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柿の葉舟


田圃道の三本柿。
木守柿も無く、僅かな葉が残るのみ。
枯葉の虫喰穴と、夕べの細い月。上空に飛ぶ鳥のだれか。


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この柿には、舟のような丸く窪んだ葉ができやすく、毎年それを楽しみにしていた。柿の葉舟といって、ふうらもそれを喜んだ。そんな葉が一枚だけ色も鮮やかに残っていた。


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さっそくふうらが乗り込んで舟旅に出る。
柿の葉舟は、水分が無くなってカサカサになると変形する。乗ったらできるだけ遠くへゆくこと。水の上でも、雲の上でもいい。


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人気があるから、みんな乗りたがる。小さなふうらの特権でもある。


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