衝撃の横浜(バス)
私の田舎では、バス会社は1社独占である。
暑い夏の日の午後の出来事である。
市役所から中華街を目指した。
停留所で、一日乗車券を利用してバスに乗ろうとしたら、断られた。
理由は説明されなかった。
次のバスを待った。
また断られた。
参った。
もう一台待った。
今度は乗ることができた。
同じ停留所、同じ目的地でも、乗ることができるバスとそうでないバスがある。
バスの車体の色の違うようだ。
横浜は一社独占ではないらしい。
東京の近くであるが、横浜のバスにはローカルシステムが存在する。
中華街から「港の見える丘公園」を目指した。
今度は観光バス「あかいくつ」だ。
突然上り道に入った。
港が見えるのだから丘の上と納得した。
一瞬止まったような気がした。
バスの冷房から離れられなかった。
広場でターンを始めた。
停留所に着いた。
都会のバスは、乗客の行きたい方にバスを着けると感心した。
下車し、バスがついた側へ交差点を曲がった。
少し歩いていた。
ゲーテという文字が見えた。
ハイカラと感心した。
道なりに歩いた。
右手に広い空が見えた。
左側は2軒のレストランである。
横文字の店と漢字の店である。
さらに歩いた。
右手は森である。
電話ボックスも洒落ている。
警備員さんが遠くに見えた。
近寄った。
学校の入り口だった。
さらに進んだ。
喉が渇いている。
汗びっしょりである。
また学校である。
どうも様子がおかしい!
すれ違う人に尋ねた。
「反対に歩いてますよ」
ここで初めて気づいた。
「港の見える丘公園」のある方向を間違えた!
急いでバス停まで戻った。
もう喉が渇いていた。
バス停には自動販売機が幾つもあった。
「商売上手」と感心した。
バスが一瞬止まったように感じたのは、下車を促す停車場だった。
そこで降りていれば、丘の見える丘公園へは楽々いけた。
横浜の観光バスは、旅人には不親切であることがわかった。
「あかいくつ」は観光バスではなく、ローカルバスであることを確信した。