9/198 超空間ナイター プロ野球キング 攻略!
1996年12月10日発売のNintendo64最初の野球ゲーム。レトロゲーム ファンの中では「バカゲー」という評価で通っている作品だがちゃんと楽しく遊べる作品である。ロクヨン史上最高価格の9980円ではあるがハードオフのジャンクコーナー常連の売れっぷりでもある。
革新的、挑戦的な攻めソフト!つまりバカゲー!
同日に発売されたKONAMIの『パーフェクトストライカー』とどうしても比較してしまうが、こちらはなんと言っても遊び心が満載である。「バカゲー=ユーモア」と捉えて良いのではないだろうか。
クリア条件は『ペナントレース&日本シリーズ優勝!』
野球ゲームはGBA『パワプロポケット』しかやったことのない局員村上。ルールも曖昧なので楽しめるか不安だが、とりあえずバカゲーの審議を確かめようじゃないか!
それではプレイボールでやんす!
『プロ野球キング』の誇りである公式ライセンス。選手名は全て実名。ここに燃えたファンも多いだろう。ただし球場名は架空である。
さらに特筆すべきは固有フェイス。選手の顔を可愛くデフォルメしたキャラは愛着が湧き、使ってて楽しい。ここは『パーフェクトストライカー』とは違う高ポイントで、野球ゲーム史上初である。さすが挑戦のイマジニア。
タイトル。ゲームメーカー「元気」とのタッグはクソゲー界隈が燃えるポイントでもある。
こちらもコントローラーパック使用。117ブロック、つまりパックのほぼ全てをこのソフトのみで使い切ってしまう。ちなみに『ワンダープロジェクト J2』は72ブロック。
メインメニューはこんな感じ。対戦用の『オープン戦』や育成練習が行える『育成』など必要最低限のメニューではある。
ちなみに「バカゲー」要素の一つとして有名な『ムーンライトウルブス』。この選手名を見て気づいた人は往年の野球ファンだろう。
とにかく1996年のデータなので色々と古い。時には懐かしい選手もいることだろう。
とりあえず最初は『育成』モードの打撃練習。飛んでくるたまに3Dスティックでカーソルを合わせてタイミングよくバットを振る。シンプルだが面白い。
監督にまで固有フェイスが。これは似ているのだろうか。
守備練習はこちら。まんまパワプロである。Cボタンユニットで塁を選択して送球するのだが、そのシステムはこちらが先。さすが挑戦のイマジニア。
ということでペナントレーススタート!固有フェイスは見ているだけで楽しい。
もちろん、あの頃じいちゃんが愛した阪神タイガースを選択。
ゲーム設定。初期状態では地獄の130試合!と思いきやこれリアルな数なんですね。1年130試合もやるの野球。ピッチャー肩壊すわそりゃ。
ということで躊躇なく5試合に!クリア目標は日本シリーズ優勝。文句は言わせない。というかむしろこの試合数を調整できるところはかなりの高ポイント。『栄光のセントアンドリュース』、『パーフェクトストライカー』も見習って欲しい。さすが挑戦のイマジニア。
試合の画面はこんな感じ。『パワプロ』をイメージしていたのでなんら違和感はない。
バカゲー要素その2。三振すると凍りつく選手。普通に良いグラフィックである。
とにかくピッチングが面白い。球種を選択して投げる、この一連の動作は慣れれば駆け引きが楽しめる。
松井も凍りつく藪のチェンジアップ。
バカゲー要素3、三振したらこちらを見つめる選手。これはどういう感情?
選手の調子もこの通り。
送球グラフィックも悪くない。これくらいの頭身で振り切った方が野球ゲームは映える。
なんと15回裏までやって決着。当時野球中継が長引いて『ONE PIECE』が延期になったときの怒りが蘇る。
成績も見ることができる。
そしてさらに良いのが自分の試合も飛ばすことができる。後にこのシステムに助けられることになる。
2試合目はドラゴンズ。審判にもモーションがついている芸の細かさ。
代打の演出も良し。試合中は鶯嬢や観客の声援、実況や審判の声など様々なボイスが入っておりここは大満足のゲーム演出である。
ドラゴンズってこんなエンブレムだったのか。
バカゲー要素4石化するバッター。これも良い!コミカルさがゲームを飽きさせない。
金本アニキとの戦いも熱い。
そしてお見せしたかったのがこちら。外角高めを打ち抜く桧山!
真芯を捉えると、リプレイ演出が発生する。これはもしや…!
ホームラン!初のホームランである。ナイターなので花火も打ちあがる。嬉しい演出だ。
完封勝ち!残すはあと1試合のところまできた!
と、思ったがここで残念なお知らせが。なんとカセットがフリーズしてしまいデータが吹き飛んでしまった。やむなく初めからやり直し。これもレトロゲームの宿命である。
ということでイチロー贔屓っぷりを見たいがためオリックスを選択!
再試合はめんどくさいので、プレイヤーの試合を飛ばす→負け→リセット・勝ち→セーブという方法に。奇しくも現代でいうリセマラが可能なのだ。
最終試合はバファローズ!熱い展開を見せてくれる!
イチローはまずモーションが違う。あのルーティンワークも。
すまん!イチロー!めちゃくちゃ打ち上げちゃった!!
大阪出身としてはローズの登場も嬉しい。顔グラフィックも面白い。
ということですんなり撃破しリーグ優勝!おめでとうー!
マスコットのグラフィックまで作ってるの凄くない?さすが挑戦のイマジニア。ちょマジニア
こういうところの発表も嬉しい。やはり振り返りは重要である。
というわけで日本シリーズ!!
先頭打者ホームラン!!ノリに乗っているオリックスを誰も止められない。
4回裏。イチローに悪夢が!
バカゲー要素5、デットボールで選手バラバラ。ガラスを割ったような「ガッシャーン」という音がちょっと怖い。イチロー、さすが撮れ高を用意してくれる。
試合終了〜!すんなり勝利し感動のエンディングへ。
珍プレー好プレー的なムービーと共にスタッフロールが。ここまで約2時間。たった5+1試合とはいえなかなか楽しめた。
最後に
いやーライトにさくっと楽しめた。1996年のレトロゲームはバブル期で金額が釣り上がり、その名残を受けている。ファミコンソフトは1万円の価値を生み出すため、とにかく難易度を上げたりやり込めるようにゲームバランスを調整した。しかしこの「5試合設定」は革命ではないだろうか。ライトに楽しむという選択肢を我々に与えてくれたのだ。
『パーフェクトストライカー』と比べてしまうと圧倒的にこっちの勝ち!!世間では「バカゲー」という評価を受けていたが、案外侮れない良作である。え?パワプロ、これを超えてくるの?マジで??