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【おまけ】思い立って資格を取るまでのお話

ちょっと時間が経ってからの、筆記試験振り返り

 実技試験も終わって、ぽっかり穴があいちゃったな~、という気分の今日は、2022年の七夕。子どもたちは松ぼっくり拾いからセミの抜け殻取りに夢中になっています。今年は速報の段階だと梅雨明けがかなり早い分、セミも出てくるのが早い気がする。体感的にわかっているのかな?
 
 この項目、どこかで自分なりにまとめておきたいなと思ったのですが、どこに差し込もうか悩み、でもまとめておきたいなと、一通りの試験が終わって今さら感満載ですが、おまけとして突っ込んでおくことにしました。
 長くなりますが、筆記試験前から各科目について感じたイメージと、試験当日の思い出を中心に、後日答えあわせをしてみたときのこと、などを語りたいと思います! 科目の登場の順は、試験のときに受けた順です。

保育の心理学

 私、序盤の問題を連続で間違えてます(笑)。「保育の心理学」は試験全体を通じていちばん最初、ガッチガチに緊張している中での科目。そこで「え~っ、わかんないよ! どれだよ!」って焦っていたのかもしれません。ピアジェ、エリクソン、ボウルビィ、ブロンフェンブレンナー、ギブソンとウォークあたりが、人名とその功績を結びつけておいたほうがいい最重要人物だと感じました。テキストではさらっとしか触れなかった項目について深堀りしているような問題もあって、「えっ、これどういうことだっけ?」と、とまどいもしました。
 問題の出題の仕方が、先述のようにある項目について深掘りしたようなものや、「○○理論」などの日常版(「日常の生活の中だと、こういうことってあるでしょ? それは○○理論で言っていることだよ」というところ)で出てくる場合もあるので、テキストのままの例題で覚えておくと、少ししんどいかなという印象です。「あ、こういうこと?」と各理論を日常と結びつけていくと、またちがったのかなとも思います(もちろん、無理のない範囲で)。
 もしお子さんがいらっしゃる方なら、ご自身のお子さんの姿と照らし合わせながら勉強を進めていくと、知識として定着しやすいかなと思います。
 
 余談ですが、この科目は大学時代に履修していたんですよね・・・。なのに、登場する理論や人物名、ほとんどまったく覚えていませんでした。人名やその人のあげた功績、唱えた理論などを覚えたり結びつけたりするのが苦手なのを補完するため、学生時代の教育心理学のテキストを引っ張り出して読んでみたら、文体はもちろん異なれど、「保育の心理学」とほぼまったく同じ内容で出てきたので・・・。もう、学生時代の私! もっとしっかり勉強しておいてよ! あんなに授業中に「そういうこと!」ってうなずいていたのは何だったの!

保育原理

 「原理」というぐらいだから、保育の基本の基本。といえば? 「保育所保育指針」からの出題がやはり多いです。これは過去問題でもそうだし、テキストでも保育所保育指針の引用がかなり見られました。一言一句全部を覚えたらもちろん楽なのでしょうけど、そこまでするのは恐らく大変なので(そこまでする必要があるのなら、たぶん「保育所保育指針」で1科目になっていると思う)、テキストに出てくる箇所は特に重要な箇所、よって必ず覚える、という意気込みでした。結果、最終的に完全に覚えている自信はないのですが、意気込みは間違っていなかったように思います。
 実際問題としては、条文のところどころをぬいて、「ここに当てはまる言葉を選べ」式の出題もあるんですが、これまたマークシートあるあるで、「それっぽいよく似たややこしい言葉」を正解以外に入れてきて、最終的に選択肢が2つに絞れたと思ったら、この「ややこしい言葉」が○か×かで運命が分かれるようになっていたり。これは保育原理に限らずどの科目でも見られました。本当によくできたモンです。

