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【遠目で見たい】遠距離現在 Universal / Remote 国立新美術館

非常にヘビーな展覧会だった。
表現が強いものもが多く、ずーんと鉛を持たされた気持ち。


ミッション完了とは

印象に残った作品はバレンシアガについての考察を交えた映像作品。
映像の一部で「SNSをする人たちは皆、無賃労働をしているのと同じだ」という内容が説かれていた。

ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ、ヒト・シュタイエル、ミロス・トラキロヴィチ《ミッション完了:ベランシージ》2019年
ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ、ヒト・シュタイエル、ミロス・トラキロヴィチ《ミッション完了:ベランシージ》2019年
IKEAのバックみたいな素材のメビウスの輪的なオブジェが
ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ、ヒト・シュタイエル、ミロス・トラキロヴィチ《ミッション完了:ベランシージ》2019年


これはなるほど、と思ってしまった。
無意識に搾取される側に回っている。
SNSは(広告収入のおかげで)無料でエンターテイメントを享受できる、と思いがちだが、フォロワーという役割を無償で行っているのだ、と。
無賃労働し続けている、という話とそういう構造を上手く利用する「ブランディング」の話にBALENCIAGAが引き合いに出てきた。

ちょいちょい差し込まれる海外のYouTuberらしき人物がBALENCIAGAが作ったIKEAバッグのパロディに向かって叫んでいるのを見て、あぁ何処も同じなのかなと。

ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ、ヒト・シュタイエル、ミロス・トラキロヴィチ《ミッション完了:ベランシージ》2019年 キャプション


「あなたが生まれてから」のキャッシュ

ヘビーな作品の中で、唯一笑ってしまったのが
ひたすらキャッシュ画像が張り巡らされた部屋。

エヴァン・ロス《あなたが生まれてから》2023 年


あーー、こんなに余計なもの表示してるんだなぁと。
いわゆるwebマーケにおけるimpression(表示回数)にこの「余計なキャッシュ画像」と数えられたものはいくつあるのだろうか。

エヴァン・ロス《あなたが生まれてから》
2023 年
広角撮影も標準撮影もあまり印象が変わらない


こういう膨大な画像を見てしまうと、じゃあCTRって……、CPMっておまえ…!!!
という気持ちになってくる。
その「表示」には意味があるのか。
料金は発生しているのに。
どうなんだろう。

数字で追えている様で、実はその実態なんてわからない。仕組み上はカウントできているだけであって。それを数式作って当てはめて試算をして…

インプレッション1とカウントされても、その1が「ちゃんと視認された」は別問題だ。

こんな日は飲むしかない

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