売れたいアニソンDJがやるべき9つの事。
KOENJI ABSTRACT TRAXXX
Tr.02_高円寺在住中堅アニソンDJが売れる方法を考えてみた。
企画・文・写真:ろーるすこー
JR中央/総武線で新宿駅から約10分、4駅となりの立地にある"高円寺"という街をご存知だろうか?アニソンDJにとって今、この街がアツい(正確には少し前から、だが)。筆者もそうだが、この街に住んでいる/昔住んでいた/足繁く遊びに来る、というアニソンDJは枚挙に暇がなく、この街で独自のカルチャーが形成されつつある。ここでは近隣の中野/阿佐ヶ谷/新高円寺/東高円寺などをひと括りに"高円寺エリア"とし、そんな高円寺とアニソンDJの魅力や、その関係性について考える連載をお届け(全6回予定)。第2回は私と同じく高円寺在住でアニソンDJを初めて5~6年程度の"中堅(もう若手とは言えないよね…の意味で)"である、NackhaMさん、ORIPEIくんと「売れたいアニソンDJがやるべきこと」について考えてみました。
▲NackhaMさん/画像左 ORIPEIくん/画像右。
同じイベントの主催/レギュラーのコンビでもあります。ORIPEIくんとボクは同い年で、NackhaMさんは少し歳上です。
——えー、では1軒目。焼肉食道かぶり高円寺アパッチ店です。
(((ジュワーッ:タン塩の焼ける音)))
一同:この音を聴いてもらいたいんだよねwww
▲今回のインタビューは日曜の13時からスタート。かぶりさんは休日でもランチが安い!
「実は三人ともほぼ同期なんですね!」
——早速ですが、お二人のDJ名とその由来を教えてください。
ORIPEI:あ、DJ ORIPEIです。名前の由来なんですけど、高校の時の後輩からのアダ名をそのまま使ってる感じですね。
——元々そういう名前でSNSとかやってたんですか?それともDJ始めるにあたって、アカウント作って"ORIPEI"って名前にしたのでしょうか?
ORIPEI:それで言うと、前者ですね。まぁ流れで言うと「オリハラ先輩」→「オリハラセンペイ」→「オリペイ」みたいな……。
NackhaM:本名出ちゃってるけど(笑)。
——NackhaMさんはいかがですか?
NackhaM:僕はですね…。プロフィールとかにも書いてはいるのですが、サッカー選手のデイヴィット・ベッカムさんのファンで。10年前……そんなには経ってないかもですが、ゲームセンターのWCCFというトレーディングカードアーケードゲームをずっとやってた時期があって、そのユーザー名として……、まぁボクも本名出しますけど「ナカムラ」をもじって「なっかむ」という名前にしたんですよね(笑)。ちょうどDJ始める直前までプレイしてて、もう流用しちゃえばいいかという感じでそのまま使ってます。
ORIPEI:意外と歴史があったんですね、その名前(笑)。
デイヴィット・ベッカム:デイヴィッド・ロバート・ジョゼフ・ベッカム。1975年生まれの元サッカー選手。2013年に現役を引退。マンU、レアル、ACミランなど各国の一流クラブで活躍した他、2000年から2006年のドイツW杯まで長らくイングランド代表のキャプテンも務めた。
なんでサッカー選手の解説をマジメにしているんだ……。
WCCF:『WORLD CLUB Champion Football(ワールド クラブ チャンピオン フットボール』の略。セガが2002年6月から稼働させているトレーディングカードアーケードゲーム(TCAG)。このゲームの登場をきっかけにTCAGは大いに盛り上がり、筐体もゲーセンの一角を大きく占拠するデカさなので、見たことがある人も多いのでは?ちなみに筆者はこの頃同じTCAGの『機動戦士ガンダム0079カードビルダー』にドハマりしていたし、つい最近も艦これACをちょびっとだけやってました。
——お二人のDJ歴的には何年くらいになるのでしょうか?
