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思い立って資格を取るまでのお話(29)
10月後半にバタバタと予定が入っていたため、投稿間隔が少々開きました。投稿はいよいよ、2022年7月3日、実技試験本番!
いざ、本番!
試験前
本当は4時ごろに一度目が覚めた。トイレに行って、もう一眠りしようか、でも寝過ごしそうなタイミングだなと思っているうちに、ウトウトはしたらしい。次に時計を見たときは、6時だった。できなくてもあきらめはつくのだけど、起きて「言語」の原稿づくりができた。
まだ子どもたちは寝ている時間帯。先にできる支度をしておいて、朝食は最悪食べずに行こう。と思っていたら、原稿をプリントする段階で下の子が起きてきた。しっかり原稿チェックを「手伝って」くれた。
朝ごはんは、余裕がない場合はこれだけでも、と、おにぎり。いつもはパン食だけど、休みで余裕のある朝は、旦那がご飯、味噌汁、納豆と用意するのが、我が家。納豆大好きなので食べ損ねたのはイタイけど、こういうとき、米食はお腹もちの意味で助かる。
出発時刻。外に出ると、雨。今年の梅雨は速報時点では異様に短くて、まだ暑さや湿度に慣れていないうちから、場所によっては摂氏40度の猛暑。そんな中でもしっかり雨。
「ロコさんと出かけるってことは、雨が降るってことだから、傘を持っていかないと」
と必ず言われたほどの雨女の私には、おあつらえ向きの天気、と言えるのかもしれない。
そういえば、筆記試験のときもどんより重たい灰色の空と、雨天だったっけ。
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電車に乗って途中駅で乗り換えると、今回の課題曲の楽譜がカバンからのぞいている人。ギターケースらしきものを持っている人・・・。ああ、きっとこの人たちも同じところへ行く人たちだよね?
いざ試験!・1
会場に到着。指定された教室に向かい、すぐに色鉛筆などの道具を机の上にセッティングした。筆記試験のときよりはギリギリめの到着だったからか、もう教室にはかなりの人。筆記試験とはちがって、テーブルに貼られた受験番号は飛び飛びになっている。
机には諸注意の紙が置かれていて、その中には今回の受験者全員のタイムスケジュールもあった(さすがに受験番号で記されていた)。試験開始前のガイダンスはどの科目を受ける人でも共通。でも、たとえば「言語」と「造形」が同時刻スタートの場合、どうするんだろう? と思っていたが、なるほど、「音楽」「言語」は流動的になっている。「造形」がある人はいちばん早いスタート。それが終わり次第、「音楽」あるいは「言語」が組まれている。
が。私は「造形」が終わると、次の「言語」は午後。筆記試験のときは勉強していることが時間つぶしになったが、今回はそれほど時間をつぶせるものがない。ので、こうしてnoteを、持参した「受験の手引き」のメモ欄に書いていた。メモ欄いっぱいに書ききってからは、本当に困った。
前後してしまったが、「造形」の試験開始時間が迫ってきた。問題用紙と解答用紙が配られた。問題は、始めの合図がないと見れなくなっている。これじゃ、「当日発表」じゃなくて「直前に」発表じゃないか。それだけ、「どれだけ『そのシーンを素早く』イメージできるか」が要求されるということなのだろう。
試験中は時計を見る余裕などなく、あっという間に終了5分前のアナウンスがかかる。やばい! 間に合わない! いや、練習でもここから何とかなったじゃないか! と、ひたすら焦る。腕、手首、ふくらはぎがプルプルと震えていることに気がついた。
私、やっぱり緊張している!!
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終了の合図。
一応、全部は塗れた。でも、背景の塗りこみが雑なままだと思う。よしっ、できた! の手ごたえが、わからない。
ああ、どっちだ!?
