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物語詩「幸せな時間」

  みなさん、こんばんは。ローランです。
 今日も物語詩です。もう物語詩でも自由詩でもいいやっていうことで、物語詩って名乗ることにしました。詳しい定義は3マイルくらい先においておくことにします。いや、それ以前に、詩と名乗ることにも何だか気が引けるというか、これって詩として成立してるのかしら…という疑問もありつつ、作品のプロットを書いているような気分になるときもあります。

 さて、今日も「君と僕」シリーズです。ハッピーなお話を書いていると何だか自分も楽しくなってくる気がします。人間ってというか、私ってとっても単純なんだなと思います。二人にはどんどん幸せになってもらいたいと願っています。
 では、今日もお楽しみいただければ幸いです。


こんな景色かなぁと想像


「幸せな時間」

君はいま移動公演の真っ最中
今期は東海北陸の各地を巡回している
この演目では僕は留守番組
君についていければよかったのにと思うけど
こればかりは仕方がない
ご飯は栄養バランスを考えて食べているかな
地域の団体の方々との食事会もあるだろうし
電車移動だから疲れが溜まってるんじゃないかな
僕は君のことばかり考えている
旅慣れているはずの君を心配するなんて
君にとっては大きなお世話かもしれないね
僕は口うるさいおかんみたいだ
くすっと一人で笑う
シャラランシャララン
LINEの音
君からの連絡だ
もう次の宿に着いたのかな
お疲れさま~
今日も可愛いスタンプだ
ああ癒される
お疲れさま
僕もスタンプを送る
僕のは肩もみをするスタンプだ
宿では他の子と相室だから
もっぱらLINEで連絡だ
「今日は、食事会でマンボウの刺身を食べたよ」
君の言葉に驚く
「マンボウってあのマンボウ?海で泳いでる?」
「そうなのこのあたりでは食べるんだって」
「へー」
「酢味噌をつけていただいたよ」
「おいしいの?」
「うん。初めは恐々だったけど、おいしかった」
「それは良かったね」
「うん。旅にくるといろんな体験ができる」
「そうだよね」
「今度、二人で来たいな」
「え?僕と?」
僕の胸は高鳴る
「うん。地元の人の話では、もっと南の地域ではマンボウの唐揚げとかもあるんだって」
「へえ」
「二人で一緒に海からのぼる朝日も見たい」
「うん」
「なんだかあなたにとても会いたくなっちゃった」
君の言葉に僕は喜びをかみしめる
君も旅先で僕を思ってくれていたんだ
離れていても心はつながっているのを実感する
「僕も」
胸がいっぱいでこの一言を書くのがやっとだ
君の一言でいろんな心配が吹っ飛んでしまった
幸せな時間









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