ORIPEI:自分は2014〜2015年くらいに、まぁ今でもレギュラーでDJさせてもらっている"こけつ"ってイベントでデビューして、今に至るという感じなので、5〜6年くらいですかね。
NackhaM:ボクも実はそのくらいで、2015年の3月頃に初めて人前でDJしたので、6年目ぐらいだと思います。
ろーるすこー:ボクもその辺りなので、今日の三人はほぼ同期みたいな感じですね(笑)
▲実は2人ともサウスポーという共通点も。
——続いて、お二人の主催/所属イベントについて教えてください。
ORIPEI:自分は主催イベントは無くて。今、所属させてもらっているイベントで言うと、先ほども名前が出た「こけつ」や「.vveb(ドットウェブ)」NackhaMさん主催の「ちゃいりふ」に女性ボーカルの曲だけにフォーカスした「♀×♀×♀(めめめ)」ってイベントでDJしています。
……あとは月あかり夢てらすさんでたま〜にやってる「Golden Limit(ゴールデンリミット)」とか。
ろーるすこー/NackhaM:あぁ、ゴルリミね……。
ORIPEI:まぁ、ゴルリミの話は別に(しなくて)大丈夫です(笑)。
一同:(爆笑)
ORIPEI:いやあの、みんなDJも上手いし良いイベントなんだけど……まぁ、変な人たちの集まり(笑)。
こけつ:『こけつ - hole of the tiger -』というイベント名の通り、オタクのみんなが大好きな本屋さんの現役/元店員さんが中心になって始まったDJ練習会から派生していったアニクライベント。ORIPEIくんも元々そこで働いてた経験があり、DJデビューしたという訳ですね……。
こけつ公式 - Twitter
.vveb(ドットウェブ):Vtuber、ボカロ、ニコニコ動画、おもしろフラッシュ倉庫など……、インターネット発祥の音楽にフィーチャーしたクラブイベント。正直、私はVtuberはそんなに詳しくないんですけど、ORIPEIくんに教えてもらっておめシスとか委員長を見るようになりました。
.vveb - Twitter
♀×♀×♀(めめめ):アニソンだけでなく、女性声優やゲーム音楽など様々なA-POPの女性ボーカル曲だけが流れるイベント。主催はパルムくんなので、パルムくんのTwitterを貼っておきます。
パルム - Twitter
Golden Limit(ゴールデンリミット):歴戦のオタクの為のイベント。
——それではNackhaMさんも教えてください!
NackhaM:自分の主催は……、さっき話にも出ましたし、ORIPEIくんにもレギュラーでやってもらっている「ちゃいりふ」と、あと高円寺DeLIVEでやらせてもらっている「ちるたいむ」なんかも主催……というか、まぁハコとの関係で任せてもらっているみたいな感じですかね。
NackhaM:所属イベントとしては、前回出てたpreamさんやリズマニさんと同じく「アニNEXT」と、アニソンではないんですが、秋葉原MOGRAさんで平日にやらせてもらっている「適度に楽しむ遊び」というイベントに所属しています。
……うーん、"P-music"って言うんですかね?
——(笑)。P&Sですかね?
NackhaM:ちょっと中毒性の高い……、大人が熱中しがちなんだけど、適度に楽しまなきゃいけないっていう"お遊戯"の曲がかかるDJイベントですね(笑)。
ちゃいりふ:アニソンを中心にJ-POP/声優/アイドル/乙女向けなどの原曲/Remixが流れる懐の広いイベントです。一度、ボクが主催のアニソンRemixイベント「sound animation」ともコラボ回をやらせてもらったことがあるくらいには、アニリミも流れます。懐かしい〜。
ちゃいりふ【アニソンDJパーティー】- Twitter
ちるたいむ:毎月最終金曜日に高円寺DeLIVEの1F(ラウンジ)で開催しているイベント。その名の通りゆる〜く、お酒を飲みながらマターリやってます。
高円寺STUDIO DeLIVE - Twitter
アニNEXT:アニネクさんに関しては前回の記事でも紹介しているので、ぜひそちらも読んでみてください〜!(突然の宣伝)
適度に楽しむ遊び:秋葉原MOGRAにて奇数月最終水曜日に開催されている、パチンコ・パチスロ関連楽曲オンリーDJイベント。私は普段やらないのでよく分からないんですが、小学生の頃おじいちゃんが景品でゲームボーイカラーを持って帰ってきた事があるので、パチンコ好きです。
「ベースが唸ってる曲が好き(笑)」
——続いて、お二人の好きなアニソンについて伺いたいと思います!
