友達のちょっといい話 1
わたしの中学時代の友人が九州へお嫁に行きました。義父、義母と若夫婦の4人で暮らすことになりました。
最初の日に、義母さんから「台所のことはあなたに任せたからね」と言われた友人は、家族のご飯を毎日作り続けました。
若いお嫁さんが作る料理にお義父さんは興味津々だったようです。今日作ってくれた料理は何という名前なのかい?としょっちゅう聞いてきたのだそうです。
「青椒肉絲です。」というようにはっきりと名前がついている料理のときはいいのですけど、毎日のおかずですから、単なる「肉野菜炒め」みたいなことが多くて、「今日作ったのはキャベツと豚肉の炒め物」です的な答えしかできないことが多くて、困ったなぁと思っていたのだそうです。
ある時、お義父さんと話をしていたとき、毎日日記を書いているという話になって、「ほら、こんな風に毎日書いているんだ」と日記を見せてもらったのだそうです。
そこには「今日の夕ご飯、智恵子が作ってくれた肉じゃががとてもおいしかった。」と書かれていました。
前日の所にも「智恵子が作ってくれたほうれんそうのお浸しがおいしかった。」と書いてあり、どの日付にも必ず食卓に並んだ食べ物のことが書いてあって、作ってくれた彼女への感謝の気持ちが書かれていたのだそうです。
そんなお義父さんの優しさを知って、彼女はこの家にお嫁に来られてヨカッタと、心から思ったのだそうです。