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2022年 元旦 名古屋競馬1R 八百長騒動の考察

先に申し上げておきます
今回の記事は読まれている方を不快にさせるかもしれません
少し棘のある記事となっております
誠に申し訳ございません

さて、2022年1月1日 元旦の名古屋競馬1Rにて「八百長だ」という事でネット上で一部騒ぎになっているようです
友森 翔太郎 騎手鞍上の4番 マサノムサシです
最後の直線で外に出して追うのを辞めた結果、4着に敗退しているという事のようです

01. 騒動になった名古屋競馬のレース

映像は以下のリンクからご確認ください

あくまでも私的見解となりますが私は「八百長」と「ヤラズ」は使い分けています
私は八百長は問題にしておりますがヤラズについてはそれほど問題視していません
その理由は後ほどご説明させていただきます


02. 『八百長』定義(私見)

そして過去の記事でも書いた事があるのですが、私個人が「八百長」としている定義は以下の通りです

■八百長の定義
一般的に八百長とは「勝負に見せかけておきながら、事前に取り決めておいた勝ち、もしくは負けで決着させる事」とされておりますが、私がここで言う八百長とは単なる勝利をする気のない行為や敗退行為(ヤラズと言われる行為)のみを指しているのではなく「競走における意図的な敗退行為によって、その敗退行為を事前に把握している特定の個人または組織が、勝馬投票券を購入する一連の行為」を指しております

その定義に基づいて見解を述べさせていただきますと、今回の件は「八百長ではない」と考えています
まず八百長の典型的な特徴を以下に列挙します

■八百長の典型的な特徴
1.前後のレースと比べて売上が突出している(組織的買い込み)
2.特定の馬を外した買い込みが発生するのでオッズ変動が明らか
3.買い込みから外された(敗退する)馬は、特定の騎手、調教師、馬主に偏っている
4.買い込みから外された馬のレース内容がおかしい


03. 八百長であると判断したレース

ではその特徴にならって直近で行われた、私が「八百長である」と見ているレースをご説明します

■2021年11月16日 (火) 金沢競馬5R

2021年11月16日 (火) 金沢競馬5R 出走表


まず、ここで怪しいのは3番のハクサンルピナスと、7番ハクサンボタンです
ハッキリ書きます
ネットで調べてもらえば解りますが吉原 寛人 騎手と、米倉 知 騎手は常習犯です
さらに条件はそれだけでなく、調教師も条件として必要です
この加藤 和義 調教師も常習犯です
そして鉄板なのが、馬主の河崎 五市氏です
このレースはそのすべてが揃っていたのです

次に3番のハクサンルピナスと、7番ハクサンボタンのオッズ推移をご覧ください

2021年11月16日 (火) 金沢競馬5R 3連複オッズ推移


これは3連複の時間別オッズ推移です
どの番号の馬がどのくらいの得票率であるかをグラフで示したものです
3番と7番のオッズ推移をご覧ください
2頭ともに締切直前で5%近く一気に下落しています
これはこの2頭のみ外して馬券が大量に買い込まれた証拠を示しています
ハッキリ言いまして3連系の得票率が一気に5%も変動するのは異常です
比較できるように八百長が行われなかった1つ前の4Rのオッズ推移と見比べてみてください

2021年11月16日 (火) 金沢競馬4R 3連複オッズ推移


このように締切直前で動いたとしても1%程度、大きくても2%程度です
5Rのように3連系で人気順が逆転するような売れ方は異常という事です

では続いて売り上げを比べて見てみましょう

2021年11月16日 金沢競馬5R~7Rの売上


赤枠が疑惑の5レースの売上です
青枠が以降の6Rと7Rの売上です
ほぼ全券種の売り上げが6Rや7Rより売れていますが、八百長の便乗買いもある事から注目すべきは3連複と3連単です
3連複でおおよそ200万円3連単でおおよそ500万円突出しているのが解ると思います

ではどのようなレースだったのでしょうか
以下のリンクから主に3番と7番に注目してVTRをご覧ください


3番 ハクサンルピナスの米倉騎手は終始後方待機
4コーナーでも外を回さずに何故か伸びない内を通ってまともに追う事無く敗退しています
7番 ハクサンボタンの吉原騎手は名演技です
ゴール後果敢に攻めて前で競馬をしています
これは金沢競馬や吉原騎手を知らない人から見れば、敗退行為には見えないかもしれませんが、全て計算し尽くされた敗退行為です

