Big Bang Theory S1Ep8 カクテルの魔法と二つのインドと屋根の上のバイオリン弾き

この記事のタイトルは、ドラマで取り上げられているネタからつけたものです。ドラマの正式なタイトルはこちらです。

The Grasshopper Experiment:オタク青年とアルコールの法則

ビッグバンセオリーを見ていて面白いなと思ったオタクネタで自分が知っているネタ、調べたネタをまとめておいておくために作ったものです。ざっくりとした背景はこちらもご覧ください。目次もかねて作成しています。

今回のエピソードもいろいろな意味で気合が入っているエピソードで、ますます簡単に一回楽しんで終わりにならなくなってきて困っています(笑

あらすじ

ラージの両親の自宅にブロードバンドが入ったので、ラージがテレビ電話をかけてくる。ラージもノートパソコンで他の3人を紹介するのだが、ラージの幼馴染のらりーたが南カリフォルニア大の歯学部にいるから、会って早く結婚するようにせかす。親から電話番号をもらったラリータからさっそく電話をかけてくるのだが、女性と話せないラージは返事もできず困ったことになるのだが...

シェルドンはDC派でジャスティス・リーグ名誉会員

冒頭のシーン。新しい財布をオンラインで買ったシェルドン。「8枚のカード入れ+取り外し可能なIDカード入れ」=9枚のカードの保管が可能と考えたけれども、実は8つのうちの一つが取り外し可能なだけで8枚しか入れられなかった模様。

Sheldon: The online description was completely misleading, they said eight slots plus removable ID, to any rational person that would mean room for nine cards, but they don’t tell you the removable ID takes up one slot, it’s a nightmare.

財布やカードを見ながら、レナードのツッコミがこれ。

Leonard: Okay, now, do you really need the honorary Justice League of America membership card?

シェルドンのTシャツは、基本的に抽象的なデザインでなければDC系のキャラクターばかりなので、彼がジャスティス・リーグの名誉会員証を持っているのは何の違和感もない。

シェルドンがDC系アメコミファンなのは間違いありません。5歳からメンバーカードを持っているとは羨ましい。

ちなみに、シェルドンが持っているバットマンのサイン入り会員証を欲しがっている人は他にもいるようで、こんなツリーもあった。

シェルドンがジャスティス・リーグのファンである、ということで、ちょっとだけ脱線します。

ここでDC系のジャスティス・リーグについて

アメコミの映画化では、ケヴィン・ファイギの構想したマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)が手を付けられないくらいに圧倒してしまっていますが、MCUのアヴェンジャーズに対してDC系のはジャスティス・リーグ。

アヴェンジャーズがアイアンマン単体からスタートしてアヴェンジャーズを構築していったように、ジャスティス・リーグもスーパーマン、ワンダーウーマン、バットマンをそろえてジャスティス・リーグの立ち上げをしたのがこちらの映画。

ツイッターのプロフィールにも書いていますが、私もアメコミはDC系のファンなのですが、ケヴィン・ファイギのMCUは正直、世界観の構築が圧倒的すぎて、あれを上回るジャスティス・リーグ映画を作るのは至難の業だとは思います。

ケヴィン・ファイギがすごいなと思うのは、マーベル&アヴェンジャーズ愛のカタマリというかオタク界のトップに君臨するほどの知識を持ちつつ、その世界観をまとめ上げながら、ライトなオタクを越えて、ヒーロー映画の初心者・無関心者が見ても楽しめる物語を構築する能力が桁外れなこと。

DCサイドは、ワンダーウーマンはガル・ガドット、アクアマンはジェイソン・モモアという奇跡の女優・俳優を得てなんとか善戦しました。ここから、マーシャン・マンハンターやフラッシュ、グリーンランタン、さらにはブラックキャナリー、グリーンアロー、ザターナやファイヤーストームの単体映画を成功させて、ジャスティス・リーグで盛り上げるイメージを描くのが非常に難しい。

たぶん、何をやっても「これってマーベルの〇〇のあれだよね?」みたいな、二番煎じのように見えてしまう。

ただ、DC系はテレビドラマは2001年のSmallvilleがそこそこ成功し、その後で作られたグリーンアローから始まる一連のDC系ドラマ(アローバース)がMCUのような世界観を構築して何シーズンも続いています。

