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[要旨]

4月から、経営改善サポート保証(感染症対応型)制度の取扱が始まります。この制度は、一般保証とは別枠の2.8億円の保証を受けられ、保証料率は0.2%という有利な制度ですが、銀行や信用保証協会が参加する、「経営サポート会議」で経営改善計画を作成するという手続きを経るという点が特徴です。


[本文]

中小企業庁は、「伴走支援型特別保証制度」と同時に、「経営改善サポート保証(感染症対応型)制度」(以下、単に、「サポート保証」と記します)を、4月1日から開始すると公表しました。サポート保証の概要は、(1)保証限度額:2.8億円(一般の普通・無担保保証とは別枠)、(2)保証割合:責任共有保証(80%保証)、ただし100%保証、および、コロナ禍のSNS5号からの借換については100%保証、(3)保証料率:0.2%(国による補助前は原則0.8%-1.0%)、(4)金利:金融機関所定、(5)保証期間:15年以内、(6)据置期間:5年以内です。このサポート保証を利用した融資も、無利子融資よりは条件が悪化してはいますが、一般の融資よりはよい条件となると思われます。

そして、サポート保証の特徴は、「経営サポート会議や中小企業再生支援協議会等の支援により作成した経営改善・再生計画に基づき、中小企業が経営改善・事業再生を実行するために必要な資金を、信用保証協会の保証付き融資で支援し、経営改善・事業再生の取組を後押しする制度」というものです。この説明の中に出てくる、「経営サポート会議」とは、「金融機関等の関係者により個々の事業者を支援する信用保証協会等を事務局とした支援の枠組み」とのことで、信用保証協会を事務局としたバンクミーティングのようなものと思われます。

したがって、単に、サポート保証の利用を希望する会社が、その利用を申請するだけでは、この保証を利用できることにはならず、経営改善計画を作成した後、経営サポート会議等の意見を取りまとめてから、利用できるということになるようです。このような手続きから鑑みると、サポート保証は、無利子融資などの据置期間が経過し、実際に元金返済が始まる段階になったものの、それができない会社などを救済するために、借換をしてもらうことを想定している保証制度ではないかと、私は考えています。

サポート保証の据置期間が5か年になっているのは、いわゆる、リスケと同様の効果を与えるためではないかと思います。このように、政府が、サポート保証を定めた理由は、中小企業に対しては、コロナ禍の影響がまだまだ続くということを見越してのことと思いますし、妥当な対応だと思います。サポート保証については、4月以降も、新たな動向が分かり次第、お伝えして行きます。

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