NackhaM:好きなアニソンね……!
ORIPEI:ちょっと、いま噛んでるんで……(ハラミを食べつつ考え中)。
——ちゃんと味わってね(笑)。じゃあボクはウーロンハイ頼んじゃおうかな!
ORIPEI:うーん、1番好きなアニメの話をすると「マリア様がみてる」なんですけど、そのEDの「くもりガラスの向こう」が好きです。何が好きかって言うと、作詞を原作者の今野緒雪さんが担当されているんですよね。
……っていうところも"噛み締めながら"聴くとめっちゃ良いです。
——"噛み締めながら"、ね(笑)。ORIPEIくんは百合作品が好きですよね?
ORIPEI:そう、昔から好きなんですよね。中学生の頃に同級生にストロベリー・パニックを勧めてもらって、百合の世界に入りました。
マリア様がみてる:通称マリみて。いわゆる"お嬢様学校"と呼ばれる女子校を舞台にした作品。「お姉様、ご機嫌よう」と挨拶する女子校なんて本当にあるの?マリみての中だけでしょ……、とずっと思ってたけど大人になってから知りましたが、マジで実在するらしいですね。
ストロベリー・パニック:両親の海外転勤で外国のお嬢様学校に編入することになった主人公。転校初日、道に迷っていると、学園で1番人気の女生徒にばったり遭遇し、額に突然キスされる……、というあらすじ。中原麻衣さんと清水愛さんが歌うED『秘密ドールズ』のMVでは、何とお二人がチッス……チッスしてるぅ……。゚(゚´Д`゚)゚。
あと、百合作品のお嬢様学校はだいたい丘の上にありがち。
——NackhaMさんはいかがですか?
NackhaM:まぁ、作品的には「エウレカセブン」がずっと好きで、そこから選ぶとすると伊沢麻未さんが歌うEDの「Fly away」って曲ですかね。永遠に揺れていられるのが気持ちいい。グルーヴィーな曲が好きなので。
——NackhaMさん、ベースが唸ってる曲好きですよね(笑)
NackhaM:そう、どうやら好きな曲ベース唸りがちっぽいんだよね(笑)。絶対初心者が弾けないようなベースが好き(笑)。
エウレカセブン:交響詩編エウレカセブン。とにかくカッコいいのひと言に尽きる作品です。まずニルヴァーシュのデザインがカッコいい、そんでカッコいいロボットがサーフィンしちゃうっていうのもカッコいい。レントンもドミニクもホランドもカッコいい。個人的なオタク遍歴の中でも、自分に大きな影響を与えてくれた作品のひとつです。アネモネがちゅき。
——全然アニソン関係なくて良いんですけど、初めて自分のお小遣いで買ったCDとか覚えてますか?
ろーるすこー:ちなみにボクはJUDY AND MARYの『FRESH』っていうベストアルバムです。
NackhaM:あぁ!YUKIがめっちゃ可愛いCMのヤツだ!
ORIPEI:自分は、ボブサップの「SAPP Time!」って曲ですね(笑)。本人よりもRAG FAIRの方が(カヴァーして)歌ってるんじゃないかなw
一同:(爆笑)
▲ORIPEIくん、時々こういうエピソード出てくる所が本当に好き(笑)
NackhaM:ボクは多分……とんねるずの「ガラガラヘビがやってくる」じゃないかな〜。8cmだからね(苦笑)。
▲ちなみにボクも初めて"買ってもらった"CDは「だんご三兄弟」なので8cmですよ……!
