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sbms人力のはじめかた~番外編・ない音を作ろう~

こんにちは!おすすめTLの99%がねこ動画になってしまった鹿出 鄙(ろくで ひなび)と申します。

今回は音素を加工して足りない音を補う「ない音の作り方」の記事になります。とりま番外編としていますが今後の記事の尺次第でいつもの記事の方にくっつけるかも。

いつもの記事の方はこちら↓


足りない音を作る

人力やってるとどうしてもありますよね、音が足りない問題……。は行なんか常にない気がします。まあなければ作ればいいのでがんばってきましょう~。

この記事の見方として、まずは「ごまかしかた一覧」の作りたい音の項目を見て、必要であれば「音をそれっぽく加工する」「音と音をくっつける」のじっせんから詳しい手順を確認していただくとやりやすいかなと思います。

それでは
音を別の音っぽく加工する
子音と母音をくっつける
の2パターンを順番に解説していきます!

音をそれっぽく加工する

子音速度を上げる

濁音(※1)や半濁音(※2)の素材ってあまりにも無さすぎですよね。
清音(※3)の子音速度を早くすると濁音や半濁音に聞こえたり聞こえなかったりします。
例:「た」の子音速度を150~200くらい→「だ」
  「は」の子音速度を150~200くらい→「ば」とか「ぱ」っぽい

(※1)濁 音:゛がついてるやつ 「が」とか
(※2)半濁音:゜がついてるやつ 「ぱ」とか
(※3)清 音:゛も゜もないやつ 「お」とか

ガパオ

じっせん

試しに「ち」を作ってみます!
USTに「し」と入力します。

「し2」を選んでますが同じ「し」なので気にしないでください

「し」を選択したら「Ctrl+E」で音符のプロパティを開きます。

子音速度に200と入力します。

OKを押して閉じます。これで「ち」っぽく聞こえるはずです!音素によってぽさに差があると思うので、なんか違うなと思ったら別の音素でも試してみてください。

音と音をくっつける

突然ですが、ローマ字をご存知ですか?大丈夫ですバカにしてないですよ。
それでは子音と母音はご存知でしょうか?逆に覚えがちなので念のため確認しておくと、「か」という音で、ローマ字でいうと「k」の部分が子音、「a」の部分が母音です。

言いかえるとつまり、「k」「a」があれば「か」を作れるわけですね(は行など一部例外もあります)。

じっせん

試しに「か」を作ってみます!
まずはごまかしかた一覧のか行の項目を見ます。

母音と、か行の子音があれば作れるっぽいですね!

今回は子音を「こ」の音からとることにします。

USTに「こ」と「あ」を入力します。
「こ」の長さは30~60くらいに短くしておきます(画像では60です)。「あ」の長さはなんでもいいのでノイズがのらない程度にしときましょう(画像では420です)。

「こ」と「あ」を選択したら「U」キーを押して、母音結合の画面を出します。

「OK」をクリックするかEnterキーを押して閉じます。これで母音結合できました!

画面上部の「ツール」→「組み込みツール」→「母音結合」からでも母音結合の画面を出せますが、便利なのでショートカットを使うクセをつけときましょう!

母音結合したらエンベロープに「!」が出ちゃったので正規化します。

このままだと「か」ではなく「こあー」と聞こえるので、色々します。

しました。

はっきり「か」と聞こえる訳じゃないけど、これは「か」だよって言われたら「か」に聞こえるかなくらいのジェネリック「か」ができました。

ほぼ勘でやっているので説明がむずかしいですが、「こ」の「お」の部分を削り、良い感じに「こ」の音量を下げながら「あ」の音量が上がるようにしてます。

「こ」のエンベロープ
灰色の縦棒の左側が子音、右側が母音です
「お」はいらないので右側の部分を削っています
「あ」のエンベロープ

さらに「こ」や「あ」の音素を一番「か」っぽくなるものに入れ替えました。
あとは「こ」の先頭らへんにノイズがのったので音量を79に下げ、ノイズの部分のエンベロープを削りました。

急に参考にならなくて申し訳ないですが、この微調整はUTAUに慣れていけば自然にできるようになる(と思います)ので気にせず進んでください!今は母音だけ削れればOKです!

