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[要旨]

事業戦略は、戦略の対象とする事業が最大の成果をあげることができるようにすることが目的です。また、事業戦略のおおよその内容は、ライバルとの競争にどのように勝つかという戦略です。このような面からは、事業戦略は競争戦略でもあると言えます。


[本文]

前回は、会社全体を対象とする戦略である全社戦略は、経営資源の適切な分配などを通して、全体最適を目指戦略であるということを説明します。今回は、事業戦略について説明します。前述のとおり、全社戦略が会社全体を対象とする戦略であるのに対し、個々の事業を対象とする戦略を事業戦略といいます。事業戦略は、戦略の対象とする事業が最大の成果をあげることができるようにすることが目的です。

また、全社戦略が複数の事業間の調整を目的としていることから、事業戦略は全社戦略に沿うものでなければなりません。このような観点からは、事業戦略は、全社戦略の下位戦略であると言えます。また、事業戦略のおおよその内容は、ライバルとの競争にどのように勝つかという戦略です。このような面からは、事業戦略は競争戦略でもあると言えます。この競争戦略で著名なものは、米国の経営学者のポーターの提唱した、「3つの基本戦略」です。

3つの基本戦略とは、業界全体に対して低価格という有利性を活かすコスト・リーダーシップ戦略、業界全体に対して独自性という有利性を活かす差別化戦略、特定分野を標的とする集中戦略の3つです。この3つの戦略の中から、自社の特徴を活かすことができる戦略を選択します。もうひとつ著名な戦略は、米国の経営学者のコトラーの提唱した、「競争地位別の戦略」です。これは、自社の経営資源の量や経営資源の質に応じて、リーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーなどの戦略を選択します。

2022/4/8 No.1941

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