アニソンDJとして売れるにはどうしたらいいのか?
——なんか今の質問で、アニソン以外でどんな音楽を聞いてきたかってやっぱり大事だなって改めて思いましたよ(笑)。
NackhaM:(アニソンDJって)ムズいよね……、結局オールジャンルだし。ただその中でも流行の波ってあると思ってて。流行りのジャンルが台頭してくると、そこに特化した、細分化されたイベントも絶対出てくるじゃない。
で、似たコンセプトのイベントがいくつか出来て、その中で基盤がしっかりしたイベントが残って、シーンが少し落ち着くとまた皆んな新しい音楽をディグり始めたりして、という波があると思うんだけど……、そこに上手く乗りたいよね(笑)。
——間違いないですね。DJとして流行に乗り遅れないのは大切です。
NackhaM:まぁでも結局、好きな曲を掛けたいよね、というのが根本にはあるわけで。例え、スベってもね(笑)。
ORIPEI:心は折れますけどね(笑)。
——お二人って普段、mixとかって録ったりしますか?
NackhaM:ボクは全然しないんですよね。
ORIPEI:自分もたまーにですね。
——自分の話で恐縮なんですけど、こないだADMIXXって企画でmixを録りまして…。
NackhaM:あぁ、あのお金いっぱいもらえたヤツだ(笑)。
ADMIXX:優勝賞金3万円のA-POPmixコンテスト。113本のmixの中から私が最優秀賞に選出して頂きました。詳しくはコチラ⬇️
——最近感じたのが、mix録ったり配信DJをするのと、クラブでやるDJはアプローチが全然違うな…と。
ORIPEI:ほうほう。
——基本的にDJってハコでやるもんだから、ボクはそもそも、その瞬間を切り取るようなプレイスタイルでやってたんですよ。
NackhaM:確かに、いつもフロア見てやってるもんね。あとは純粋に"音"の繋がりの気持ち良さを重視してたり。
ORIPEI:でも配信イベントとか、mixをアップロードしてもお客さん(リスナー)の顔とか反応が見えなかったり、見えずらかったりするよね。
——そう!なので自粛期間って普段の自分のスタイルでDJが出来なかったんですよ。どうしようと思って、全然やってこなかった"セトリをガチガチに組んで、mix録ってみるか"というのに挑戦したら、上手くいった…という。
NackhaM:全然mixは録らないって話はしたものの、何回かは録ったことはあって。ただ、こう……出してはいないって感じで。
ORIPEI:自分もそうですけど、そういうDJさんって結構多いと思いますよ。
——色々、国内外問わずDJ配信見たりmix聞いたりした結果、どれだけ自分の世界観を構築して、それに共感させられるか?要するに"分からせ力(パワー)"が強いヤツが爪痕残してるな…という印象でした。
NackhaM:うーん、だとすると結局自分は、現場でDJしてた方が楽しいし、1人でmix録っても「自分だけが楽しい…ってのは楽しくない」みたいに思っちゃうタイプなのかもしれない。
——確かに、DJとして売れたいなら配信とかmix録ってガンガン自分を"発信"していった方が良いんですけど、でもお二人みたいにmix録って上げたりしなくてもゲストとして呼ばれる人もいるじゃないですか。だから結局"使い分け"だなと思って。