子ども家庭福祉

 子どもに関する条例や法律、子どもを取り巻く保育園以外の施設とそこにどんな職員が配置されるか、どんな人が利用できる施設なのかなど、「子どもを軸にしたとき、子どもを守り育てるための場所はこんな広がりがあるんだよ」というイメージの科目。制度はもちろん、体罰、子どもの貧困、虐待など、子どもが関係する社会問題についても、割とよく見られました。
 「社会的養護」と重なる部分も多いです。区別としては、「社会的養護」よりもより深く突き詰めている感じでしょうか。子どもに関する法律の制定年、制定順あたりは、覚えてほいたほうがいいと思います。児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)と、この条約が制定されるまでの流れ。児童福祉法あたりは、注意が必要です。 
 社会問題の部分は何となくの感覚でもいけたけど、私、制度などを覚えるのがとにかく苦手で。でも、子どもに関すること! と、この科目はまだ気力のほうが勝っていました。ええ、どうにか「気合で」もたせていました。
 追記、気合で取り組んだからか、筆記試験の得点は合格ギリギリの60点。最初の「保育の心理学」のショックもあって、この次の「社会福祉」と共に、合格している自信がありませんでした。

社会福祉

 気合で何とかなっていた「子ども家庭福祉」の次が、「子ども」だけに限らず、さらに広い範囲での福祉についての知識が必要になってくるこの科目。何度、「福祉なんてキライだ~!!」と叫びそうになったことか(いや、実際専門職の友人に叫びまくりました)。だから、自分の感覚として「子ども家庭福祉」のほうが感覚がよかったです。結果が届いて、社会福祉のほうが高得点だったのにはビックリしました(そのぐらい、訳わからん! 苦手じゃ! だったんです)。
 この科目も、「子どもを取り巻く環境を知る」ことを目的として設定されているんだな、とわかってからは、難しいのだけど「いつ、自分がこの制度などにお世話になるかもしれないから」とがんばって友達になろうと取り組みました。イメージでいくと、子どもを中心軸にして、割と近いところに「子ども家庭福祉」、「子ども家庭福祉」と少し重なりはするけれど中心からちょっと離れたところに「社会的養護」、これらをぐるっと取り巻いて包含している「社会福祉」。
 自分の頭の中では、軸ではなくて、水が一滴落ちて、その周りに広がっていく波紋、というイメージを描いていました。
 これ、今やってみても、たぶん合格点取れません、たぶん。仲良くなろうとしたけれど、そのぐらい、苦手意識が高い科目です。 
 制度を知る以外には、相談援助の流れについても登場します。その手法にも触れられているので、たとえ試験に合格しなかったとしても、日ごろの仕事に活かせるなと思って取り組みました。これについても、フリースクール同士の講習で、出てきたんですよね・・・。学生時代とちがって、そのときに「こういうのがある」というのをきいて頭にぼんやりとあった程度のことを、もう少ししっかり理解できたという感じです。
 せめてここは、何度も復習をして、しっかり忘れないようにしたい!

 「社会福祉」では、介護制度についても出てきます。ここは、たまたま祖父(故人)のときに、両親が
「今度おじいちゃんの介護認定の更新が・・・」
と言っていたので、どのぐらいの月数かまではわからなかったけれど介護認定に有効期限があるのは知っていたり、ちょこちょこと、「あ、ここわかる・・・」がありました。
 ただ、この狭い、ピンポイントの部分が試験に出るかというと、出ない可能性もあるわけで、比較的わかるからといって介護制度についてばかり勉強するわけにもいかないのが、また大変なところ。
 こんなに制度があるんだ! こんなに○○センターとかあるんだ! なのに、知っているのはどれだけだろう・・・? と思わされました。 
 以前から感じていた、「諸々のサービスを受ける側は『そんな制度などは知らなかった』と言うし、提供している側は『こんなサービスがあるのに、なんで知らないの?』と感じる」といった、お互いのズレ。このズレを少しでも小さくするには、提供する側の工夫ももちろん必要だけど、私たち一個人が「いつ、その当事者になるか」を思いながら、自分からサービスに近づいていく(知っておく)必要があると感じています。
 と、えらそうに言うけれど、日常バタバタしすぎて、そこまで気が回りませんよね(汗)