DCはテレビ・ドラマが合っている、と思う。

マーベルのデッドプールの映画で、「お前、暗いな。DCワールドの住人か?」と揶揄されていましたが、反論できない(笑

その分、じっくり、少しずつ物語を動かしていくドラマの形式の方があっていて、アローバースのテレビ界での成功はそこに理由があると思います。

とうとうグリーンアローも完結し、今日はコンプリートブルーレイボックスが発売されるのか。シーズン1からのことを思えば、感慨深いものがあります。

シェルドン&ハワード vs ㇵルーン&タンウィール

ラージが、インドの両親にレナードやシェルドン達を紹介しているシーンで、シェルドンはハワードと住んでいるといった時、「ㇵルーン&タンウィールみたい」と答えています。

台詞の流れからするに、インドのゲイカップルを主人公にした番組のようですが、実在しているのかな?いくつか検索してみましたが、見つかりませんでした。

ラリータ・グプタとラージ・クースラポリ

ラージの親が、南カリフォルニア大で歯学部にいるラリータと付き合うように話をするのですが、その最初の会話がこれ。

Mrs Koothrappali: Rajesh, do you remember Lalita Gupta?
Raj: The little fat girl that used to kick me in the samosas and call me untouchable.
(字幕)太っちょで僕のタマを蹴った子?

字幕では、太っていることとラージのタマを蹴ったことしか書いてませんが、オリジナルのセリフはもっとすごいことが書いてあって、さすがにここに書くのは憚られるので、辞書を調べてください。

ドギー・ハウザー

ラージの親はラージにラリータを紹介し、「勝手に決めないで!」と反発するラージを放置したまま、「ドギーハウザーが始まるから」と言ってテレビ電話を切ってしまう。

電話が終わった後、昔自分をいじめていた女の子と付き合えと言う親への反発で放心するラージと、今頃ドギーハウザーにはまっていることに驚く残り3人のギャップが面白い。日本でもNHK教育テレビの海外ドラマ枠で放送されていたようですが、アメリカでの放送は「1989年から1993年」ということですから、2007年のビッグバンセオリーのこのエピソードの時点で24年が経っています。

ちなみに1993年の日本のテレビドラマを調べたら、これがちょうどその年でした。

シェルドン、レナード、ハワードが驚くのも無理はない(笑

ちなみに、ドギー・ハウザーの主人公は「ママと恋に落ちるまで」の主人公役をやっています。こちらは日本語のコンプリート版、ありそうなのに見つかりませんでした。

屋根の上のバイオリン弾き

さて、話をビッグバンセオリーに戻して、親から結婚を勧められて困惑するラージに、シェルドンはあっさりと結婚することに賛成する。19世紀まではお見合い結婚のみで、社会はそれでうまく行っていたのだからと。

それを受けてハワードが「屋根の上のバイオリン弾き」だなと相槌をうつ。

屋根の上のバイオリン弾きは、日本の舞台芸術としては1967年に帝劇で上演されて以来、主人公のテヴィエ役を森繁久彌がつとめた後、上條恒彦、西田敏行、市村正親に引き継がれて今でも上演される演目の一つらしいですね。

ですが、トポル主演の映画の方は、入手が難しくなりつつあるようです。

名曲がそろっていることで有名ですし、映画版の編曲はなんとジョン・ウィリアムズで、彼は本作でアカデミー賞音楽賞を受賞しています。

また、映画のサントラ盤にはアイザック・スターンがかかわっています。

世界的な名声を獲得したアイザック・スターンはユダヤ人ですが、バイオグラフィーを見ると、このように書かれています。

当時ポーランド領(現ウクライナ領)だったクレメネツに生まれるが、1歳2ヶ月の時に、家族に連れられサンフランシスコに移住する。

「屋根の上のバイオリン弾き」のような人生を歩んできたアイザック・スターンにとって、この映画には人生を賭けた仕事としてサントラで参加したのではないでしょうか。

アイザック・スターンについては、こちらでも取り上げました。

ロベルタ・ガスパーリ先生のバイオリン教室に一番最初に救いの手を差し伸べたのはアイザック・スターンでした。彼の人生を知ればそうせざるをえなった気持ちも分かるような気がします。

ちなみに、「Big Bang Theory S2Ep14 ペニーの元カレと吟遊詩人」でも取り上げた様に、バイオリンのことをFiddleと呼んでいますが、屋根の上のバイオリン弾きも、原題は「Fiddler on the Roof」になっていますね。

だいぶ脱線してしまったので、話をもとに戻します。

ビッグバンセオリーの本エピソードでもこんな会話が。

Leonard: I’m not a big fan of musicals, but I love that show.
Howard: Me too. Of course, it speaks to me culturally.

