ぶらぶら春を
風が吹いて、雨が降って、嵐が過ぎた。
散歩もしばらくぶり。それで長らく夢籠りだった〈ふうら〉のもう一人を春の野辺へ。
雲がぷかぷか、日傘をさす人がいるぐらいの陽気。ちょっと近くの草地に寄ってタンポポの綿坊主と旅談義。
ここは馴染みのレンゲ田。白い花のを二三輪摘んだことがあるが、それきり見ないのが淋しい。
杖を手にするものは、旅の草杖も楽しみ。手にする草によって旅の心持ちも違ってくるだろう。レンゲソウなら精神の奥処に蜜も溜まるかもしれない。
タンポポの一家と。
ゲンゲ杖からタンポポ杖に。太陽の思想だ。
今日のふうらの草杖は、今度はぼくの草筆になる。
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