初めての上京(電車その後)

2度目の上京をした。

今度は三鷹を目指した。

東京駅からは2通りの方法があるらしい。

私は勇気を出して乗り換えの方法を選んだ。

聞いたことのある駅「秋葉原」乗り換えである。

胸は高鳴るばかりである。

山手線からの乗り換えである。

田舎での乗り換えは、せいぜい跨線橋であるとナメていた。

駅中で迷子になってしまった。

駅中で立体交差していると思っていなかった。

田舎と同じで、線路が平面上で直交していると思い込んでいたのである。

「橙色」の電車に乗るべきだったと泣きそうになった。

駅員さんに尋ねたら、「黄色」の電車でもいいとのことである。

脂汗をかきながら乗った。

時刻表の地図は頭に入っていたので、後は「一直線」と安心していた。

ところが、電車はカーブをしたり、池の側を走っている。ビルも少なくなってくる。

停車中の開いたドアから聞こえるセミも鳴き声が違う!

学校で習った「東京は大きな街」とは随分違っている。

「ここは東京ではない!」

駅員さんに騙されたと思い込んでいた。

新宿に着くまで生きた心地がしなかった。

東京は怖いと思った。

同時に、先生も東京に行ったことがなかったかもしれないと思った。

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