そもそも金沢競馬場は基本的に内が伸びません
なのでVTRを見てもらったら解る通り全ての馬は道中外を回っています
これは逃げ馬でも例外ではありません
しかし吉原騎手はずっと内を回っています
4コーナーでも外に出さずに内を回ります
そしてこの追い方は完全にカラ追いです
吉原騎手の本気で追うと鬼人の如く馬にリズムと勢いを与えて豪快に追いますので、あんな腕だけのジャブのような追い方はしません

昔の八百長はもっと露骨な騎乗だったのですが、不正行為に声を挙げる人が増えてきたため、非常に巧妙なやり方に変わっています
それでも不正を辞めず、まともな調査をしないのが金沢競馬なのです
金沢競馬は1月から開催が春休みに入りますので、このようなレースは特に11月~12月にかけて非常に横行しています

目で見て「なんかおかしい」だけでなく、このように売上、オッズ推移、登場人物、そしてレース内容、その全てを判断した上で八百長であるかそうでないかを確信しています

以上の観点から、1月1日 名古屋競馬1Rは八百長はなかったと判断しています
その理由をご説明して行きます


04. 騒動になっている名古屋のレースを検証

■2022年1月1日 (土) 名古屋競馬1R

2022年1月1日 (土) 名古屋競馬1R 出走表


問題となっている対象馬は4番のマサノムサシですが出走8頭中、単勝は129.9倍にもなる大穴の7頭番人気です
八百長によって人気3頭決着にさせるべく、この馬を敗退させる必要があるのであれば、人気馬以外の他の5頭(合計6頭)も故意敗退に加担しなければ八百長が成立しません
私は過去、金沢競馬や浦和競馬、笠松競馬等で見てきた八百長で9頭中6頭も組織的に八百長に加担しているレースなんて見た事がありません
せいぜい2~3頭、多くて4頭くらいです
この6頭の調教師、馬主、騎手全てが八百長に加担しているという事でしょうか?
しかも友森騎手は当日、山田祥雄の疾病による代打の乗り変わりです
急いで友森騎手を巻き込んで八百長の算段をしたと言う事でしょうか?
ハッキリ言います
そんな事はあり得ません

では続いてオッズを見てみましょう

2022年1月1日 (土) 名古屋競馬1R 3連複オッズ推移


2022年1月1日 (土) 名古屋競馬1R 3連単オッズ推移


曲線は非常になだらかで異常は見当たりません
少しカクンと上下しているように見えますが、これは3分前から14分前のデータを省略しているからです
それを短縮しても非常になだらかな曲線である事が解ります
大量購入の痕跡も無く異常は見当たりません

では続いて売上です

2022年1月1日 名古屋競馬1R~3Rの売上


1Rは3連単が突出しています、これは間違いありません
ただこれは日本で新年最初のレースである事、2Rが川崎の新年初回1Rが始まった後のレースである為、売り上げがそこまで伸びなかった事が考えられます
3連複や3連単はそのレースの出走構成によって売れる券種も変わりますので比較するべきは3Rの売上で見るべきでしょう
初回のレースである事を考えればそこまで気になる差ではありません
なお、この2レースより1レースの方が売り上げが伸びている点について、名古屋競馬の正月開催全てにおいて同じ事(1Rの3連単の売り上げが2Rより突出している)が言えます

では続いては騒動となったレースについてですが、まずそもそも八百長にて故意的な敗退をするのであれば、あんな勝負どころの3コーナーから4コーナーにかけて仕掛けたりしません
黙って手綱を引いたまま、米倉騎手のように最後は内を回って敗退すれば良いだけの事です
敗退が目的ならばあんなところで仕掛ける意味なんて全くありません

従って私はこの騒動になっている名古屋1Rについては「八百長などではない」と考えます


05. 追わなかったのか追えなかったのか

では何故あのように、直線で追わずに敗退したのか?
まず私は「追わない理由」はないと考えています
では追えなかった、追う事で問題が生じる可能性があったと考えられます

問題が生じると言えば、「馬体に故障が発生した・発生したと感じた」ですが、入線後の様子から見てもそのような様子は見てとれません
少し私が気になったのは、内にモタれる、ササっているのではないかという点です
友森騎手ですが4コーナーから外に矯正をしているように見えました
右脚が浮いて左腕でかなり外へと引っ張っているように見えます

4コーナーの様子


その後ですが、直線は追って2度ほどムチを入れています
その都度、若干内に居る7番キクノペンスキーに接近してるように見えますので内にササっているのではないかと私は考えました

