【新宿駅とどちらが先に完成するか】ガウディとサグラダ・ファミリア展
ガウディのことをよく知ったのは、子供が学校図書で借りてきた伝記漫画でだった。
なんとなく昔の建築家という程度しか知らなかったが、読んでみると思想や生い立ちなど、そうなんだ!ということも多く、最近の伝記漫画侮れないな、と見直した。
そんな予備知識も助かり、教会の建設がどういう話で進んだのかがわかると解説を読んでも楽しいかもしれない。
100年前からガウディが計算してきたことを引き継ぎながら現代のテクノロジーで実現していく。
緻密な計算が書かれた紙はコンピュータの演算でより正確になるのだろう。
設計図の端に薄く書かれた落書きの様なものも認められた。
考えながら鉛筆を走らせたのだろうか。
そういう、部分をみつけては、そこに彼が生きた痕跡を見る様な気持ちになる。
150年弱かかっているサグラダ・ファミリア。
東京国立博物館が昨年150周年を迎え、その間一度建て替えている。
2周目に突入しているのだ。
地震の多いこの国では仕方のないことだけども。
東京駅のステーションギャラリーの建物もサクラダファミリアが着工し始めた時期と同じ時期に作られたのか。そう思うと面白いかもしれない。
でも、昨今の新宿駅周辺の再開発を見てるとサグラダファミリアと変わらない気がしてきた。
南口が終わったと思ったら今度は西口である。
私が生きているうちに、工事が全く行われていない新宿駅を見ることが出来るのだろうか?
【慈愛に満ちた表情】
さて、今回一番感激したのは1990年〜2016年まで門に飾られていた石膏像である。
作者、外尾悦郎。
このスペインの地に日本人作の石像があったことも知らず。
しかしこの表情が非常に穏やかで優しくて。
慈愛、という言葉をしみじみ実感する表情なのだ。
これを観ただけでも来て良かった。
しかし…
どうした東京国立近代美術館?!
という感が否めなかった今回。
せっかくの内容が全く楽しめない動線。
更に拍車をかける様にでっかいデイバック背負ったまま見学する人の多さ。何度、展示物やお年寄り、小柄な人に鞄がぶつかりそうでヒヤヒヤした場面を見たか…
そして写真を撮るために後ろを気にしないまま後退りするの本当に危険だからやめてくれ…
入場の前に大きな手荷物はロッカーへ、の一言が貼り出されても良いのかもしれない。ガウディ、というビッグネームになると美術館慣れしてる人ばかりが来場する訳ではないのだ。
と、今まで気にしたこともなかった、東京国立近代美術館の展示に初めて違和感を覚えた展覧会、と記憶されてしまった。
夜間開館でこれなら休日昼間は大変だろう。
と思っていたら、予約入場のシステムが導入となった。会期中のルール変更は珍しいが致し方ないと感じる。