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リースはオンバランス?オフバランス?

[要旨]

貸借対照表に計上される会計取引を、オンバランス取引、計上されない取引をオフバランス取引といいます。リース取引では、ファイナンスリースはオンバランス取引、オペレーティングリースはオフバランス取引となっています。


[本文]

リース会計を学んでいくと、ファイナンスリースはオンバランス、オペレーティングリースはオフバランスということを習います。オンバランス、オフバランスの、バランスという言葉には、均衡という意味と、残高という意味があります。そして、会計では、貸借対照表(バランスシート)の残高という意味で使われます。

したがって、オンバランスは貸借対照表に計上される金額で、オフバランスは貸借対照表に計上されない金額という意味です。そして、リース取引については、ファイナンスリースは、売買取引と同様に扱うことから、リース物件の価額と同等額を、資産として計上する、すなわち、オンバランス取引として取り扱うことになります。

一方、オペレーティングリースは、賃貸借取引として扱うことから、リース物件価額を固定資産に計上はせず、未経過リース料を貸借対照表の欄外に記載する、すなわちオフバランス取引として取り扱います。この、オンバランス取引やオフバランス取引は、会計の分野の中でも難解な部分なので、ここでは詳しい解説は割愛し、ご関心のある方のみ、専門書で学んでいただきたいと思います。ご参考までに、オペレーティングリース以外のオフバランス取引の例を挙げると、裏書手形譲渡高や、債務保証額などがあります。

ちなみに、かつて、リース取引は、すべて賃貸借取引として取り扱われていた時代があったため、リース物件の価額相当額は資産に計上されていませんでした。その結果、リースによって設備を導入すると、貸借対照表の総額が少なくなり、銀行などが財務分析を行ったときの評価を高めることができると言われていました。

しかし、現在は、前述のとおり、ファイナンスリースはオンバランス取引であり、また、オペレーティングリースもオンバランス取引ではなくても、未経過リース料を貸借対照表の欄外に記載することとされているため、財務分析による評価は、売買取引した場合と同様のものとなります。

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