そして内の7番キクノペンスキーと馬体が合って半馬身前で出た時に、友森騎手は追うのをやめています
ここからが騒動になっているシーンなのですが、もし追う事で内にササっているのであれば内にササる事で7番キクノペンスキーとの接触を避けたのではないでしょうか
新年早々、この平場の1Rで接触事故を覚悟で単勝万馬券の馬を負う必要はないと考え、また外でややリードしている事からこのままでも3着入線が果たせると考え、それらの総合的な判断から追わない・ムチを入れない事を選択したのではないか、しかしその結果、思ったよりも早く脚が止まってしまい、内のキクノペンスキーに交わされてしまったというのが真相ではないか考えています

実際にササっているかどうかはこのVTRの確度からは解りません
馬が内に逃げようととする様子等は傍からは解り辛く、騎乗している騎手でしか解らない部分もあります
ただこの見解もあくまでも私個人の見解です

しかし騒動になっているシーンで追っていないのを見ただけで「八百長だ」と決めつけるのは、あまりにも安直な考えではないかと思います

似た事案として、JRAでも2009年3月21日(土) 阪神競馬9R なにわステークスにて、2番人気の鞍上、秋山真一騎手のマハーバリプラムが好スタートから持ったままで4コーナーを迎え、直線1度も追う事がなく敗退した事があります
この時も「八百長だ」という声が殺到しました

秋山騎手はレース後のコメントとして「スタートが良すぎて引っかかってしまった」という事だった
確かに多少引っかかった感じで道中はグイグイと進んでいる
そこで秋山騎手は「お釣りがもうない」と考え、ギリギリまで追い出しを我慢しようとしたが外の馬の勢いから判断して早々に負けを悟ってダメージを残さないようにしたのかもしれない

降級させるために負けたヤラズだという声もあるが、安田隆行厩舎で馬主は吉田勝己氏である事を考えれば、そんな降級による利を取ろうだなんて考えるわけがないと思います


06. ヤラズは許されるのか

そもそも仮に降級させる為のヤラズだったとしても私はそこまで大きな問題視はしていません
ヤラズは確かに公正競馬に反する事ではあるかと思いますが、競馬をやっている中でそのような事を往々にあるものだと思っています
組織的に馬券を買って利益を抜く等の八百長(上述の定義参照)によるヤラズでない限り、声を挙げようとは思っては居ません

ヤラズは如何なる理由があろうが不正で処罰するべきだろう」という意見もあるかと思います
それは人の考え方ですので十分理解できます
そういう意味では今回の友森騎手の騎乗や、なにわステークスのマハーバリプラム秋山騎手の騎乗はヤラズで処罰されるべきだという意見なのかもしれませんが、ではそうお考えになっている方々にいくつか質問をさせてください
見解をお伺いしたいです

1.名手、岡部幸雄騎手は新馬戦では馬の今後の成長を考えて無理に追わず、更にはムチを殆ど入れなかった事で有名ですが、彼は処罰されるべきヤラズでしょうか

2.運動誘発性肺出血を発症してまともに稽古ができず、とてもではないが走れる状態でなかったナリタタイシンを「何とか出走させたい」と菊花賞に出走させて大敗を喫した大久保正陽調教師は不正として処罰されるべきでしょうか

3.三冠のかかった菊花賞でミホノブルボンに迷惑が掛からないよう、「出来るだけ離して逃げた」と言ったキョウエイボーガンに騎乗した松永幹夫騎手ですが、ただでさえ速いペースなのにバテる事が解っていながら離して逃げた事は処罰されるべきヤラズでしょうか

4.別府真衣騎手の引退レースで、ダノンチャンスに騎乗した別府真衣騎手が直線先頭に立った際に、内でいつでも抜け出せる手応えで4コーナーを回ったメイショウカッサイ騎乗の倉兼育康騎手が、別府真衣騎手の引退レース勝利を望むかのように全く追わなかった事は処罰されるべきヤラズでしょうか

5.藤田菜七子騎手が浦和競馬場でアスキーコードに騎乗して初勝利を飾ったレースで、4コーナーから先頭に立つ藤田菜七子を見ながら2番手で間隔を開け、後続がアスキーコードを交わさないように後続馬を威嚇して蛇行を繰り返し、完全に藤田菜七子騎手の初勝利をアシストしたミカドウェザリアに騎乗した的場文男騎手は処罰されるべきヤラズでしょうか


上記5つ全てが「不正で処罰されるべきである」とお考えの方は本当に不正が許せないというお考えの方なのだと思います
その考えは非常に立派だと思いますし否定をする気はございません

