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[要旨]

日本銀行の総資産は714兆円である一方で、資本金は、わずか1億円です。よく、会社の規模を示す基準に、資本金が使われることがありますが、資本金は意図的に変えることができるので、純資産や総資産を使って示すことの方が妥当と思われます。


[本文]

日本銀行の「資本金」はいくらかご存知でしょうか。もちろん、日本の中央銀行の日本銀行のことです。答えば、1億円です。これは、日本銀行法第8条で定められている金額です。本題から外れますが、日本銀行は株式会社ではないので、株式を発行せず、出資者には出資証券を発行しています。

よく、「日本銀行の『株』はJASDAQ市場で取引されている」と言われることがありますが、前述の通り、日本銀行は株式ではなく出資証券を発行しており、この出資証券が、便宜的に「株」と呼ばれることがあります。また、出資者には議決権はなく、出資者総会も開かれないという点で、一般の会社とは異なります。

話を本題にもどすと、一方で、日本銀行の純資産(自己資本)は4.5兆円です。ちなみに、日本銀行の総資産は714兆円です。これらの数値から鑑みると、日本銀行の規模を示す数値としては、資本金よりも、純資産や総資産で表す方が妥当と思います。

ちなみに、最近、いわゆる大企業が、資本金を減らして、租税特別措置法で規定する「中小企業者」になるという報道が、何件かありました。でも、資本金は、意図的に変えることができるので、資本金を基準に会社の規模を規定するというのは、私は妥当ではないと考えています。そうでなければ、日本銀行も、法人税法では、中小企業者になってしまいます。

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