数字に強い社長になるポッドキャスト 第585回 政府系金融機関の資本性劣後ローン
六角 明雄
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この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、事業活動に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
今回は、政府系金融機関の劣後ローンについて説明します。
令和2年度第2次補正予算では、中小企業向けの資本性資金供給・資本増強支援に、約1.2兆円が計上されています。
具体的には、「日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫が、中小企業に対し、金融機関が資本とみなすことができる長期⼀括償還の資本性劣後ローンを供給することで、民間金融機関からの金融支援を促し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者の成長・再生やスタートアップ企業の資金繰りを支援」することを狙っているようです。
ちなみに、経済産業省の資料によれば、今回の補正予算で新たに設けられる資本性劣後ローンの融資条件は、融資金額は7.2億円まで、融資期間は5年1か月、10年、20年のいずれか、返済方法は期限⼀括返済、融資金利は、当初3年間は⼀律0.5%、4年目以降は直近の決算の業績が赤字のときは0.5%、黒字のときは2.6%、または、2.95%です。
この政府系金融機関による資本性劣後ローンは、一般の融資の条件変更を行って劣後ローンに転換するような、DDSにともなう劣後ローンとは異なり、新たな融資契約により行われるものと思われます。
このような融資制度が設けられた目的は、経済産業省の資料に、「金融機関が資本とみなすことができる長期⼀括償還の資本性劣後ローンを供給」と書かれていることから、この資本性劣後ローンを供給することで、融資をした会社の自己資本比率を高め、民間金融からの一般の融資も増やすことであると思われます。
したがって、政府系金融機関の資本性劣後ローンが実際に実行されるときは、単独でその融資が行われるのではなく、民間金融機関と前もって打ち合わせを行い、資本性劣後ローンにより、その会社の自己資本比率が上昇することを見越したうえで、民間金融機関も一般の融資を実行するものと思われます。
すなわち、政府系金融機関の資本性劣後ローンは、民間金融機関からの一般融資を受けやすくするための、呼び水のような役割として活用されるものと思われます。
そのため、今回の補正予算による中小企業支援に関しては、民間金融機関が、直接、中小企業に対して劣後ローンを行いやすくするための制度は設けられていません。
では、この政府系金融機関の資本性劣後ローンは、積極的に活用すべきかというと、実際には、融資を受けている側から申し出ることは考えにくいと思われます。
具体的には、資金繰に窮している会社を再生するにあたって、中小企業再生支援協議会などが中心になって複数の金融機関で協議を行い、その中で、政府系金融機関が資本性劣後ローンを、民間金融機関が一般の融資を行うという支援を行うなかで、活用されるということになると思われます。
したがって、政府系金融機関の資本性劣後ローンの利用を中小企業側から申し出る場面はほとんどないと思われますが、このような融資制度があることで、事業再生も行いやすくなり、資金繰に窮した会社が倒産に至るということを、大幅に減らすことができるようになると思われます。
今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、事業活動に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。
今回は、政府系金融機関の劣後ローンについて説明します。
令和2年度第2次補正予算では、中小企業向けの資本性資金供給・資本増強支援に、約1.2兆円が計上されています。
具体的には、「日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫が、中小企業に対し、金融機関が資本とみなすことができる長期⼀括償還の資本性劣後ローンを供給することで、民間金融機関からの金融支援を促し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者の成長・再生やスタートアップ企業の資金繰りを支援」することを狙っているようです。
ちなみに、経済産業省の資料によれば、今回の補正予算で新たに設けられる資本性劣後ローンの融資条件は、融資金額は7.2億円まで、融資期間は5年1か月、10年、20年のいずれか、返済方法は期限⼀括返済、融資金利は、当初3年間は⼀律0.5%、4年目以降は直近の決算の業績が赤字のときは0.5%、黒字のときは2.6%、または、2.95%です。
この政府系金融機関による資本性劣後ローンは、一般の融資の条件変更を行って劣後ローンに転換するような、DDSにともなう劣後ローンとは異なり、新たな融資契約により行われるものと思われます。
このような融資制度が設けられた目的は、経済産業省の資料に、「金融機関が資本とみなすことができる長期⼀括償還の資本性劣後ローンを供給」と書かれていることから、この資本性劣後ローンを供給することで、融資をした会社の自己資本比率を高め、民間金融からの一般の融資も増やすことであると思われます。
したがって、政府系金融機関の資本性劣後ローンが実際に実行されるときは、単独でその融資が行われるのではなく、民間金融機関と前もって打ち合わせを行い、資本性劣後ローンにより、その会社の自己資本比率が上昇することを見越したうえで、民間金融機関も一般の融資を実行するものと思われます。
すなわち、政府系金融機関の資本性劣後ローンは、民間金融機関からの一般融資を受けやすくするための、呼び水のような役割として活用されるものと思われます。
そのため、今回の補正予算による中小企業支援に関しては、民間金融機関が、直接、中小企業に対して劣後ローンを行いやすくするための制度は設けられていません。
では、この政府系金融機関の資本性劣後ローンは、積極的に活用すべきかというと、実際には、融資を受けている側から申し出ることは考えにくいと思われます。
具体的には、資金繰に窮している会社を再生するにあたって、中小企業再生支援協議会などが中心になって複数の金融機関で協議を行い、その中で、政府系金融機関が資本性劣後ローンを、民間金融機関が一般の融資を行うという支援を行うなかで、活用されるということになると思われます。
したがって、政府系金融機関の資本性劣後ローンの利用を中小企業側から申し出る場面はほとんどないと思われますが、このような融資制度があることで、事業再生も行いやすくなり、資金繰に窮した会社が倒産に至るということを、大幅に減らすことができるようになると思われます。
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