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ちびちび 2025.1.10
以前より気になっていたもつ焼き屋の暖簾をくぐる。
上司と同僚がつけ麺を食べたいと曰うから、それに付き合い、解散後、アルコールの足りない夜を歩いていると、そのもつ焼き屋を再発見した。
通りに張り出したテントのような囲いをくぐると、石油ストーブの置いてあって、中はぬくぬくと暖かい。
串と熱燗を頼み、独り晩酌を決め込もうとしたところ、可愛い店員さんに声をかけられる。
「日本酒お好きなんですか」
「そうですね。この時期は、どうしても熱燗に手が出てしまいます」
「日本酒飲めるようになりたいんですけど、少し苦手で」
「匂いですかね」
「そうそう!うっ、ってなってしまって……。まだわたしって子供なんですね」
「気持ちは分かります。でも慣れますよ」
「でもビールみたいにゴクゴク飲みたいんです。熱燗はちびちびじゃないですか」
「慣れたら熱燗もゴクゴク飲めます」
「嘘だあ」
熱燗をゴクゴク飲む人が我が家には居るんです、とは言わなかった。しかし。
ゴクゴクとちびちび。
オノマトペって、やっぱり偉大だ。
また来たくなってしまった。