1日目全体

 今さらながら。試験に登場する科目の順が、何ともいい順番なんだなって。
 「保育の心理学」で年代ごとの心身面の発達。「保育の原理」で保育とは、「保育所保育指針」とは、など、発達を知った上でできる子どもへの支援など「個を取り囲むすぐ周り」のこと。「子ども家庭福祉」で子どもに関する周囲のこと。「社会福祉」でさらに範囲を広く福祉の大枠のこと。
 ブロンフェンブレンナーの生態学的システムのように、「子ども」を中心軸として、真ん中から外へ外へと波及していく感じが思い浮かびました。
 1日目の中で広がりを感じられる流れになっていたんだ。

教育原理

 人物名と功績などについては「保育原理」とかぶる部分が多く、まとめて勉強するのもありなんですが、私、とにかく「単に暗記するだけ」、特に「カタカナ」の暗記が苦手。試験が終わっての開放感も相まって、今でも人名と功績が結びついているか、自信ありません。
 科目のイメージとしては、保育とは養護と教育が一体となって行われるものだけど、この教育について、もう少し詳しく突き詰めようね、という感じでしょうか。
 「教育原理」は2日目の最初。他の科目の半分しかないので、4つしか落とせない分、緊張感が高かったのか、なんと! ○としなければいけないところを×、×にしなければいけないところを○にするという(しかもその選択肢があったという)初歩的なミス! しかもかなり自信をもって答えたはずの問題。この問題をまちがえてギリギリ30点(50点満点)だったので、合格していたからよかったものの、もし、この問題のせいで不合格だったら・・・。めっちゃ悔やんだだろうな・・・。

社会的養護

 「子ども家庭福祉」と重なる部分も多いけれど、「子ども家庭福祉」よりは少し曖昧なところをとらえているかな? というイメージです。「子どもを社会的に養護するとは、つまりこういうことだよ」というのを、大枠で、ふんわりと説いている感じだと、私は受けました。
 「子ども家庭福祉」にはなくて「社会的養護」で問われているものに、「里親」や「養子縁組」についてがあると思います。昨今は施設養護なども「大規模から小規模へ」と、「できるだけ家庭的な雰囲気の中で」と求められるようになってきているようなので、今後も問われていく部分かなと感じます。
 不思議なのは・・・。この科目で、45点も取れたこと。10問の出題なので満点は50点。にも関わらず、重なっている部分が多いなと感じた「子ども家庭福祉」は、合格ギリギリの60点(こちらは20問出題)。おもしろいモンですねぇ・・・。
 だけに、「教育原理」で本当にあの1問のために不合格になっていたら・・・。本当にヒヤヒヤものです。試験本番では何が起こるかわからないので、お気をつけください・・・。

子どもの保健 子どもの食と栄養

 2科目とも、現役で子育て中というのもあって、元々得意な科目でした。えっ、それ常識だけど? ど思ったけれど、「子育てを経験していない立場」だったら、きっと難しかったはず。考えてみたら私も、生後2ヶ月から予防接種ラッシュだと知ったのは、産後の1ヶ月健診のときだもんな。感染症関係は、自分も幼少のころにかかったことがあるので、症状などはそのときの記憶を一生懸命引っ張り出しました。
 「子どもの食と栄養」で使われる資料は、何年かに1回更新されるものなので、つまり何年間かはほぼ同じ資料からの出題。その意味では、繰り返し練習するうちに覚えてしまうものもありました。赤・緑・黄色で食物を分類したときに、 
「○○は赤の食べ物」
「おっ、よく知ってるね! 赤って、どんな食べ物だっけ?」
「血とか肉になるんだよ」
と、保育園で聞いてきたらしい上の子と話したりも。
 過去問題の段階からちらちら出ていたのですが、和食について問う問題もありました。和食って2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されていますもんね。郷土料理と合わせて、ちらっと覚えておくといいかもしれません(ここは親が転勤族、親戚も皆遠方、そして旅行好きというのが功を奏しました)。

