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施術者としての存在状態と共鳴の重要性 

〜共鳴による治癒プロセスと持続可能な施術の探求〜

私は、毎年年末に開催されるO-Ring Test生命科学研究所主催の「氣の研究会」に出席しています。この研究会は、現代科学で実証されていない境界領域を含む氣や祈り、言霊、テレパシー、潜在意識などを臨床応用している医療関係者によって構成されています。

今年は、「施術者としての存在状態の重要性 〜施術することで整う現象」というテーマで30分の発表を行いました。私はまず、「共鳴」という観点から治療形態を三つに分類しました。


① 一方向的治療

   施術者が患者に一方的に治療を行うアプローチ。  

② 二者間共鳴的技法

   施術者とクライアントが相互に影響を与え合うアプローチ。  

③ 空間身体学的共鳴技法  

   施術者、場、クライアントが三者間で共鳴するアプローチ。

施術が深まり、共鳴が起こることで、施術者と受け手は相互に影響を与え合う関係になります。一見すると治療が成功したように見えるケースでも、治癒後の変化を受け止める環境がクライアント自身やその周囲に整っていない場合があります。例えば、施術者がクライアントの「悪いところ」を吸収し改善に向かわせるようなケースでは、そのやり方自体に疑問を感じます。

私はそのような方法を採用しません。理由として、以下のリスクを挙げます。

1. クライアントが施術者に依存しやすくなる。  

2. 患者の身体システムの完全性を否定する可能性がある。  

3. 施術者自身の身体にダメージが残り、持続可能でない。  

4. 施術者が「治した」という感覚を得るために、クライアントを巻き込んでしまう危険性がある。  

5. 治癒には周囲の準備やタイミングが重要で、不自然に治療を進めると新たな歪みが生じる可能性がある。  

施術者の役割は、症状の改善だけでなく、相手をエンパワーし、自身の身体システムへの信頼を取り戻すことを支援することにあると考えています。治癒は、クライアントのライフスタイルや意識の見直し、自己発見のプロセスを伴うべきです。症状改善だけにとらわれるのではなく、自然なペースで進む治癒のプロセスを尊重したいと考えています。

ロルフィングの場合は、ワークの形態としては、ロルファーがクライアントの身体に働きかけているので、②のように見えるかもしれませんがそうではありません。ロルファーは、クライアントの身体の中を重力場がうまく流れるようにワークしているので、③に分類されます。統合され重力場とうまく調和する身体を手に入れたクライアントにとって、ロルファーはただの触媒に過ぎず、自身の身体が自分を支えてくれる力強い存在となり、心理療法における患者と施術者のような人が人を支え合うような関係性とはならないため、依存関係も起こりにくいのです。

イールドの技法の場合はどうでしょうか? イールドの技法では、相互主観的な位置関係から、誘導される場が、変容の土壌になるので、この場合も施術側のワーク全体の比重はそう高くありません。2者を含む空間全体が、主なリソースになります。

ただ、どのような技法であっても、例えばクライアントが奇跡的な治癒体験や劇的な回復の声を聞くと、その場にたまたま居合わせただけにも関わらず、自分がそれを起こしたかのごとく勘違いすることはたやすいのです。

そこで勘違いしたまま独りよがりの井の中の蛙、あるいは小さなお山の大将にならないためにも、客観的に自分を観られるようにたまにチェックする必要があるのです。

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