく調査を実施いただきたい
大量投票の件は述べた通りで、その大量投票の中で外された馬がキークラウンであった
そしてそのキークラウンは後方抑えたままの競馬で敗退し、吉原騎手は「いつもの調子ではなかった」と言ったわけであるが、こうのような状況証拠がある以上は、吉原騎手の証言をそのまま信用するのではなく、疑いの観点も持つべきではないのか?
裁:正論ではある
私:では是非とも調査を実施頂きたい
と言うのも金沢競馬は「裁決がレースを確定したので不正はなかった」と言うのだが、そうなのであれば裁決委員が調査をして頂きたい
そうでないと大量投票からの不正の疑いを誰も持たずに「不正はなかった」と言っている事になる
それは明らかな調査不足で公正競馬の施行と言えるものではない
笠松競馬であのような事が起きて、今地方競馬は非常にデリケートな時期であるにもかかわらず、このような事が平然と起きることは異常である
裁:繰り返しになるが調査の件については一度内部で検討する
私:検討の結果は教えて頂けるのか
裁:それは約束が出来ない
今まで1度も八百長や不正は無かったと認識している
それを今回のこの1つのレースの疑惑について調査を検討して、その結果を回答する等は考えてはいない
私:一個人に検討結果を回答できない件は理解できる
ただ気になったのが「今まで1度も八百長や不正は無かったと認識している」と言ったが、それは大量投票からの調査を行っていない怠慢というだけの話ではないのか?
裁:不正が何か起きてないかというのは常に念頭に置いて業務に取り組んでおり、怠慢だという事はない
私:不正がないか常に念頭に置いて業務に取り組んでいるが、大量投票からの観点では調査をしていない、投票数の異常性を判断して不正が潜んでないかを確認していないにも関わらず「不正は無かった」と断言するのは、おかしいのではないかという事を言っている
これで調査を実施しないなら同じ事が必ずまた発生する
その際もレースだけを見て「不正はなかった」と判断するのか?
裁:不正がないかしっかりと確認した上で判断する
私:それは本当に公正競馬なのか?
馬券を買っているファンは「不正なんてない」と信じて馬券を買っているが、今の状況で本当に競馬ファンに対して「公正な競馬である」と胸を張って言えるのか?
あの大量投票が組織的なものであった場合、その組織の私利私欲の為に純粋な競馬ファンが食い物にされている事になる
何としてでも調査をお願いしたい
裁:承知した
また別の地方競馬全国協会の職員が来る事になっている
その者ともう一度このレースについて話し合う事にする
私:その時に投票の確認も出来るものなのか?
裁:可能である
私:ちなみに投票について、電話投票なのかネット投票なのか等は判別できるものなのか?
裁:可能である
発券投票、電話投票、どのネット投票であるかは判別ができる
私:繰り返しになるが、今後の公正競馬の為にも是非とも調査を期待している
あとがき
以上が、裁決委員の方と話した内容となります
この会話ですが、録音をしておりました
ですが私が冒頭で「録音している」と告知しておらず、最後に「録音内容を第三者に公開して良いか?」の確認をしたのですが「都合の良いように編集される可能性もあり、好ましくない」との事でしたので、公開は見合わせました
これは事前に告知していなかった私も悪いです
(告知していない録音の公開は違法性があります)
「以前に会話の内容を部分的に切り出されてネットに公開された」との事で問題になったようで、基本的に録音の公開許可してないようです
この「以前に会話の内容を部分的に切り出されてネットに公開された」と言うのはきっと、金沢競馬や南関東競馬の不正を追及している方で、笠松競馬の不正を抗議し裁決との会話の一部をTwitterに上げている音声の事だと思います
(解る人には誰の事だか解ると思います)
八百長についての私の考え
昨今、笠松競馬での馬券購入等ニュースで話題になりましたが、私は八百長をした人間も当然悪いのですが、その人間だけが悪いと思っていません
中には、気持ちとは別に八百長に加担してしまう事になり、その事実があるが故に抜け出せなくなってしまった人間も居るのだと思っています
言ってみればそれらの人々はある意味の被害者でもあります
「不正があっても調査されない、返金申立の人間が殺到するので主催者側も絶対に八百長摘発なんてする気が無い」
等という雰囲気があるため、八百長が横行しているのだと思っています
それは不正を取り締まり、監視を強めない主催者の責任は大きいです
正直申し上げますが、笠松競馬の件は笠松競馬場は今まで何度も指摘や抗議をされておきながら、見て見ぬふりをした罪は大きいのではないでしょうか
八百長に加担せざる得ないような状況を容認してはいけません
主催者側には公正競馬の施行に向けた不正の取り締まり、徹底的な調査の強化を期待します
今後、不正を見つけ次第、常に声をあげて行きたいと考えています
裁決委員の方、地方競馬全国協会の方へ
またこの書き起こしですが、都合よく改変したつもりはありません
もし「都合よく改変している」「事実と異なる」という部分があれば、ご指摘ください
電話番号と名前はお伝えしているはずです