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バド・パウエル 生誕100年

バド・パウエル生誕100年!
音座マリカ作の珠洲焼像と、
パウエルのライヴ演奏三枚組CD《BUDISM》。

パウエルの像は1987年作像、1988年焼成。中世の珠洲焼を復興させた友人で、やはりジャズを愛する中山達磨氏の窯で焼成。同じ棚にセロニアス・モンクの像も並んでいた。モンクの像はそのまま珠洲に残ったが、度重なる地震でどうなったか。中山氏の窯はここ数年壊れて、直し、壊れて、直し、また壊れて……ついに珠洲での作陶を断念、現在みなし仮設住宅に暮らしながら新しい窯場を探している。

そう言えばパウエルもフランス滞在の生活は、フランシス・ポードラというデザイナーの世話になっていた。そのポードラも後年自宅が火事に遭って、大切なジャズ資料をすべて無くして絶望した。せつない話である。

《BUDISM》は1962年スウェーデンの「ゴールデン・サークル」に出演した時の演奏。かつてLPで五枚、CDで増補五枚がばら売りされた。四月と九月の三日間の演奏の、さらに残りが三枚組のCDで売り出されたのが、このコレクター・アイテムと言われる《BUDISM》。よれよれでへらへらだと聞いていたが、そんなこともなく、むしろパウエル日和とでも言った穏やかなナチュラルな演奏が一時続く。
若い頃の天才的なプレイだけがパウエルではない。ここでの淡々としたプレイも、ポードラの自宅での独演もおなじパウエルである。この時期のライヴを体験したある作家が「老いた海象」とパウエルのことを表現したが、断じてこれを承けるわけにはいかない。閃きや煌めきのある演奏をしなくなったからと言って、パウエルはパウエルである。ブルースは誰にだってやってくる。パウエルのピアノはどれだって聴いていたいが、そんな作家の作品は読みたくもない。読む必要もないだろう。

バド・パウエル。
この人がいなかったら、この人のピアノを聴かなかったら、もっと辛く生きて来なければならなかったと思う。 Un Poco Locoな領域へ踏み出させてくれたのも、この人の演奏。




Bud Powell 100th Anniversary Session.
六角ジャズ・トリオでトリビュート・トゥ・パウエル。

In Walked Bud
Strictly Confidential
Un Poco Loco
i’ll Keep Loving You
Cleopatra's Dream
Deep Night
Bouncing with Bud

これらの曲をリクエスト。
(陶像は音座マリカ作、与呂見村銀河窯焼成)


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