保育実習理論

 これも、「音楽の知識」が割とあったので、えっ、これって割と常識問題では・・・、と思ってましたが、単に「自分の中で空想の鍵盤で押さえられるまでに落としこめているレベル」だったんだと、あとで気がつきました。 ピアノが弾けなくても、コードの構成を知ってるって、なかなか強い。マイナー、セブンスぐらいまで覚えておいたら、あとは選択肢との照らし合わせでどうにかなる・・・、と思います(今でもaug、M7など、覚えていないコードはたくさんあります)。
 他、「保育の活動の中で」取り入れられている物などは、「あっ、見たことあるある」と、頭に思い浮かべてみたり。子どもの連絡ノートにもあったな、と思い出してみたり。
 音楽の問題と造形関係で、音楽の用語、色相環、色・光の三原色など、学校で習う知識を問われる部分があります。まあ、私もかなりの部分で忘れていました。横文字・カタカナに弱いので、強弱や演奏の仕方についての記号は、リストをつくって直前まで詰め込みましたが、「保育の原理」で紹介したような「ギリギリまでどちらか迷わせるような選択肢」の設定が、過去問題を解いてみた感じではちょっと緩い気がします。なので、わからないところを飛ばしても正しい選択肢を導き出せることも、まあまあありました。

2日目全体

 「得意科目」で言ったら2日目に集中していたのと、前日の経験があったので、「早めに終われたら、早めに退室して次に備えよう」と思えました。同じ令和4年度前期試験でも、2日にまたがる分、前日のことも「体験」のひとつになるわけです。退室可能なのは試験開始30分後からなので「教育原理」と「社会的養護」では途中退室はできませんが、早めに退出することで設定されている時間割よりも少し長くあいだの時間が取れ、事前の詰め込みが長めにできました。科目ごとの間は30分設定されていますが、実際は事前説明などもあって30分きっちり休憩や直前学習に充てることができなくなっています。なので、早く終われたなら、意地でも終了まで待機するのではなく、退室して少しでも長く次の時間のために時間を取るほうが懸命かと思います。問題自体もかなりじっくりでなければ、1時間もかからないで解き終えることができるぐらいだと思います。 

最終的に

 繰り返しになりますが、義務教育期間中の知識が必要になるのは、ごく一部だけ。あとは「教育原理」や「保育の心理学」、「社会的養護」や「子ども家庭福祉」に「社会福祉」など、その道に進まん限りはわからないだろうという問題がほとんどだなと感じていました。 
 福祉関係の科目は本当に苦手で、なので今もう一度同じ試験、あるいはこれからの試験を受けてみても合格できない自信があるぐらい。この先制度も変わるだろうし、せっかく得た知識を錆び付かせないためにも継続して復習を続けていく「つもり」ですが、何度やっても「苦手」という意識が変わらないのであれば、「苦手は苦手」で放置するのではなく、そこは「1問でも、1分でも、1秒でも」の精神で、苦手だけど取り組むことを忘れずにいきたいと考えています。
 
 日常を送っている中で、本当にどの場面で「福祉」の力を知ることになるか、わかりませんし。ならば、たくさんのつながりがあると理解しているほうが、より強い自分にとっての「精神的な強み」になるような気がしています。

 一応、保育士試験を受験する際には諸々条件がありますが、たとえば「○○系の大学を卒業していなければいけない」という条件はなく、条件によっては大学等に在学中でも受験できるし、高卒(または文部科学大臣においてこれと同等以上の資格を有する)でも、児童福祉施設等の勤務条件を越えていれば、受験が可能です。
 完全に誰でも、とは言わないけれど、医師や美容師、管理栄養士などのように受験資格を得るために養成機関に通う必要はなく、年齢制限もないので、その意味では保育士は、比較的受けやすい資格なのではないかなと思います。

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