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保険の不可思議⓶

 低金利が極端に継続している。このため生命保険会社では外貨建ての保険を売ることで、問題を回避しようとしてきた部分がある。特に貯蓄性の商品として外貨建ての保険を販売している。

 外貨建てなので金利が日本より相対的に高かったとしても(最近、どこも低金利になってきて、差は縮小)為替リスクがある。当然円高になれば、損失を被る可能性が高まる。

顧客への説明やアフターフォローの徹底と保険代理店手数料

 こういう事柄について顧客への説明が不十分ではないかという問題意識は古くからあり、それを解決するものとして、保険代理店に対する手数料コントロールによる方法が考え出された。保険代理店(外貨建ての保険商品は主に銀行が主要な保険代理店になっている)が販売時に顧客に説明責任を大きく果たしたり、アフターフォローをきめ細かに行ったりすると手数料が増える。逆に手抜きすると減る。

誰が得するのか?

 よく考えてみると、しかし、この話はどうもおかしい気がする。
例えばある消費者がある外貨建て保険で一時払い保険料を1000万円払ったとする。最初から9%とかの手数料(付加保険料)を抜かれる(顧客→保険会社)。保険会社はここから5%を保険代理店に手数料として支払う(保険会社→代理店)。上記の仕組みによると、保険代理店が顧客に説明責任を大きく果たしたりアフターフォローをきめ細かく行ったりすると、手数料が多くなる仕組みになるらしい。逆に手抜きすと安くなる。

 保険会社がお客からとる手数料(付加保険料)9%が固定されているので、保険代理店が手抜きする(客の金融リテラシーが高い!?)と、保険代理店への手数料は安くなるが、その分、保険会社の取り分(残り)が増えるだけである。

 投資信託で考えてみる。ある銀行では、窓口で消費者がある投資信託を購入すると3%手数料だが、その銀行のHPで自ら購入すると手数料を一定比率割り引く。こちらの場合は、消費者がその分得することになる。

 保険会社のやってることは、手数料の配分が変わるだけで消費者が抜かれる部分が削減されるようなことはない。なんか不可思議で納得がいかない感じがする。

※上記の「9%」とか「5%」とかは保険会社、保険商品により異なる。あくまで事例としての数値です、念のため。

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