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錆戦日誌12・とあるライターの取材2

はい、はじめまして。ジャンクテイマーと接触した記事は興味深く拝見しました。

ああ、驚かれるのも無理はありません。しかし三大所属ならともかく、寄る辺なきヴォイド・テイマーが五体満足でいられるかというと、そうもいかないことはご想像いただけるかと思います。これは友軍を未識別機動体からかばった際の傷跡で――え? いえ、決して当てつけなどでは。そもそもその友軍は、甲斐なく海に還っていますからね。そうした未来を予見できなかったというのは、まだ未熟だったということです。今も完全に見えるわけではないのですけれど。

ええ、耳にしたことがあります。財団への締めつけが日に日に強まっていくようですね。現存するグレムリンフレームの改修、新造パーツの流通がああも大規模に、同時多発的に行われると、まるで彼らこそが世界の外からの侵略者のようで――え? いえ、疑っているわけでは。腕も銃弾も、思念さえも届かない高みにいる相手を敵に回しても、無為ではありませんか。よくわかりませんが、祝福をもたらしてくれるものだとありがたがっておけばよいのです。目に見えるご利益があるだけ、十二柱より優れているかもしれません。

さて、他にご希望は。今後の戦局? ふふ、先のことなど見えないというお話はしたはずでは。何より後ろ盾なきヴォイド・テイマーですので、死なぬよう生きぬよう、海の藻屑を積み上げ続けることしかできません。それがいずれグレムリンを高みへ導くだろう、というのがあの全翼機の言です。我々が勝つか負けるか、次の世界がどのようなものであるかは、実際に見てみないことにはわかりません。

はい、ありがとうございました。妹さんにもよろしくお伝えください。

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