SCP-JPにおける、掌編Taleを書く際の戦略についての考察

掌編Taleが書きたいんですよ。

書きたいんですよ。もう一度言います。掌編Taleが書きたいんです。何てこと無い感じで書いて投稿してテレキル掻っ攫いたいんです。

掌編Taleの強み、それは読者が払う手間、コストの圧倒的な安さとそれに付随するUVのコスパの良さ。つまる所爆発力です。俺もその爆発力を振りかざしてみたい。

でも、書けねえ。

致命的に書き方が分からない。風呂敷を広げようとすると一瞬で文字数が膨らみます。単に物語を組み立てるだけでは一生書けない。

ので。今回は現在SCP-JPで評価を得ている文字数短めのTale達を分析して、掌編Taleの書き方、「戦略」を考察していきます。

※成功体験を元にしたエッセイとかではなくあくまで"掌編書けない人"が必死で絞り出す「考察」である事に留意してください!



1.「テーマで殴る」

一つ目の書き方。主に独白を駆使して小噺の形式で書き、"テーマを提示する"事によってダイレクトに読者を殴る書き方です。

有名な物で言えばk-cal様の『語りきれぬものについては』やH0H0様の『鈍感』、あとはgrejam様の『あとに残るもの』もそうですね。更にその中で物語を展開したv vetman様の『ヒーローの辞表』なんかもこの類か。

この形式は言ってしまえば「如何に読者をテーマで唸らせるか」の勝負です。掌編は物語の風呂敷を広げて"描写を積み重ねる"事が出来ないので、一発で読者を納得させる様なテーマをお出しする必要があります。難しいですね。

オリエンテーション系のTaleもだいたいこの類に当てはまります。如何にその部門や概念で読者を納得させるか、その矜持で唸らせるかの勝負ですね。aisurakuto様の『不燃性廃棄物』なんかは正しくそのお手本です。



2.「絵面で殴る」

二つ目。ワンシーンを切り取った構成で描く手法です。絵面をドン、と提示して軽やかに物語を〆る事によってUVを勝ち取る物となっております。

これは著名な方だと街川風火(旧:meshiochislash)様が得意とされてる印象がありますね。『極点の目』や『死刑、死臭、死刑囚』、『墓標、残るは線香』あたりが分かりやすいと思います。

これは絵面の強さとその絵面を活かした展開が肝になってきます。しかし一つ目のやり方ほど真正面からテーマを突き詰める必要は無く、「絵面で読者を掴み綺麗な読後感で〆る」という基本を徹底すれば成立はさせられるんじゃないでしょうか。

言わば曲のサビ部分だけを魅せる様な旨味がある手法なのかもしれません。ただ、故にこちらはどこまでも「絵面のセンス」が問われますが。極夜灯Taleはこの手法が結構多い印象があるので読んでみるといいかもしれません。


3.「単純に展開で魅せる」

どういう事かと言いますと、真正面から5分後に意外な結末をやって読者を殴る手法です。有名な作品だと1NAR1様の『The scent of A』やteruteru_5様の『適性』、あたりでしょうか。あとはKABOOM様の『あなたが不死種、長命種を諦めるべき一つの理由』とかもか

「何か一つメイントリックを用意して、あとはそれを中心に物語を肉付けしていく」だけですので簡単と言ってしまえば簡単ですが、それだけじゃパンチ不足になる事も多いです。『The scent of A』の耽美な描写などが代表ですが、+αでUVを押させる面白みが欲しいですね。俺には書けねえ

変わり種だとleaflet様の『拝読しました』なんかもこの類ですね。ここまで鮮やかな掌編を書いてみたいものです。


4.著名キャラを使う

ラスト。SCP-JP内で大多数の読者に共有されてる有名キャラの文脈をフルに活用して、最小限の描写だけで物語を収める手法です。今までサイト内で描かれたそのキャラクターの活躍が文脈となって勝手に語ってくれる分、こちらの文字数は少なく収まってくれる訳ですね。シェアワールドを活かしてますね〜

これはsyutaro様の『退職届』や街川風火(旧:meshiochislash)様の『孤独な人間は生きているとは言えない。』などが該当します。活用できたらかなり美味しい手法かもしれません。




以上!!!

以上4つが私が考察した掌編Taleを書くにあたってメイン戦略となる4つです。ただ喜劇的な掌編だったりホラーだったりすると恐らく全然違うやり方が他にもあると思うので、皆さんも是非とも考察してみてくださいね。そして掌編Taleを書こう

では、またいつか。

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