ORIPEI:なるほど。現場ではその瞬間のバイブスを重視したプレイが求められるし、インターネットで聴かせるDJプレイは"分かりやすく丁寧に"って感じなのかな。
——我々は5~6年くらいやっているので、そこそこ出演回数もこなしているからこそ、自分を発信してなくても、むしろ逆に現場でしかDJ聴けないから、ちゃんと目と耳で聴いて「呼びたい!」と思ってくれた人だけがオファーをくれるし、実際もらえてるから活動が続いているし、それが自信にもなってますよね。
NackhaM:でも、本当に"コツコツ"だよね。5~6年かかってるからね(笑)。なかなか急には売れないと思うけど、"自分の売りだし方"って難しいよね……。
——さっき言った"プレイの使い分け"とか出来てたらもっと手っ取り早かったのかもな…、と思いつつ、それに気付くまで5~6年かかりました!(笑)
NackhaM:よっぽど"顔がいい"とかじゃないと、DJ始めてすぐ売れるとかないよね。
ORIPEI:でも、急に顔が良くなるコトはありえないからね(笑)。
一同:(爆笑)
NackhaM:我々は別に誇れるビジュアルを持ってるわけでもないし、コツコツと音を流して、少しでも「DJが上手い!」って言ってもらえるようにやっていくしか、方法はないよね。でもビジュアルとか、気にするコトも結構大事だと思うよ。
あと"コツコツ〜"って話でいくと、例えばmixを録ったとして、まぁ1発で上手く録れることなんてそんなに無いと思うんだけど、じゃあ結果として2本録りました。片方は後半ミスってて、片方は前半ミスってて……それを編集でニコイチにしたのをアップロードしたって全然良いと思うんだよね。
——でも、その作業をするのが中々どうしてメンドくさいんですよね〜。
NackhaM:だからmix録っても上げないのかもしれない(笑)。でもどうせ上げるんだったら、誰が聴いてるか分からないし、その時の自分が完璧だと思ったモノを上げた方がいいよね。
——それはそう!今までメンドくさがってやらなかった事を、家にいる時間も増えたから、メンドくさがらずにやってみたら自分は結果が出たので、皆さんにも……あの、オススメです(笑)。
NackhaM:ろるぴからのメッセージとしては、mixを録るなら選曲とか繋ぎとか、ちゃんとこだわって、自分を売り込みましょうと、そういう感じですか?
——ですね。最近はmixcloudとか、Twitchとか発信できる環境もありますし。ただ、あえて言いたいのが本当に自信のあるmixはアップロードせずに手渡しした方が良いとも思ってます。
ORIPEI:ほほーっ、確かに。勇気は要るけど、出たいイベントのオーガナイザーとかに直接DMなんかを送りつけた方が特別感も出るよね。
——「いつか呼んでください!」みたいな感じで送られたら、別に嫌がるオーガナイザーはいないと思うんですよね。
NackhaM:まぁオーガナイザーとして悪い気はしないよね。その場ですぐ聞くか、「そういやそんなんあったな」で1ヶ月後とかに聞くのかは分からないけど、基本的にはありがたい行為だと思うな。あとズル賢いかもしれないけど、ネットに上げないことで"使い回し"も出来るよね(笑)。
——そうなんですよ(笑)。別の機会で送っても"特別感"は出るので。
NackhaM:ちなみに、これまでにORIPEIが録ったmixってどんな感じ?