作った音は再生して、「再生」→「今聞いたのを保存」から音素のフォルダに保存しておきましょう。原音設定すれば音素として使えます!

ごまかしかた一覧

あ行

音を作るときに使いまくるので音質の良いものを何個か確保しよう!単体で発音している素材がなければ、その辺の音から母音だけ抜き出そう。
例:「あ」がないので「か」から「a」の部分だけ抜き出して原音設定する。

あ行がない場合はどうしようもない……し母音がそろってない音源で人力やることはあんまりないと思うので記事では扱いません(というか私も知りません)。

か行

「k」+「a」=「か」のように、「k」に母音を足す。
(※厳密には「k」+「i」は「き」ではないらしいんですがほぼ「き」に聞こえるので気にしないで大丈夫です)

「き」の代わりに「ぴ」を使うのもアリ。

さ行

「s」+「a」=「さ」のように、「s」に母音を足す。
⚠「し」だけ子音が「s」ではないため注意!

本来さ行は「さ」「すぃ」「す」「せ」「そ」の五音。「し」は「しゃ行」に含まれる。
「s」+「i」=「すぃ」となってしまうので気をつけよう。

た行

「t」+「a」=「た」のように、「t」に母音を足す。
⚠「ち」、「つ」は子音が「t」ではないため注意!

本来た行は「た」「てぃ」「とぅ」「て」「と」の五音。「ち」は「ちゃ行」、「つ」は「つぁ行」に含まれる。
「t」+「i」=「てぃ」、「t」+「u」=「とぅ」となってしまうので気をつけよう。

または、さ行の子音速度を150~200にするとた行に聞こえるかも。

な行

「n」+「a」=「な」のように、「n」に母音を足す。
(※厳密には「n」+「i」は「に」ではないらしいんですがほぼ「に」に聞こえるので気にしないで大丈夫です)

ざ行・た行・だ行・な行・ら行の前の「ん」もな行の子音として使えます。
例:あぜんうてん

「ぬ」の代わりに「む」を使うのもアリ。

は行

「h」+「a」=「は」のように、「h」に母音を足す。
⚠「ひ」、「ふ」は子音が「h」ではないため注意!

本来は行は「は」「へぃ」「ほぅ」「へ」「ほ」の五音。「ひ」は「ひゃ行」、「ふ」は「ふぁ行」に含まれる。
「h」+「i」=「へぃ」、「h」+「u」=「ほぅ」となってしまうので気をつけようだホゥ。

ま行

「m」+「a」=「ま」のように、「m」に母音を足す。
ぱ行・ば行・ま行の前の「ん」もま行の子音として使えます。
例:じゅびおっけー

「む」の代わりに「ぬ」を使うのもアリ。

や行

「y」+「a」=「や」のように、「y」に母音を足す。
または
「い」+「あ」=「や」
「い」+「う」=「ゆ」
「い」+「お」=「よ」
で作れる。

ら行

「r」+「a」=「ら」のように、「r」に母音を足す。
⚠「り」は子音が「r」ではないため注意!

本来ら行は「ら」「る」「れ」「ろ」の四音。「り」は「りゃ行」に含まれる。
「r」+「i」では「り」を作れないので気をつけよう。

ら行の代わりにだ行を使うのもアリ。

「w」+「a」=「わ」ですが、「w」が「わ」にしか含まれていないので「わ」を作るために「わ」の音が必要というジレンマが……。

実は「ん」には何種類かあり、使い分けられると自然な発音に繋がったり繋がらなかったりするので紹介します。
が、一種類の音として扱って全然大丈夫です。ていうか使い分けてる人見たことない。

