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自由詩「花の雨」

 こんにちは。ローランです。
 今日も自由詩です。
 ここ数日は風景というか周りを実況しながら思いをどう投影するかの練習をしています。
 自由詩なんで、いろいろあっていいじゃない?と都合よく考えて、なにごともチャレンジです。
 とにもかくにも気分しだいですので、またいつ変わるかわかりません。どうぞよろしくお願いいたします。

では、今日も、お楽しみ頂ければ、幸いです。


今年の桜も見納めね

「花の雨」

今日は雨になるか
薄曇りの空を見つめる
窓を開けると
朝の風が吹き抜ける
水を多く含んだ空気の重さを肌が感じとる
体内は十分な水分で満たされているはずなのに
貪欲な細胞はさらに空気の水分と結び付こうとする
さらに重さが増した心地がして
少し不快になり窓を閉めた
古い襖がカタカタと音を出す
もう風は吹いてないのにとそちらを見つめる
しばらくカタカタ鳴る
ゴウ…と音がする
すると微かな揺れがきた
地震だ!
全身が緊張する
だがそれ以上大きな揺れは来ない
静止している者しか感じないであろう密やかな揺れのままだ
身構えたものの揺れはすぐにおさまった
大きく息をして体の緊張をほぐす
ほっと安心したところでキッチンに移動し
白湯を喉に流し込む
熱湯ではないが体温よりは高めの温度
食道を通って胃に満ちる
内蔵全体がジワジワと温まっていく
すると体に溜まった水分が熱と結び付いて動き出す気配がする
体も目覚めたか
新聞を取ってリビングに戻ってくると
テレビがやっと地震情報を出している
ソファにすわりまた外を眺める
花の雨か
これで今年の桜も見納めだな
とどまらずに進めと雨に背中を押された気がした

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