レナードがミュージカルは好きじゃないけれども、屋根の上のバイオリン弾きだけは別と言えば、ユダヤ人のハワードも「僕もだ。」と受ける。

Of course, it speaks to me culturally.

ところで、ハワードのセリフ、「Of course, it speaks to me culturally.」は、直訳すれば、「もちろん、文化的な面から語り掛けてくる」と読めますが、レナードが単に「ショー」としての「屋根の上のバイオリン弾き」が好きと言っていることに対して、ユダヤ人として「追われてきた」体験を持つ民族という文化も含めて、という意味なのだろうと思っています。

他のエピソードでも、ハワードは「僕らは御先祖様が砂漠を何十年もさまよったから、テキサスの砂漠にはいきたくない」みたいなセリフがあったと記憶してます。見つけたら、追記することにします。

この「Of course, it speaks to me culturally.」は、正しい理解の仕方が別にあるのであれば、ぜひとも指摘をお願いしたい部分です。

LAのプラネタリウム:グリフィス天文台?

ラージが「良く知らない女性」と結婚させられることについて真剣に悩んでいるのに、「屋根の上のバイオリン弾き」が好きとか話している3人に愛想をつかして、「新しい友達を見つける」と飛び出していった間に、シェルドンは財布に入れる会員証を9枚から8枚に減らすことに決めました。

結局、ジャスティス・リーグの名誉会員証はキープすることに決めたようで、削減対象の最終候補はプラネタリウムか自然史博物館で争われ、結果としてプラネタリウムの会員証とオサラバすることになりました。

ところで、ロサンゼルスのプラネタリウムで調べると、グリフィス天文台が出てきます。

ここは今ではラ・ラ・ランドでセブとミアがデートをした天文台としても知られていて、大変な人気だそうですが、仮にこのエピソードがラ・ラ・ランドの後だったとしても、シェルドンにとっては選択肢には入らなかっただろうと思います。

なぜなら、シェルドンがプラネタリウムを削減した理由は、そこには恐竜がいないから。有名なデートスポットになったことが、シェルドンが会員証をキープする理由になるはずがありません。

ロサンゼルス自然史博物館

それではシェルドンの会員証レースに見事残った自然史博物館を見てみましょう。サイトのトップがこれ。

なるほど。これはすごい。

それにしても、5歳から持っているジャスティス・リーグの名誉会員証は選考の対象にもならずに残留確定で、プラネタリウムと自然史博物館で検討した結果、恐竜がいないからプラネタリウムをカットするって、本当に5歳の子供みたいですね。

レナードとハワードがテキストで誰かに言いふらしていましたが、その気持ちは非常に良くわかります(笑

ハワード、ラージになりすます

シェルドンがプラネタリウムの会員証を放棄していると、ラージがラリータから電話がかかってきた、と言って飛び込んでくる。

レナードは、「新しい友達を探すんじゃなかったっけ?」といってからかうが、ラージにとってはそれどころではない。

ラリータと話さなければ親から縁を切られ、話そうにも話せない。

そこにさっそうと立ち上がったハワード。電話を貸せと言う。何をするのか不安なラージに、「僕に任せろ(you’ll thank me)」と言っておもむろにラリータに電話を掛ける。

Howard: Don’t worry, you’ll thank me.
(In a fake Indian accent)
Hello Lalita, Raj Koothrappali.  Yes it is good to talk to you too.
So, what are you wearing. Oh, not important, so, anyhow, when would you like to meet.
Friday works for me. And I call you with the time and place,
but in the meantime, keep it real babe.
You may now thank me.

