卒業式のような
元彼とは、
1週間半前に話し合って別れることにした。
そして1週間前に最後のデートをした。
「またね」くらいの雰囲気で、
でも二度と会わない「さようなら」として
お互いに「バイバイ」って手を振って、
遠くなる元彼の車を見送って、別れた。
◇ ◇ ◇
付き合うことにした日に、
今度行こう、これからはいつでも一緒に行けるよ、と話してたのに、
1度も行けてなかった場所に
最後のデートは行った。
最後のデートはものすごく楽しかった。
付き合いたてのデートのようで、
でも、付き合ってしばらく経った後のデートでもあって、
今までの「楽しい」を全部詰め込んだみたいだった。
◇ ◇ ◇
これは、
お互いに「これが最後だ」と、
認識してたからこそだと思う。
ずっとお互いに、
このままでいいのか、
このまま付き合い続けられるのか、
そういう考えが頭を掠めてて、
でも、最後のデートは
「これが最後」だから、
これからを何も考えなくてよくて、
ただただ楽しんでよかったし、
最後の日の元彼は、
私に片思いしてくれてた時のように、
2人でいる時が楽しくなるように
とても全力だったのがわかった。
◇ ◇ ◇
遠くなる元彼の車を見ながら、
この気持ちは、
なにかに似てるな、
ああ、まるで、卒業式だなと思った。
昨日までは当然のように明日も会えて、
そんな日々が永遠には続かないけど
永遠に続くような気がしてて、
それも今日が最後なのは分かってるけど、
そんな気は全然しなくて、
なんだか特別っぽい卒業の日を、
特別という高揚感や最後という寂しさや、なんやかんやごちゃごちゃとした妙な気持ちで過ごして
これが最後だと知りながら、
また明日も会えるような気持ちで
「さよなら」って言って別れる。
「最後のデート」という卒業式をして、
彼の車のドアという門を出て、
「今まで楽しかった」という
卒業証書のようなLINEを最後にもらって
ちゃんと卒業したんだ。
卒業式も終わったあと、
あの日々が二度と帰ってこない事に
じわじわと気づき出して、
春休みの夜に泣いてしまってた私は、
今も何も変わってないんだな。
卒業式に歌った歌を思い出す。
今こそ別れめ、
いざ、さらば───
◇ ◇ ◇
って!
潔く行けたらいいんだけどなあ!
1週間経ったという事実が、
もう「鮮度の低い過去」に
なってきてるという事実が、
どうしようもなく襲ってきて、
また、悲しくなってるんだよなあ。゚(゚´▽`゚)゚。笑