ORIPEI:自分はXi-liumの公募で録ったくらいですかね……。
Xi-lium:秋葉原MOGRAで毎月第二日曜日のデイタイムに開催されていたアニソン原曲系イベント。もはや説明不要のモンスターパーティーでした🍊
——あ、同じmixでも公募は絶対送った方がいいよね。出たいイベントが公募してたらとりあえず出した方が良いと思います。
NackhaM:Xi-liumも結局、公募回は受からなくても、mix聴いてもらってその後ゲストでORIPEI、出演してたしね。
ORIPEI:いや〜、ありがたいです。本当に。
NackhaM:受からなくても次に繋がる事もあるからね。ただ、mix出したり配信イベント出たり、そういう場は活用しないというのであれば、もう現場に遊びに行くしかない。地道に友達増やしてくしかないと思うなー。
——絶対そうですね。というか売れてるDJは皆んな息をするようにやってる事だと思います。
ORIPEI:自分が出る/出ないは別にして、やっぱ遊びには行くよね。アニソン好きだし(笑)。
NackhaM:勉強するという意味でもね。ちゃんと遊びに行って、"今"現場でウケが良い曲とか、流行ってる曲を知っておかないと。自分の軸として「好きな曲かけたい!」が無いとブレブレなDJになっちゃうからそれは大前提として、じゃあそれがスベった時にどうリカバーするの?とか、その手段のひとつとして旬なアンセムとかを勉強しといた方がね。我々はフロアを盛り上げつつも「この曲もいいから聴いて……」をやりたいわけなので。もちろん"無理のない範囲で"だけど。
——自分が楽しいと思える範囲で、ですね。ただ"売れたい"と思う気持ちがあるなら少しは頑張る必要もあるのかな…。その為にも分かりやすい指標を設けられるといいと思います。例えば憧れのDJさんがいるとして、この人はTwitter見てると大体、月に何本くらいイベント遊びに行ってるな…とか、このイベントに顔出してるな、みたいな事を参考にしてもいいのかもしれない。
NackhaM:確かにね〜。売れてるなって人ほど遊びに行ってるイベントの数は比例してるように思います。でもあくまで、楽しくやってほしいです。自分はコミュ障なんで、話しかけるのは苦手なタイプなんですけど、でも自分のイベントに「初めて来ました!」って人が来たらやっぱ覚えてるし、初めてでアウェーだとしてもガンガン話しかけて、友達増やすべきなんですよね。……話しかけなきゃな(自戒)。
売れるためにやることリスト
・常に流行はチェックする
・mixや配信DJをする際には、世界観を構築した上で共感させる
・mixは編集してでも完璧に見せた方がいい
・とっておきのmixはアップロードしない方がいいかもしれない
・出たいイベントの公募があったら送った方がいい
・現場とインターネットのDJ、使い分けが出来るといい
・アニクラに遊びに行った方がいい
・アウェーでも話しかけた方がいい
・ビジュアル(服装/髪型/アー写/mixのジャケット/配信画面...etc)も少しは気にした方がいい
▲続いて、ORIPEIくん行きつけの水タバコカフェに行こうとするも、混んでて30分ほど待つことに。時間潰しに古着屋さんをフラフラしていたらNackhaMさんがサウスパークのTシャツを買ってました(笑)。
「"酒"だけじゃないよ。高円寺は。」
——続いて2件目、はちグラムさんです。お二人の高円寺行きつけスポットを教えてください。
▲シーシャ初体験というNackhaMさん。ORIPEIくんはお店の人ともめちゃ仲良くてビックリしました(笑)。
ORIPEI:自分はよくココのはちグラムさんに来るんですけど、あとはパル商店街の奥にある『KOEN SHISHA』ってお店によく行きます。休みの日、特に何もない時とかはよくシーシャカフェに行きますね。
グルメでいうと、『バーンイサーン』っていうタイ料理屋さん……あの、なんでんかんでんの跡地にある(笑)。
NackhaM:でもナンプラー苦手なんでしょ?
ORIPEI:そう!最近、在宅ワークが増えたのでランチにバーンイサーン行きまくってたら、ある日ふと気が付いたんだけど、ちょっとナンプラー苦手かもしれない……。カオマンガイしか食べれない(笑)。
——まぁ、ナンプラー苦手って人でも…カレーとかあるし!安くてボリュームあっていいよね!
ORIPEI:グリーンカレーとレッドカレーはランチで500円なのでぜひ。ナンプラー入ってないし。
——NackhaMさんはいかがですか?
NackhaM:ボクが普段よく行くのは、地元の友達がやってる「おだづもっこ」って居酒屋かな。2Fは軽いイベントスペースみたいになってて、DJブースもあるし……、たまにお笑い芸人さんのライブとかもやってるみたいだよ。
——直近のアニクラ界隈だとDJ蕨くんの『Digging Lounge』とか、やってましたよね?