しかし、この5つが不正かどうかの考え方にバラツキがある方が殆どであると思います
何故ならば少なくとも藤田菜七子騎手の初勝利のレースや、別府真衣騎手の引退レース勝利のレースについては殆ど誰も問題視して声を挙げていないからです
もしくはこのヤラズは解っていながら許して黙認しているはずです
それが何故今回の友森騎手だけ全く違った熱量の声で、これほど「八百長だ」と騒動になるのでしょうか?
しかも友森騎手は別に誰かに対して温情的に手を抜いた騎乗をしていないにもかかわらず、今回の件だけこれほど批判の対象となっている事に私は疑問を覚えます


なおハッキリ申し上げますが中央競馬も地方競馬も問わず、ヤラズといものは存在します

・降級させたい為に上位入線しないよう走らせる

・一発逆転ファイナルレースに選抜されるよう大きく敗退をする

・馬主に出走手当に交付させて赤字にさせないよう、とにかく月に2回出走させる

・デビュー戦で勝てないと判断したら次戦は相手が軽いメンバーになるよう緩めて4着以下に負ける

などなど
今は地方競馬も好景気ですが特に「月に2回出走」は名門の厩舎でない場合、よく馬主にお願いされたりするものです
いくら馬の状態が悪くても馬主の為に調教師は出走させます
それは厩舎、馬主、そして競走馬にとっても共存の為のいわば作戦です
バブルな中央競馬と違って廃止がささやかれる中でも頑張ってきた地方競馬はこういった背景が多々ある訳です

だからこそ、私は所謂ヤラズに対しては特に問題視していません
それを見込んで競馬予想をしています
あくまでもこれはあくまでも私個人の考え方なのを重ねて申し上げておきます


07. 総括

先に申し上げておきます
この記事を読んで不快になった方が居られたら申し訳ございません
総括を書かせて頂きます

今回の騒動の件は「八百長であるかどうか」を全く検証をする努力もせず、ツイッターで話題になったVTRの様子を見てマウントを取るかのように「八百長だ、暗黒だ」と短絡的に騒いだ人間の連鎖によるものだと思っています
いままさに注目されて立て直しを図っている東海競馬で八百長が起こるなんて事は考えにくいですが「笠松から反省をしていない」と単に嘲笑したいだけなのではないかと少し憤りを覚えました

そもそもその笠松競馬でも2021年12月9日(木) 笠松競馬4Rにて、単勝オッズが4番人気→6番人気→3番人気での組み合わせにも関わらず3連複が1番人気となっており、そのレースの3連複が約前後のレースと比べて500万円ほほど突出していた事から八百長だと嘲笑してまとめサイト等で取り上げられていました

確かに売り上げは突出して3連複は1番人気でありますが、オッズ推移やレース内容におかしな点はありませんでした
また単勝のオッズは参考にならないくらい混戦だった事は申し伝えておきます
誰かがそこを厚くして勝負したという事だと捉えていますが、どうにも八百長騒ぎをしたい人が一定数居るようです

私は本当の八百長(組織的な買い込みと併せてレースでの故意敗退による不正な利益搾取)は声を挙げて、撲滅するべきだと思います
しかし、八百長でもないレースで八百長騒ぎをしていると「なんでもかんでも八百長騒ぎをする」と捉えられて、本当の八百長でさえも「なんでもかんでも騒ぎすぎ」と注視もされなくなってしまう事を非常に懸念します

今まで八百長を色々な角度から検証して見極め、声を挙げ続けてきた人の功績も全て台無しになってしまうので、パっと見て面白がって拡散するのではなくもう少し慎重に見極めてほしいと切に願います

ただし今回、地方競馬全国協会員でもある名古屋競馬の裁決委員が審議にしなかった事は問題だとは思います
これは名古屋競馬場も審議にする権利はないので、審議に出来るのはあくまでも裁決委員の判断である事から、その責任は裁決委員です
レースを見ても解らないおかしな動作であるのであれば、まずは審議をした上で事情を聴取するべきだったでしょう
(何を根拠に全く問題ないと判断して審議にすらしなかったのかは疑問)
そうする事で今の地方競馬全国協会のルールの則って、パトロールビデオも公開できたはずです
地方競馬全国協会(裁決委員)の事なかれ主義の体質は、笠松競馬のあの事件後も変わっていないという事です

これを1つの機会として、中央競馬でもやってる事ですので地方競馬全国協会は今後はパトロールビデオを全レース公開してほしいと願います
それが公正競馬にも繋がりますし、濡れ衣的なものも証明できるのではないでしょうか
今回の総括は以上となります

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