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[要旨]

損益分岐点売上高公式は、新たな融資を受けるときに、返済が可能となる目安の売上高を計算できるので、事業計画などの作成のときに活用できます。


[本文]

前回は、損益分岐点売上高公式(以下、単に「公式」と述べます)を使って、損益分岐点売上高を計算したり、損益分岐点比率や安全余裕率を算出したりする方法について説明しました。今回は、公式の事業計画への活用の仕方について説明します。

前回、例に出したA社が、新製品を製造するために、銀行から融資を受けて。新たに機械を購入することにしました。その融資の年間返済額は、600万円ですが、それを支払うことができるかどうかのおおよその検討を、公式を使って行うことができます。

具体的には、固定費に融資返済額を加えた金額を、限界利益率で除すことで、融資返済が可能な利益を得るために必要となる売上高が分かります。したがって、融資返済可能売上高=(固定費2,000万円+融資返済額600万円)÷限界利益率50%=5,200万円ということになりますので、売上高が5,200万円以上を維持できれば、融資を返済することができるということが分かります。

ただ、実際には、新たな機械を導入することによって、固定費なども増加する可能性があったり、新製品の変動費比率が従来の製品と変わる可能性があったりするので、より細かな計算が必要となりますが、新たな投資をするときに必要となる売上高のおおよその金額が分かります。

銀行へは、新規設備の調達のときには、このような計算過程を示すことで、より説得力の高い説明が可能になります。なお、前述の計算式は、融資返済額のところを、目標利益などに置き換えることもできますので、事業計画を作成するときに、公式を活用していただきたいと思います。

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