ラブライブ!サンシャイン!!が私の中で大切なアニメであり続ける理由
目次
・シリーズ他作品との比較
・Aqoursこそが真のスクールアイドルプロジェクトだ
・ハッピーエンドについて考えてみる
・Aqours≠9人、浦の星=Aqours
シリーズ他作品との比較
ラブライブ!本戦で優勝した。
なら廃校は取りやめても良いじゃん!
→ものすごく分かる。けど違う。
この作品の意義はそうじゃない。
きっとそれは"沼津"が抱える問題でもある。
音ノ木坂→神田
浦の星→沼津
虹ヶ咲→お台場
結ヶ丘→原宿
蓮ノ空→金沢
この5つの中で最も人口が少ない都市は、間違いなく沼津。
アニメって結局はフィクションだから、μ'sみたいに「雨やめー!」で雨が止んだり、そういうご都合主義なエンタメに振り切っても良いと思う。
けど、サンシャイン!!は違った。
地方都市が抱える厳しい現実にも向き合ってる。
それが物語に深みを与えてると感じている。
シリーズで唯一、実在する学校が校舎のモデルになってるのもサンシャイン!!だけ。
リアルにこだわった作品なんだと捉えている。
サンシャイン!!で浦の星は廃校になってしまったように、あわしまマリンパークも突然閉館してしまった。コレが現実。千歌たちの町が抱えるリアル。
もちろん何事にも終わりはある。"千歌たちが過ごした町"をいつまでも"千歌たちの町"のままにしておくというのは不可能だと思う。でもオレたちはなるべく"千歌たちが過ごした町"のままであって欲しいと願ってしまう。それをするには、沼津にちゃんとお金を落とさないと成り立たないよ。という事が私は言いたい。
どんな山奥の田舎育ちだろうと、久しぶりに帰省をすると町が変化している事に気付いたりするだろう。町は人の集合体である。そして人は移ろいやすいものでもある。何も変わらないなんてことはありえない。でもそのエゴを通したいのなら、半永久的にオタクが沼津に足を運ぶこと、町にお金を落とす事。コレをしない事には成立しない。
サンシャイン!!では浦の星は廃校になってしまったけど、私たちが沼津に行く事で、沼津がまた盛り上がるかもしれない。都心からそこまで遠くない土地なのに、現実はコレ。でも日帰りでも楽しめる距離感である沼津が舞台に選ばれたのは、そういう理由もあると思っている。物語では廃校になってしまったけど、沼津という学校を廃校の危機から救えるのはオレたちオタクしかいない。この物語はそういう捉え方もできる。
Aqoursこそが真のスクールアイドルプロジェクトだ
Aqoursこそが他のどの作品よりも、真剣にスクールアイドルプロジェクトをしてると思う。
甲子園に置き換えて考えてみて欲しい。浦の星みたいな創設1〜2年のぽっと出の高校が、いきなり甲子園を制覇するだろうか…?
きっとそんな事が実際に起こったら、エラいニュースになると思う。それほどの事を彼女たちは成し遂げているのだ。
もちろん、μ'sも音ノ木坂の代表として活躍した。
彼女たちには叶えたい夢があって、それを成し遂げた。
他の生徒たちも彼女たちの夢を一緒に追いかけた。
そして、Aqoursも浦の星の代表として活躍した。
彼女たちには叶えたい夢があって、それを成し遂げた。
他の生徒たちも彼女たちの夢を一緒に追いかけた。
一見、同じようだがその本質は全く違う。
再び、高校球児で例えよう。
甲子園に出る子たちはプロになる事を夢見てる。野球部以外の生徒たちにとっては彼らの中からプロに行く人が出るか出ないか?はさほど重要ではないと思う。もちろんそういう人が出たら良いね、私の同級生、大谷翔平なんだ!くらいの恩恵はあると思うが。
Aqoursはどうだろう?
自分の通う学校がなくなってしまうのは、やはり悲しい。
Aqoursの夢を全校生徒が応援してるのではない、全校生徒の夢(=廃校阻止)をAqoursの9人が代表して叶える為にラブライブ!優勝を目指した。
μ'sとAqoursの決定的な違いはそこにある。
もちろんμ'sもスクールアイドルとしてあるべき形のひとつだし、彼女たちも真剣にやっていた、という前置きは当然あります。
ただ、本当の意味で全校生徒を巻き込んでの戦い。これを真のスクールアイドルプロジェクトと言わずして何と呼ぼう。
ハッピーエンドについて考えてみる
浦の星は結局廃校になってしまったが、ラブライブ!の優勝トロフィーに刻まれた"Aqours"の文字が消えて無くなる事は、未来永劫ありえない。
それこそが浦の星女学院が確かにそこに存在した証だ。
実はコレってハッピーエンドじゃない?
幕引きとしては最高の形、最上級の終わらせ方だと思う。私も死ぬならこうやって死にたい。9周年を迎えて、ファイナルワンマンライブを行うのもそう。どうしたって寂しいけど、キチンと終われるのって幸せなことだと思う。
アニメだからこそ、ドラえもんやサザエさんみたいに、いつまでも終わりのない世界を望んでしまう気持ちも分かる。
でもやっぱファイナルワンマンは全員、浦の星の生徒の気持ちで臨むべきだと思っている。
Aqours≠9人、浦の星=Aqours
ここまで読んでもらったら、特に説明しなくてもこの意味が分かると思う。
全校生徒が全員、Aqoursと共にあった。確かにAqoursという単語はメンバー9人を指すものなんだけど、それ以前に本当の意味で浦の星女学院の看板を"背負った"スクールアイドルなのだ。
もちろんμ'sだって、他の生徒を巻き込んで、学校全体を巻き込んで、盛り上げてた。
μ'sを中心に音ノ坂が一丸となって、学校が盛り上がる。これがスクールアイドルのあるべき形のひとつだ。王道の形と言っていい。
けど、浦の星はちょっと違う。
そもそも浦の星は一丸となっていた。
そんな浦の星の総意を全て請け負ったのが高海千歌であり、Aqoursなのだ。
ファイナルワンマンは全員、浦の星の生徒の気持ちで臨むべきだと言ったが、コレもまた少し違う。
参加者全員がAqoursのメンバーという気持ちで臨むべきだ。
きっと、それこそが真の"浦の星女学院"の生徒たちの心境なのだから。