地域金融強化のための特別当座預金制度
[要旨]
日本銀行が、経営統合などを進める地域金融機関に対して、預金金利を上乗せするという支援策を導入すると発表し、横浜銀行などを傘下にもつ、コンコルディアフィナンシャルグループが、その利用をしたいという希望を公表しました。
[本文]
11月10日に、日本銀行が、「地域金融強化のための特別当座預金制度」の導入について公表しました。具体的には、「経営統合や経費削減に取り組むことを条件に、日本銀行が預かる当座預金に、0.1%の金利を上乗せする」というもので、地域金融機関が合理化などに着手するための背中を押す政策と思われます。
この発表を知ったとき、私は、比較的規模の小さい金融機関が利用することを想定している制度だと思いました。しかし、地方銀行大手の横浜銀行を傘下に持つ、コンコルディアフィナンシャルグループの大矢恭好社長が、11日の同社の中間決算発表の記者会見で、この日本銀行の制度の利用を申請したいと述べたようです。
同社の9月の中間決算は、純利益が前年同期比21%減の237億円で、大手銀行といえども、コロナ禍で業況は悪化しているようです。そのような意味で、日本銀行の新制度は、適時、かつ、適切な施策だと思います。今後も、多くの金融機関がこの制度の利用を表明すると思われますが、それが中小企業の資金繰の円滑化につながるものと期待できます。