この様子は爆笑ものなのですが、注目すべきは太字の二か所。

本エピソードでは、ハワードがいくつかの場面で「works for me」が繰り返し使われています。ハワードのなりすましインド人もハワードだからこその場面ですが、改めて彼の「狂言回し」能力の高さと、同じ表現をあちこちで使うことで、その対比を際立たせるセリフには感心します。

Keep it real, Babe

そして次の太字の箇所。字幕では「それまで自分らしく生きろ」となっています。辞書を見ると、「keep it real」は「自分を見失わない/自分に正直になる」なので、字幕は辞書通りの訳を付けているわけですが、観客の笑い声がものすごいことになっています。

イギリスで生まれたアメリカ人とイギリス人の子供で、現在は東京在住のLukeさんのこちらの記事を見ると面白いことが書いてあります。

「keep it real」≒「be yourself」 or 「do not be fake」。さらにこんな記述が。

しかし、現在は「keep it real」はたまに別れ言葉としても使われています。

アメリカで育ったハワードが、インド人になりすまして、電話の最後に「do not be fake」と言い、しかも最近では別れ言葉としても使われる表現で電話を終わらせる。

だから、電話を切った後、シェルドンが「お前がそれ言うな」みたいに首を振ってハワードを見ているのでしょうし、ハワードがラージに「You may now thank me.(感謝するんだな)」と言っているのでしょう。

もちろん、これも脚本家が練りに練ったセリフなのですが、ハワードなら言いそうなところに落としてくるのはさすが。

カクテルの練習台

ハワードのなりすましにより、金曜日にはラリータと会わざるを得なくなったラージ。そこにチーズケーキファクトリーでバーテンダーを務めることになったペニーがやってきて、練習に付き合ってとの話。

ラージにいろいろあって、お酒を飲まないから遠慮するというレナードに、ラージが耳打ちして、こんな時だから一杯やりたい、とつぶやく。

ということでペニーのバーテンダー修行に付き合う4人組。

Bartendress

ちなみに女性の場合は、Bartendressと言っていたようですが、今のご時世、こんな表現は消えていくのでしょうね。

カクテル各種

レナードはテキーラサンライズ

ハワードはペニーのお勧め、グラスホッパー。タイトルの半分を回収。

こちらの写真を見ると、色は確かに緑だけれど、エピソードでラージが飲んでいるグラスホッパーとは透明度が全然違いますね。

シェルドンはダイエット・コークを希望。カクテルにしてとペニーに返されたので、バージン・キューバ・リブレ=ラム酒とコークのカクテルのラム酒抜き。

ハワードはスリッパリーニップル。調べるまでネタだと思ってましたが、さすが「そっち系には嘘はつかない」と豪語するだけあって、本当にありました。

こんなの、よっぽど行きつけで、馴染んだ男性のバーテンダーさんがいるようなバーじゃなきゃ頼めないな。ハワードは大真面目だったと思いますが、案の定、ペニーからは却下されて轟沈。

その間に、アルコールでスイッチが入ったラージがペニーにも話すようになっていて、一同驚愕。アルコールがあれば女性とも話せることが発覚して、チーズケーキファクトリーのバーでペニーが見守る中、ラージはラリータと会うことになりました。

ウザいラージはさておきシェルドンとパンチャーリ姫

チーズケーキファクトリーのバーコーナーにて。

グラスホッパーのおかげで女性と話せるようになったラージが、4人組と話すノリでラリータと会話するものだから、うざいことうざいこと。レナードからもこんなセリフが出るほど。

Leonard (to Penny): You have a drink that’ll make him less obnoxious?
ウザさを抑える酒は?

ペニーからも、そんな酒はないわと返されるけど、もしウザさを抑える酒があるなら、会社の飲み会ももう少し平和だろうに。

ところで、ハワードのこのセリフは謎。口ひげと尻尾の名残があるお見合い相手ってどんな人だったんだろう?

Howard: I’d say he was doing fine, look at her, last girl my mom set me up with had a moustache and a vestigial tail.
ラージは順調だよ。彼女をみてよ。前に母親がみつけてきたお見合い相手には口ひげと尻尾の名残があったぞ

別なエピソードで、障害物ヌードチェスをやろうとか言い出したハワードに、「そんなのに乗ってくる女性がどんなだか分かるだろう?」とレナードが答えると、「見くびっちゃ困る」と言ったハワードが驚くような相手ですよ?

