Big Bang Theory S1Ep12 フィールドオブドリームズに絡めたエスニックなネタの重ねワザ
この記事のタイトルは、ドラマで取り上げられているネタからつけたものです。ドラマの正式なタイトルはこれ。
The Jerusalem Duality:天才 VS 天才少年の法則
ビッグバンセオリーを見ていて面白いなと思ったオタクネタで自分が知っているネタ、調べたネタをまとめておいておくために作ったものです。ざっくりとした背景はこちらもご覧ください。目次もかねて作成しています。
あらすじ
北朝鮮から亡命してきた天才少年 デニス・キム。シェルドンはデニスに輝かしい最年少記録を破られ、研究の間違いまで指摘されたシェルドンは…
コメディーっちゃコメディーだけども、すげーなこのネタと思っていたエピソード。北朝鮮出身の天才が最後はどうなるのかという展開もすごいけれども、ユダヤもあんな風に扱って大丈夫なのかこれ?
結果としてシーズン12まで続き、シェルドン役のジム・パーソンが「もういいよね」ということで終わったけど、リアルタイムで見てたら凍り付いてたかもな、とも思いました。
ちなみに、一番最初に「何のこと?」と思っていろいろ調べだしたのはこのエピソードで、その内容をまとめておきたくなった原点ともいうべきエピソードでもあります。
デニス・キムにコテンパンにされたシェルドンは、なんと中東問題の解決に乗り出すことにしたのは良いけど、その案というのが「メキシコの砂漠にエルサレムを作ってユダヤ人を移住させる」というトンデモプラン。
フィールド・オブ・ドリームズ的中東問題解決法
しかもそれをゲーブルハウザー学部長に話してしまい、「何のために?」と質問されて、答えて曰く。
You know, it's like the baseball movie, build it and they will come.
(野球の映画のようにですね、それを作れば彼らはきます。)
フィールド・オブ・ドリームスや(笑
"If you build it, he will come." = 「それを造れば、彼が来る」とケビン・コスナー扮するレイが言えば、奥さんが"If you build what, who will come?" と聞き返していたのが印象的。
いや、野球選手なら球場があれば来るでしょうけれども、三角形の砂漠があればユダヤ人が来るわけじゃないだろ。
ここは一人でいたから笑ったけど、いいのこれ?と思ってみてました。
メキシコ民謡:Cielito Lindo
アメリカ人があれ見てどう思ったかはともかく、ゲーブルハウザー学部長からも「彼はおかしい」とか言われてしまうけれども、それを知る由もないシェルドンが歌うのはメキシコの民謡「Cielito Lindo」
歌詞はこちらをご覧ください。
サビの部分は、きっと聞いたことがあるはず。
¡Ay! ¡ay! ¡ay! ¡ay!, ¡canta y no llores!
しかし、シェルドンが歌っているのは歌詞にアレンジが入っていて、こんな風になっている。
¡Ay! ¡ay! ¡ay! ¡ay!, ¡Hava Nagila!
ユダヤ民謡:Hava Nagila
このHava Nagila はイスラエルの民謡で、結婚式などおめでたい時の歌のようです。
歌詞は以下の繰り返しなので、なるほどといった感じ。
喜ぼう
喜び 幸せになろう
歌おう
歌い 幸せになろう
目覚めよ兄弟
幸せな心と共に
メキシコの民謡にイスラエルの歌のタイトルを入れ込んでいて、エピソードのテーマを象徴する歌にしている。
たしかに賢いシェルドンならやりそうな設定。これを見つけてメモしておかなきゃなと思い、せっかくだからまとめておこうかなと思ったのは冒頭に記載した通りです。
ちなみに、Fandomのエピソード紹介のページでは、この部分について「シェルドンがユダヤの民謡Hava Nagilaを歌う」と書いてあるのはたぶん、違うと思います。
どんな曲かなと思って調べてみたら、こんな感じ。いくらでも出てきますが、どれも同じなのは当たり前ですね。
こんな動画を見ると、なるほどめでたい歌っぽい。
ところで、動画を探していたらこれはウクライナの番組だと思うのですが、なぜかHava Nagilaを歌っている。歌詞はヘブライ語そのままっぽいのですが、ウクライナ(あるいは旧ソ連地域?)とユダヤって、そんなに強い関係ありましったけ?この辺は勉強不足でまだよくわかっていません。
日本人なら誰でも知っている:マイムマイム
ちなみに、日本人ならだれでも知っているイスラエルの民謡があります。
フォークダンスの定番曲、マイムマイム。
「マイム」”mayim”は、ヘブライ語で「水」を意味していて、シオニズム運動によって全世界から現在のイスラエルの地に戻ってきたユダヤ人が、未開の地に水を引いて開拓に励む喜びを表した歌とウィキペディアにありますね。
なぜユダヤの歌が日本のフォークダンス曲として広まってるのだろう?と思ったら、こんな経緯があったそうで。
日本における普及の経緯
フォークダンスは第二次世界大戦後、たまたまそれを趣味にしていたGHQの教育担当者を通して日本に紹介され終戦直後の人々が娯楽に飢えていた状況の中で瞬く間に各地に伝播した。また、当時GHQ以外にもアメリカの在日団体であるYMCAやYWCAなども野外レクリエーション普及の一環として当時の日本でフォークダンスの普及に力を入れていた。
日本で皆が知っているとかユダヤ人が聞いたらびっくりしますね。
こんなDVDまで出ているのは知りませんでした。
マイムつながりでファウラー博士=メイム・ビアリク
マイムと言えば、シーズン4から出てくるエイミー・ファラ・ファウラー役のメイム・ビアリクのメイムはこのマイムのことですね。(アメリカの発音ではマイム・ビアリークとされ、ユダヤ系と記載されています。)
メイム・ビアリク、どこかで見たような気がすると思っていたのですが、なんとベッド・ミドラーの傑作映画の一つ、「フォーエバー・フレンズ」でセシリア・キャロル・ブルーム(ベッド・ミドラー)の子供時代を演じてました。
白黒で良くわかりませんが、この名曲の動画で映画のシーンのように出てくるのもメイム・ビアリクだと思います。
メイム・ビアリクならベッド・ミドラーの子供時代と言われてもなんか分かるような気がする。ちなみにが続きますが、ベッド・ミドラーもユダヤ系です。
本エピソードで他に見落としているネタがありましたら、コメントいただけると嬉しいです。