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老害

2024年8月からパートナーと一緒に住むことが決まった。
ずっと遠距離で、その環境にすっかり慣れていたけどお互いの環境を少し変えることで、一緒に住むスケジュールを決めることが出来た。

2人の関係が前向きに動き出していることに、嬉しい気持ちだったが、実際に家を探しだしてから現実にぶち当たった。

まずはネットで適当に感じの良さそうな不動産屋にパートナーと向かった。40代後半と思われる落ち着いた女性の方が対応してくれた。
物件を探しているエリアの事や、条件などを話してくれた後に「お二人で入居予定ですか?」と尋ねられた。
特に同居の事などは伝えていなかったが、雰囲気的にも友人には見えなかったのだろう。
「そうです」と答えた。
先程の対応と様子を変える事なく淡々と説明してくれた。
「このエリアの物件は比較的年配のオーナーさんが多くて、そういうセクシャリティや外国人の方(パートナーは外国人)に閉鎖的な方が少なくないですねぇ…」

同居という事を隠して入居するという事もなくもないが、おいおいそれがバレた時にかえって面倒だし、身分を隠すというのも気持ちが良くなかった。

同居が始められるという前向きな気持ちはこんな感じでへし折られた。

とはいえ、諦めるわけにもいかないので、ネットで色々調べた結果LGBTQ専門の不動産屋を見つけることができた。

そこからはようやく仕切り直し。
と思いきや、紹介してくれた物件だけでなく、こちらから気になった物件も紹介してくれるのだが、それを実際に紹介できたのは、ほんの一握りだった。
それは私たちがゲイだから…

お金は払う。
住居ルールも守る。

でもゲイであれば断られる。
なぜ?
は?

前向きな気持ちになれば裏切られる。
ならば最初から冷めた気持ちでいればいい。
という感情はゲイであれば少なからず思ったことがあるはず。

そんな感情に引き戻されそうになった。
こんな思いは、これ以上誰も感じてはいけない。

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