そこに、気が乗らないといって遅れてやってきたシェルドンがラリータを見てびっくり仰天。ラリータ・グプタは「The Princess & the Monkey」に出てくるパンチャーリ姫の生き写しだと。

ネットを探すとこんなページは出てくるのですが、実際にこんな本はなさそうです。

パンチャーラ国とそのお姫様は実在する

おさるさんと仲良くなって、奇妙なサルを開放したパンチャーリ姫は見つかりませんでしたが、古代インドの十六大国の一つにパンチャーラ国があり、そのお姫様のドラウパディーはインドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場します。

ところで、このドラウパディーの出生のところを見ていると、13世紀に実在したメーワール王国の興亡に材を取ったパドマーワトに似たような感じを受けます。

インドの王朝も、広大な地域に分かれ、中東地域や中国、モンゴルとのせめぎあいの中で興亡盛衰を繰り返した歴史があって、本格的に知ろうとすると、インドだけで世界史の教科書なみの分量が必要になりそうですね。

ハワードが読もうとして、クレジットカード番号が要求された「The Princess & the Monkey」については、調べていません。誰かがネタで作ってそうな気もしますが、うちではそっち方面は扱ってないです。

さて、実在のパンチャーリ姫については、ラリータも聞いたことがあるかもしれませんが、サルと仲良くなったパンチャーリ姫は見つからない。そこでラリータは、「シェルドンの言うインドとはどこのインドかしら?」と思ったらしい。

いわゆるインドと"Come to Our Casino”のインド

その部分のラリータとシェルドンのやり取りがこちら。

Sheldon: You are the living embodiment of the beautiful Princess Punchali.
Lalita: Oh, no kidding? Oh, who is that?
Sheldon: A beloved character from an Indian folk tale.
Lalita: Oh. Us Indian, or “come to our casino” Indian?

「インドの昔話のキャラクター」と言われて、「私たちのインドの、それとも、うちのカジノへようこそのインドの?」という不思議なセリフです。

これは全く知らなかったのですが、いわゆるアメリカ・インディアンにはカジノの運営が認められているようで、そのことを指しているようです。

日本では、たとえば東北地方で「藤原氏」と行った時に「奥州の藤原氏?それとも平安時代に天皇家の外戚となった藤原氏?」が何を意味するかは分かるけれども、日本に来ている外国人に説明するのは時間がかかるようなものでしょうか。

神が星から作った瞳 薔薇も恥じらう深紅の唇

ともかく、インド人も知らないインドの昔話に出てくるパンチャーリ姫。ラリータもどんなお姫様なのか聞きたくなって尋ねます。

シェルドンの回答がこれまたすごい。

Lalita: Don’t be insulting Rajesh. So, Sheldon, tell me more about this princess you say I look like.
Sheldon: It was said that the Gods fashioned her eyes out of the stars, and that roses were ashamed to bloom in the presence of her ruby lips.
(字幕)彼女の瞳は神が星から作った。深紅の唇の前では薔薇も咲くのを恥じる

同じセリフをハワードが言っていたら、きっととんでもなくウザかったでしょうが、ハワードの淡々とした言い方はラリータを喜ばせ、退屈なラージをほったらかして二人で食事に出かけてしまいました。

レナードはシェルドンが間違っていると叱りますが、ラージがあそこまでひどくなかったら、こんな風になっていないですね。

ラリータからすれば、親に対してラージを断る体のいい理由にもなりましたし。

「人生に乾杯」 from 屋根の上のバイオリン弾き

エピローグは再びチーズケーキファクトリーのバーコーナー。

なんとシェルドンがキーボードを弾きながら歌っているのが、「To Life(人生に乾杯)」という屋根の上のバイオリン弾きの一曲。

この演出はすごい。そして、アメリカでは、博士号を取るような人達、シェルドンとハワードがピアノが、レナードはチェロを弾くのが普通なのだと分かるシーンでもあります。

彼我の差は大きい。

歌詞の切れ目でコークを飲む場面まで映してから、バーテンダーを務めるペニーとカウンターのレナードに画面が切り替わる。

ペニーは音楽に合わせてリズムを取っていますが、あっけにとられているレナード。

一体、何があったんだ?と驚くレナードとペニーの会話がこちら。

Leonard: I don’t believe it, what’s gotten into him?
Penny: Oh, maybe a couple of virgin cuba libres that turned out to be kind of slutty.(バージン・キューバ・リブレが悪さしたみたいね)
Leonard: You didn’t?
Penny: Hey, you do your experiments, I do mine.(私だって実験するの)

この終わり方はしびれますね。「屋根の上のバイオリン弾き」の曲をシェル度に歌わせるのもすごいですし、ペニーのこの「実験」で〆てタイトルもすべて回収する。

これぞザ・コメディ。

今回もユダヤにインドにてんこ盛りすぎて、先日の記事が最長だと書いたばかりですが、早くもそれを上回りました。

この記事も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本エピソードで他に見落としているネタがありましたら、コメントいただけると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?