オーディオブック:全集を買うときは収録タイトルにご注意を
これまで「シャーロック・ホームズ」シリーズと「赤毛のアン」シリーズの二つについて、Kindleの電子書籍とAudibleのオーディオブックについて、どちらもWhispersyncには対応していないことは説明しつつ、現在発売されているオーディオブックの一覧を示してきました。
「赤毛のアン」シリーズは長編8冊、短編集2冊のうち、「アンの幸福」と「炉辺荘のアン」の2冊が録音されたオーディオブックが見つからないことは割と早いうちに分かっていました。
と言いますか、「6 of 8 books」とオーディオブックのタイトルにも書かれているので、それだけ見ても2冊がたりないのは分かります。
一方の「シャーロック・ホームズ」シリーズですが、私が購入したStephen Scalon版のオーディオブックのタイトルは「The Sherlock Holmes Collection」となっています。
また、オーディオブックの説明にも「赤毛のアン」シリーズでは「全8冊のうちの6冊」とタイトルに明記されていましたが、同様の記載はありません。
しかし実際には『The Case-Book of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの事件簿』が収録されていませんでした。
Stephen Scalon版の作品紹介
ちなみに、Stephen Scalon版のオーディオブックの作品紹介はこちら。
お値段も、たった400円で買えちゃうという超お買い得感がありますし。
ところが、この67時間の作品を最初はほとんどついていけずに音がBGMのように流れているだけだったのですけれども、それでも何度も聞いているうちに、ある時からそのまま分かるようになっていました。
それで楽しくなって、また繰り返し聞いていると、どうも昔読んだはずの短編が欠けているような気がしまして。
シャーロック・ホームズ全作品とオーディオブックの対比(Stephen Scalon版)
それで、「シャーロック・ホームズ」シリーズ、長編4冊、短編集5冊・全56作品のタイトルとAudilbeのチャプターを対比して確認したところ、上述の通り『The Case-Book of Sherlock Holmes - シャーロック・ホームズの事件簿』が収録されていないことが判明しました。
その後で改めて、Stephen Scalon版の作品紹介を良く読んでみたら、確かに最初から「The Case-Book of Sherlock Holmes」の記載はありません。
うーん。一瞥してそこまで把握することはできません。「赤毛のアン」シリーズの評価に倣って、「8 of 9 books(全9冊のうちの8冊)」などの記載を入れておいてほしいと思った次第です。
オーディオブックの「全集」購入の時はタイトルのチェックを徹底しましょう
さて。
この二つの事例、「赤毛のアン」と「シャーロック・ホームズ」シリーズのオーディオブックの購入で経験して判明したのは、「録音時間が長い」とか「The Collection」、「Collection」、「Audible版 – 完全版」などと記載されていたとしても、本当に全作品がすべて録音されているとは限らない、ということでした。
この2作品は間違いなく世界中で今でも愛読されているもので、出せば確実に売れる作品であっても(もしかしたら、そうだからこそ適当に作っても売れるからか?)、こういったことがありえます。
「シャーロック・ホームズ」シリーズについていえば、長編4冊と短編集5冊をすべて収録したオーディオブックも少なくとも3種類ありますが、「赤毛のアン」についていえば、全8冊がすべて録音されているオーディオブックはまだ見つかっていません。
全集を買うときは、収録作品は注意深くチェックしましょう。
Stephen Scalon版のように、リストがならんでいてそれらしく見えても、最後の短編集だけが入っていないということもあるわけですし。
Stephen Scalon版が安い理由?
ところで、今になって改めて振り返ってみると、オーディブルは作品がどんなに高くても1コインで買えるということから、モノの値段=価値を錯覚してしまっているのかもしれませんが、改めてシャーロック・ホームズのオーディオブックの値段を並べてみるとこんな風になります。
Stephen Fry版:71 時間 57 分(長編4冊・短編集5冊 収録) :10,700円
Charlton Griffin版:70 時間 48 分(長編4冊・短編集5冊 収録):8,200円
Simon Vance版:58 時間 4 分(長編4冊・短編集5冊 収録) :5,100円
Stephen Scalon版:67 時間 44 分(長編4冊、短編集4冊のみ) : 400円
Stephen Fry版は、朗読者が俳優としても有名なのもあって高額になるのも分かるような気もしますが、このように並べてみると一目瞭然。
Simon Vance版までは全9冊がすべて収録されているのに比べて、最後の短編集が収録されていないStephen Scalon版は他の3冊のうちの一番安いオーディオブックのたった8%のお値段です。
それでも、この場合9冊中8冊は収録されていますし、その録音も素晴らしいので「安いから良くない」とは言いませんが、やはり全部が入っていないことが分かった時の「がっかり感」は否定しきれない。
Stephen Fry版はタイトル付
今まであまり気にせずにStephen Scalon版を聴いていましたが、「完全版」でないことがわかってしまうと、非常に残念な気がしまして。
ちょうどコインがあったので、Stephen Fry版を買ってみました。
こちらは「The Definitive Collection」の名前の通り、長編4冊・短編集5冊がすべて収録されていました。
しかも、Stephen Scalon版ではどのトラックも「Chapter 〇〇」としか表示されていなかったのに対して、すべてのトラックに作品タイトル付。
オマケとして、それぞれの作品ごとにスティーブン・フライの作品解説までついています。
スティーブン・フライは「ハリー・ポッター」シリーズの録音でも有名な、非常に聞きやすい録音がされています。
改めて、1コインで買える商品でもご注意を!
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