終了後、今試験を受けていた会場は、そのまま休憩室になった。
「どうでした~? もう、訳わかんなくて。あの状況であれを使うって、どういうこと? って」
どこかから聞こえてくる、こんな声。2、3列ぐらい向こうの、始まる前には「結局全然練習してなくて、ぶっつけ本番ですわ~、アハハ」と笑っていた人だ。
確かに、あの場所であれが広げられているシーンは、想像しにくいのかなとも思う。下記はあくまで「その状況でそれ?」という例題だけど、
・泥んこ遊び
・室内で大きくシートを広げて、おだんごをつくったり、泥の感触を体をめいっぱい使って感じている子もいる。
・保育者も一緒に楽しんでいる。
・準備の様子もわかるように。
という設問だったら、
・室内で泥んこ遊びということは、外でできない理由が何かあるのかも(雨天だったとか)
・シートが広げられているなら、「床」と「シート」と区別できるように描く(塗る)必要があるな。
・「体をめいっぱい使って感じられるほど」だから、大きな何かも設置されていて、その中に泥があるのかもしれない。
・おだんごづくりをしている子と、体をめいっぱい使って遊んでいる子が必要ということか。
・「準備の様子もわかるように」だから、その「大きな何か」も具体的に描く必要があるな。
・保育者の服装も、きれいなままより泥がはねていたり、笑っているほうが、一緒になって楽しんでいる感があるかな。
という状況が想像でき、じゃあ窓の外は雨にする必要があるなとか、床に該当する部分全体に板目を描く必要はないなとか、一見「ありえない」と思えるけれど、どういう状況なのかを整理すれば、何となくどんな感じなのかが想像できる(気がする)。
「その状況でそれ?」と思うようなことでも、ああ、こういう感じなのかな? と、すぐにほんわかと状況を思い浮かべることは、できた。これは日々子どもが利用している保育園の先生との連絡帳でのやりとりが、役に立った。
アハハ、と笑っている人を見て、「余裕だな~、でも本当にぶっつけ本番だったら、油断しすぎだな~」と思っている私がいた。いやいや、私だって人のことを言えた立場じゃない。
中休み
「造形」が思ったよりもできなかったので、少々(いや、たぶんかなり)ショックを受けて、ここからしばらくが退屈だった。待つ時間も含めて試験なのだろうが、なぜ、いつもならカバンに入れて歩いているルーズリーフを持ってこなかったんだろうと後悔した。
ただ私はまだマシなほうで、全員のタイムスケジュールを見ると、「造形」と「言語」のコンボの人の中には、「造形」が終わってからさらに待たされる人もいるようだった。
受験生のタイムスケジュールを見ていて気づく。受験者番号がかなり飛び飛びだ。私は、「言語」の部屋へ移動するまではずっと同じ部屋に居続けた。移動のときにたまたま知ったのだが、私の前の机は、番号の末尾が「××9」(私は××6)。この間の6人は? と思ってタイムスケジュールを見ると、6人のうち2人は「造形」を選んでいないから、この部屋に机を用意する必要がない、つまり番号がない(「音楽」と「言語」のコンボで、午前中のみで試験が終わったようだった。ちくしょうっ、早々と終わってうらやましいぜっ!)。
じゃあ、あとの人は・・・? 実技試験は筆記試験にすべて合格していないと受けられないから、つまりはそういうことだ(後から気づいたが、科目免除があった場合も考えられる)。
いざ試験!・2
来る途中に買ったサンドイッチと、小腹を満たす用のクリームサンドクッキーを少し食べて、忘れないうちにとnoteも書き留めておいて、そうこうしているうちに、「言語」の開始時刻が迫ってきた。「言語」と「音楽」は、それぞれ事前待機用の部屋で呼ばれるまで待ち、案内係に呼ばれたら試験会場前へ移動、再び係の案内に従って試験会場に入って、という流れになる。
たぶん、で言うと、こちらのほうがうまくいったような気がする。子どもが目の前にいる想定で素話で、とのことだから、私は立ってではなく、座って子どもたちと目を合わせながら語りかけるつもりで、軽く身振り手振りを入れるぐらいにとどめた。できるだけ淡々と、でもここはメリハリをつけたい! と思うところは、メリハリを。
私はここを、感情をこめたり大げさにやって「演じる」つもりでいたけど、直前で、そういえばと思い出した。
絵本の読み聞かせボランティアをしていると言っていた友人によると、絵本を読むときは、変に感情をこめるのではなく、比較的淡々と読むのが、友人が講習を受けた読み聞かせボランティアの方針らしかった。もちろん理由があって、感情をこめてしまうと、それはあくまで「読み手の主観」。読み聞かせてもらった側が、どんな感じなんだろうと想像を膨らませやすいよう、下手に感情はこめないほうがいい、と。
大げさに演じることを考えていたときは、立って身振りも激しくしていたけれど、そこまで大げさにする必要がないのであれば、座って、子どもたちの顔を端から端までひとりひとりじっくり見ることを意識しよう。
幸いにも私が選んだ物語は、(あくまで私が思うに)話しながら顔の向きを左から右へとリズミカルに動かしやすいものだった。話し始めるまではがちがちに緊張はしたけど、いざ始まってしまったら、真正面にいる試験官のほうをあまり意識することなく進められ、時間ほぼぴったりに終わることができた。
試験終了!
「言語」が終わったら、試験は終わり。終了した者から順次帰って構わない、とのこと。
あ~、終わった! というよりも、「えっ、終わっていいのよね?」という、何とも淡白な不思議な感じだった。
ひとまず、終わった。
結果は、1ヵ月後。さて、どうなっているか。
筆記試験のときは、たぶん落ちているだろうな、落ちていたら悔しいけど、でも今(試験終了)の時点で諦めがついているので、もう一度受験するか、と思うことができた。
今回はどうか。「造形」であまりうまくいかなかったことが、まだ重くのしかかっている。あれで、合格点取れているだろうか。とにかく不安だ。
不安に思っていて全合格していた筆記試験だったでしょ? ネガティブになる必要ないんじゃない? と言われたらそれまでだけど、評価・採点の基準が私にはわからないので、本当に1か月後の結果を待つ以外方法がない。
結果次第にはなるが・・・。8月の第2週。私は笑顔でいるだろうか。それとも・・・?