亡き母の思い出~母の本気の巻~
本来なら上の記事の後半を投稿するところですが、ちょっと寄り道します。
久しぶりに、今は亡き母の思い出を書こうと思う。
亡くなったのは、2号くんが生まれたばかりのころ。
その2号くんも もう22歳。
そんなに経つんだな・・・
私が高校生の頃の話。
当たり前だが 友達と遊ぶのが大好きでね。しかも、結構悪いことが好きだった。(高校生ですから(笑))
隠れて煙草も吸ったし、酒も飲んだ。
そして、夜に遊ぶのが楽しい時期だった。
部活が長引いたと嘘をついてゲームセンターに行ったり、友達の家で麻雀をして楽しんだりしていた。
そして その日も麻雀を楽しんでいた。かなり盛り上がって、時間を忘れて楽しんでいた。気付けばすっかり夕食時。
大盛り上がりだったので、そのノリで『今日は徹マンだ!』となったが、さすがに徹マンだと家に連絡なしというわけにもいかない。しかも、親は遊んでいるとは思っていないだろう。部活が長引くと言ってあるんだから。
家に電話をする。
私「もしもし母さん、今日、友達んちに泊まってくわ」
軽く 当たり前のように言う私に、
母「はぁ?今 友達んち?部活の帰り?」
私が高校の頃は まだ携帯電話がなくて、電話は固定電話か公衆電話だった。だから、友達の家から掛けている。友たちも傍にいるから強気で、
私「うん。友達んちで遊んでるとこ」
またもや軽い感じで、ウソをついて遊んでいたことをカミングアウトした私に、
母「あんたバカなこと言ってんじゃないよ!部活じゃなかったのか!帰っていで!」
ブチ切れた。
まぁ当然だよね。親を騙して、しかもそれが当然のように軽い感じのバカ息子なんだから。
しばらく押し問答の末、
母「いいから!とにかく帰っておいで!!!」ガチャ!
完全に怒らせた。
どう考えても私が悪い。
こうなると私の母は鬼になる。たぶんそのまま帰ったら雷が落ちる。
いや、雷どころじゃない。隕石が頭上に落ちたくらいの大事件になるだろう。そう思った私だが、もう逃げ場はない。隕石なんだから!
友達に別れを告げ、家路につく私。
家が見えてきて、なんとなく玄関前に人影が見える。
近付くにつれ、その人影がはっきり見えてくる。
母さん!!!
しかも、腕を組んで仁王立ち!!!
それまでの人生(まだまだ青二才だが)で1番ビビったね。
あの恐怖は今でも鮮明に覚えている。
逃げ出したいが、たぶん私の姿を認識している。追いかけてくるだろう。
逃げ場がない。行くしかない。
だが、表情が認識できるとこまで近付くと、母の目が赤いことに気付く。赤鬼ではない。
泣いている!?
泣きながら仁王立ちしている母がそこにいた。
恐る恐る近付いた私に、
あんたね!!!
絶対に嘘はつくな!!!
親がどんな気持ちで
毎日暗くなってから帰ってくる息子を
待ってると思ってんの!!!
無事に帰ってくるかな、
事故にあってないかな、
そんなことばっかり考えてんだ!!!
それをあんた・・・・
ばかやろー!!!
人生で最も痛くて、重くて、優しいゲンコツをもらった。
母の拳と涙目を見ながら私も泣いた。
そして ひたすら謝った。
親の心子知らずって言うけど、これなんだな。
50を超えた私だが、これまでの人生でここまで反省した記憶はない。
今は、この時の母の気持ちはよ~くわかる。
たぶん、同じ状況だったら私もそうするだろう。