◇ざ行・た行・だ行・な行・ら行の前の「ん」
例:あぜんうてん
な行の子音としても使えます(「じ」「ち」「に」の前にくる「ん」は厳密には「n」ではないらしいんですがほぼ「n」に聞こ(ry

◇ぱ行・ば行・ま行の前の「ん」
例:じゅびおっけー
ま行の子音としても使えます。

◇語尾の「ん」
例:あんぜんうんて

◇か行・が行の前の「ん」
例:ほか

◇あ行・さ行・は行・や行・わ行の前の「ん」
例:あんぜうんてん

が行

か行の子音速度を150~200くらいにする。

ざ行

さ行の子音速度を150~200くらいにする。

じ、ずの代わりにぢ、づを使うのもアリ。

だ行

た行の子音速度を150~200くらいにする。

だ行の代わりにら行を使うのもアリ。

ぢ、づの代わりにじ、ずを使うのもアリ。

ば行

は行の子音速度を150~200くらいにする。

ば行の代わりにあ行を使うのもアリ。

ぱ行

は行の子音速度を150~200くらいにする。

ぱ行の代わりにあ行を使うのもややアリ。

「ぴ」の代わりに「き」を使うのもアリ。

きゃ行

「き」+「あ」=「きゃ」
「き」+「う」=「きゅ」
「き」+「お」=「きょ」

しゃ行

「し」+「あ」=「しゃ」
「し」+「う」=「しゅ」
「し」+「お」=「しょ」

ちゃ行

「ち」+「あ」=「ちゃ」
「ち」+「う」=「ちゅ」
「ち」+「お」=「ちょ」

にゃ行

「に」+「あ」=「にゃ」
「に」+「う」=「にゅ」
「に」+「お」=「にょ」

ひゃ行

「ひ」+「あ」=「ひゃ」
「ひ」+「う」=「ひゅ」
「ひ」+「お」=「ひょ」

みゃ行

「み」+「あ」=「みゃ」
「み」+「う」=「みゃ」
「み」+「お」=「みょ」

りゃ行

「り」+「あ」=「りゃ」
「り」+「う」=「りゅ」
「り」+「お」=「りょ」

ぎゃ行

「ぎ」+「あ」=「ぎゃ」
「ぎ」+「う」=「ぎゅ」
「ぎ」+「お」=「ぎょ」

または、きゃ行の子音速度を150~200くらいにする。

じゃ行

「じ」+「あ」=「じゃ」
「じ」+「う」=「じゅ」
「じ」+「お」=「じょ」

じゃ、じゅの代わりにぢゃ、ぢゅを使うのもアリ。

または、しゃ行の子音速度を150~200くらいにする。

ぢゃ行

「ぢ」+「あ」=「ぢゃ」
「ぢ」+「う」=「ぢゅ」
「ぢ」+「お」=「ぢょ」

ぢゃ、ぢゅの代わりにじゃ、じゅを使うのもアリ。

または、ちゃ行の子音速度を150~200くらいにする。

びゃ行

「び」+「あ」=「びゃ」
「び」+「う」=「びゅ」
「び」+「お」=「びょ」

びゃ、びゅ、びょの代わりにぴゃ、ぴゅ、ぴょを使うのもアリ。

または、ひゃ行の子音速度を150~200くらいにする。

ぴゃ行

「ぴ」+「あ」=「ぴゃ」
「ぴ」+「う」=「ぴゅ」
「ぴ」+「お」=「ぴょ」

ぴゃ、ぴゅ、ぴょの代わりにびゃ、びゅ、びょを使うのもアリ。

または、ひゃ行の子音速度を150~200くらいにする。

記事終。今回は番外編なので次回があるか未定ですが、記事本編の次回は5両目になります。詳しい調声方法・調声の練習方法を解説する予定です。

ここがよく分からなかった!他にもこんなことが知りたい!などありましたらぜひマシュマロにお寄せください!
有識者は逆に知見を送りつけよう!!