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2023年美術鑑賞記録

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2023年に見た美術展色々
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2023年8月の記事一覧

【突撃となりの現代美術】直島・家プロジェクト 美術をめぐる旅4

【突撃となりの現代美術】直島・家プロジェクト 美術をめぐる旅4

ベネッセミュージアムから敷地内シャトルバスでつつじ荘まで移動し、
町営バスに乗り換え。

家プロジェクト 概要はこちら

というわけで、一軒一軒違う作品があります。
農協前バス停で町営バスを下車。本村ラウンジで各所の入場料を払って見て回るスタイル。「きんざ」は別枠で予約、支払いが必要です。

本村ラウンジで鑑賞料を払った際、すぐに「南寺」の整理券を渡されたので南寺へ。ここにはジェームズ・タレルの作

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【新宿駅とどちらが先に完成するか】ガウディとサグラダ・ファミリア展

【新宿駅とどちらが先に完成するか】ガウディとサグラダ・ファミリア展

ガウディのことをよく知ったのは、子供が学校図書で借りてきた伝記漫画でだった。
なんとなく昔の建築家という程度しか知らなかったが、読んでみると思想や生い立ちなど、そうなんだ!ということも多く、最近の伝記漫画侮れないな、と見直した。

そんな予備知識も助かり、教会の建設がどういう話で進んだのかがわかると解説を読んでも楽しいかもしれない。

100年前からガウディが計算してきたことを引き継ぎながら現代の

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【モネとタレルに試される目】直島・地中美術館 美術をめぐる旅5

【モネとタレルに試される目】直島・地中美術館 美術をめぐる旅5

直島・地中美術館。ここはモネとジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの3作品のみで構成されるとても贅沢な美術館である。

【沢山あるけど全部違うモネ】

モネのための部屋、って一体どうなのだろうと思っていたが、その部屋に入って安藤忠雄がこの建物を作りたかったのか腑に落ちてしまう。
展示品が変わることはないので光も壁のサイズも絵のための比率になっている。

モネの睡蓮は本当に日本に枚数がある。

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【ホックニーの生々流転】 デイヴィッド・ホックニー展 東京都現代美術館

【ホックニーの生々流転】 デイヴィッド・ホックニー展 東京都現代美術館

楽しみにしていたホックニーの個展。
しかも東京都現代美術館ですから期待も高まる。
見終えた後、あぁ、やはり良いな、楽しい絵だなぁと実感した。
心が暖かくなる展覧会だった。嬉しい。

長い画業の中から、東京都現代美術館の所蔵品とホックニー個人蔵の作品を中心に年代別に提示する展覧会。
一つ一つの取り上げ方はやや浅いですが、

網羅的に見ること
今の作品もしっかり見せること

に注力したのかな、と。

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【フランス、ニューヨーク、そして群馬】ゲルニカのタピスリー公開 群馬県立近代美術館

【フランス、ニューヨーク、そして群馬】ゲルニカのタピスリー公開 群馬県立近代美術館

2023年8月5日 群馬県高崎市の夏は暑い。
朝8時すぎに美術館に到着してしまったため、周辺の公園を散歩したのだがすでに気温が35度。本気だ。

というわけで、群馬県立近代美術館へ行ってきた。
目的はピカソのゲルニカのタピスリー公開。

このタピスリー、世界に3つ存在するのだが、
1つ目はフランスのウンターリンデン美術館。
2つ目はニューヨークの国連本部。
等、錚々たる場所に収蔵されている中で、

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【意味の意味を考える】荒川修作+マドリン・ギンズ《意味のメカニズム》 全作品127点一挙公開「少し遠くへ行ってみよう」セゾン現代美術館

【意味の意味を考える】荒川修作+マドリン・ギンズ《意味のメカニズム》 全作品127点一挙公開「少し遠くへ行ってみよう」セゾン現代美術館

2023/8/6

ただなんとなく、かっこいい画面だなと見ていた荒川修作の絵画だが、彼の目指した絵画の概念、入り口にやっと立てる、そんな展示だった。
でもやはり画面はデザイン的要素もあり「かっこいい」。

まず意味の意味とか考え始めると、もう脳内大変なことになるので考えない人がほとんどだろう。

特定のものごとの意味を考えることは多々あるかもしれないけれども。

「意味」の意味とは。
これを9歳の

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【彫刻の今日】富井大裕 今日の彫刻 トルソー或いはチャーハン 栃木県立美術館

【彫刻の今日】富井大裕 今日の彫刻 トルソー或いはチャーハン 栃木県立美術館

もう展示タイトルからして突っ込みたい気持ちが満載なのだがチャーハンはどこからきたんだ。

という訳で我が家では「画鋲の人」でお馴染みの富井大裕氏の個展を見るために栃木県立美術館へ行ってきた。
「画鋲の人」の所以はこちら

【何処となく、考現学的な】

赤瀬川原平さん的要素を感じつつもその違いというのは「意味の剥奪」だろうか。
赤瀬川原平さんが「無用の長物」を路上で見出したのなら、富井さんは路上で造

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