新型コロナウイルス感染症関連融資の動向
[要旨]
新型コロナウイルス感染症関連融資に関する、セーフティネット保証などのピークは過ぎたものの、依然として中小企業などの資金需要は大きい状況が続いています。
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全国信用保証協会連合会が公表している、信用保証実績の推移を見ました。今年は、新型コロナウイルス関連融資に対する信用保証が、多く行われましたが、前述の資料を見てみると、それが反映されていることがわかります。いわゆるセーフティネット保証だけではなく、すべての信用保証も含まれている数値でが、その承諾額は、月別のピークの6月の5.84兆円ののち、7月は4.96兆円、8月は3.15兆円、9月は2.51兆円、10月は1.52兆円と、徐々に減少しています。
とはいえ、10月の承諾額は、前年同月の約2.4倍であり、依然として、新型コロナウイルス感染症の影響は大きいということがわかります。さらに、保証額の残高は、3月以降、増加を続けており、10月の残高は38.19兆円(前年同月比185.1%)となっています。ピークを過ぎたとはいえ、引き続き、中小企業の資金需要は強いということが分かります。
ちなみに、日本銀行が公表した貸出・預金動向によると、2020年11月の、銀行・信用金庫の融資の平均残高は、573.79兆円で、前年同月比で6.3%増加しています。これらも、すべて、コロナ関連融資ではありませんが、銀行・信用金庫が、中小企業などを資金面で支えているということが分かります。現在、多くの中小企業は、売上減少などが原因で、資金繰りが逼迫しており、年末、年度末に向かう中、引き続き手厚い金融支援と、金融機関への支援が求められる状況が続いていくと思われます。