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市場シェアから顧客シェアへ

[要旨]

人口減少などによって、経済活動が縮小傾向にある時代は、市場シェアを拡大する戦術よりも、、顧客の支出に占める自社への支出の割合である、顧客シェアを高めるという戦術が適していると考えられます。


[本文]

ポッドキャストの配信を支援している岡田正宏さんが、岡田さん自身の番組で、今年は、岡田さんの番組のリスナー数はあまり増えていないものの、岡田さんの会社の売上は増加したとお話しています。岡田さんの番組のコンテンツはすばらしいのですが、現在は、年を追って、音声コンテンツを配信する人も増えているので、リスナー数を増やすことは、著名人などの例外を除き、とても難しくなっています。

では、ポッドキャストの配信をすることは、業績に貢献しないのかというと、岡田さんの会社の売上が増えたように、必ずしもそうではないようです。これは、直接、確認はしていませんが、岡田さんと接点のある人の、ひとりあたりの売上が増えたと考えられます。ちなみに、私も、今年の10月から、岡田さんの支援を受けて、新しい番組の配信を始めたので、そのうちのひとりです。

話を戻して、売上を増やすために、ポッドキャストのリスナー数を増やそうという考え方は、市場シェアを拡大しようという、オーソドックスな考え方です。一方で、リスナー数を増やさずに売上を増やそうとする考え方は、顧客シェアを拡大しようとする考え方です。顧客シェアとは、顧客の支出に占める、自社への支出の割合のことです。

岡田さんのポッドキャスト番組のリスナーを、潜在的顧客と考えれば、リスナー数が増えていないのに、売上が増えたということは、この、顧客シェアが上昇したと考えることができます。これは、一般の会社で言えば、客単価を高めたり、購入頻度を高めたりするといった手法です。経済活動が拡大している時代は、市場シェアを拡大しようという考え方が適していると思いますが、現在の日本のように、人口減少時代は、顧客シェアを拡大するという戦術が、適するようになっていくと、私は考えています。

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