NackhaM:そうそう、ディグランやってたよね。機材類も一応、ボクが予算内で用意したヤツがあるので、ラウンジ系のイベントやりたい方はぜひご活用してみてください(笑)。
DJ蕨:自称蕨市観光大使の人。自宅の床が抜けるんじゃないかってくらいCD持ってる。最近はAPEXばっかやってんね!
DJ蕨@自称蕨市観光大使 - Twitter
ディグラン:蕨くん主催のアニクラ。「純粋にいい曲だけを追い求め、好きなアニメを全力で伝えたいDJ達が贈るラウンジイベント」とのこと。ハッシュタグから各DJのセトリ見てると、ほとんど知らない曲すぎて笑けてきます(笑)。アニソン、深ぇ〜!
#ディグラン - Twitter検索
NackhaM:あとは徳島ラーメンの「JAC」かなー。おだづもっこで仲良くなった人が、たまたまJACの店員さんで、同い年だったんだよね(笑)。
——お二人の"高円寺歴"も教えてください!
NackhaM:ボクは結婚してから住み始めたので、5年かな……?
ORIPEI:自分は6年くらいですね。
——高円寺住んでて良かったー!ってエピソードとかあれば教えてください。
ORIPEI:元々、古着とか好きなので、安くて良いものが揃ってるのはありがたいですね。あとは買い物が大体、駅前で完結するのがラクです。
NackhaM:奥さんの意向で引っ越してきたので、偶然ではあるんだけど、知り合いのアニソンDJがいっぱい住んでる暮らしっていうのは楽しいね(笑)。あとはゴイステをよく聴いてたので、なんとなく"高円寺"に憧れてた部分もあったから……。
ORIPEI:あぁ、そういうのありますよね(笑)。
NackhaM:中学〜高校の頃によく聴いてたんだけど、佳代って曲の中に「真夜中の純情商店街」って歌詞があって……、そういう作品に登場する街に住んでるって、なんか良いよね(笑)。
あと、今日初めてシーシャ屋に来たけど結構良いね。ドリンクバー無料だし、アルコールや食べ物の持ち込みもOKだし!
ORIPEI:良かった〜。ここ来る時、毎回1人なんで、また一緒に行きましょうよ(笑)。
ゴイステ:パンクバンド「GOING STEADY」の略。現在、銀杏BOYZとして活躍する峯田和伸がインディーズ時代に結成していたバンド。
純情商店街:高円寺を語る上で絶対に欠かせない存在。北口の純情商店街、南のパル商店街。以前は「高円寺銀座商店街」という名称だったが、ねじめ正一の小説で直木賞も受賞した「高円寺純情商店街」の舞台となったことから改称。かつて作者の実家の乾物屋は実際に同商店街内にあり、そこでの実話を元にした作品となっている。
今回行ったお店
焼肉食道かぶり 高円寺アパッチ店
住所:東京都杉並区高円寺北3-24-6 フォーラム高円寺 1F
営業時間
火/水/木/日・祝:12:00~22:30
金/土/祝前日:12:00~23:30
(しばらくは曜日関係なく12:00~22:00)
定休日:月曜日
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13115363/
▲お得なランチセット、マジでお得すぎる…!
カルビorハラミ+タン塩に小鉢とライスおかわり自由で980円!!
別でホルモンとか頼んでも、ライスはおかわり出来る神システムです。
▲翌々日くらいにNackhaMさんに会ったら、さっそく着てました(笑)。
古着屋【chaRa】
住所:東京都杉並区高円寺南3丁目36
営業時間:15:00~20:00
定休日:金曜日(祝日の場合は営業)
URL:https://www.instagram.com/chara_taku/
▲土日は混雑してるので、電話で予約した方がいいかも…!
はちグラム 高円寺店
住所:東京都杉並区高円寺南 3-58-18 山本ビル3F
営業時間:13:00ごろ~25:00ぐらい
定休日:年中無休
URL:http://shisha-8g.com/
▲置いてある漫画のチョイスも"良き"。高円寺っぽい(笑)。
その他、Nackhamさん/ORIPEIさんの高円寺オススメスポット
▲(一応)水タバコもニコチンとか入ってるので、20歳を過ぎてから…!
▲ランチがマジで安くてボリューミーで美味しい!個人的にはパッタイかグリーンカレーか牛肉のバジル炒めライスが好き。
▲宮城県の料理と地酒が楽しめるお店。「お調子者」って意味の方言らしい。
▲東京でも珍しい徳島ラーメンが味わえるお店。ちなみに何名か徳島出身の人を連れていった事があるのですが、マジで本場の味らしいです。
本日のお品書き
焼肉食道かぶり 高円寺アパッチ店
・焼肉ランチ
・レモンサワー
・ウーロンハイ
はちグラム 高円寺店
・カフェモカ+バニラっぽいシーシャ
・柑橘系のモヒートっぽい冷たいシーシャ
+チャージ代
合計:3340円
あとがき
ハコでやるDJとインターネットのDJスタイル、その両立って難しいなと、今このように記事でまとめていても改めて思う次第です。
例えるなら、お母さんが家族の為に作る料理のメニューも、外食チェーンの企画職の人が考える全国のファミレスで出すメニューも、どちらも食べる人の健康とか好きな(人気な)料理とかを意識して作ると思いますが、料理を届ける人の顔がある程度思い浮かぶのと、不特定多数に提供する料理とでは、同じ"朝食"だとしても味付けや、アプローチ、アウトプットが変わってくるぞ…というとなんとなくわかる気がします。
現代の売れ筋DJには、多分その両方が満足できる料理を作れるシェフになることを求められているような気がしてます。
現場で求められるプレイは、もうぶっちゃけ"そのシーンに遊びに行く"しか分からないです。
遊びに行って、耳だけじゃなくて目でも体験して、感覚を養って……としか言いようがありません。1人でも多くフロアにお友達を増やして、彼らの好きなアニメとかを知って、流す。"思い返せば、良い事があった日の夕食には必ず大好物を作ってくれていたお母さん"みたいなDJをしましょう。
知らない人に話しかけるのが苦手って人でmixを録っていなくても、結局ゲストDJとして呼ばれるのは、フロアでちゃんと聴いてくれてる人がいるからです。
ボクも自分から話しかけるのが苦手なタイプなので、むしろ逆に「よかったです!」って向こうから話しかけてくれるようなDJをやるぞ!という気持ちで毎回コツコツやってます。
また、配信やmixでのDJプレイでは、"分からせ力(パワー)"と言いましたが、共感を得るためには、まず理解される必要があると思っています。
「自分はこういう風に意図してこのmixを録りました」というテーマが言わずとも聞き手に伝わって、初めて理解されたという認識です。
そして、理解された上で、そのテーマに共感できるか/できないか、というのは聞き手の感性に委ねられるわけです。
エイリアンとかタランチュラみたいなモノを"カッコイイ"と感じる人がいるのは理解出来るけど、自分には気持ち悪くて仕方ない。という人だっているでしょう。
つまり、理解してもらえて、ようやく共感を得るためのスタートラインに立てるという事です。
そこにこだわりをたくさん詰め込んでも、その全てが共感されるわけではありません。壊れるほど愛しても1/3も伝わらないのと同じです。
だからこそ、たくさんこだわりを散りばめた方が良いのですが、要素が増えるとテーマがとっ散らかりがちになるので、そこのバランスの取り方がキモなんですよね。
とにかく、自分のプレイを理解してもらうためにも、まずは"分かりやすく、丁寧に"セットリストを考えてみると良いのではないのでしょうか。
またお二人と話していて、ある程度長く"続ける"ということも、売れるには必要な"才能"かな、と改めて思いました。
努力の天才、ロック・リーを目指して"適度に楽しく"頑張っていきましょう。しゃんなろーッ!
※掲載した情報は執筆当時のものになります。