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[要旨]

ニトリでは、週次決算(ウィークリーマネジメント)を取り入れています。これは、30年計画を、10年、1年、四半期、週に分解し、長期的な目標を確実に達成できるようにすること、そして、問題への対処を迅速に行うことができるようにすることが目的となっています。

[本文]

ニトリホールディングス会長の似鳥昭雄さんのご著書、「ニトリ-成功の5原則」を読みました。似鳥さんによれば、同社では、「ウィークリーマネジメント」という管理システムを採り入れているそうです。「私は、毎朝、1時間、30~40人のマネージャーを会議をしています。週3回(月・火・水)は、各部門の責任者が1人10分ずつ、1日に5~6人が、その週の数字について、観察・分析・判断をつけて発表します。

こうしたやり方が可能なのは、ニトリで、『ウィークリーマネジメント』と呼んでいる週決算システムを採っているからです。毎週、月曜日には、前の週の決算の数字が出てくるようになっているのです。30年計画という大きなビジョンから、『30年計画→10年計画→3年計画→1年(52週)計画→四半期(13週)→週ごと』という形に分解していき、年52週、店ごと、地域ごと、商品ごとに数字を出して、状況をチェックする、1年間の目標を達成するために、週ごとに目標を管理するわけです。これを、ワークデザインと呼びます。ここまでやっている会社は、なかなかいないでしょう。

システム会社が外販しているような、普通のシステムでは、前の週の数字など出て来ません。週次決算にしているのは、月次決算では、問題が起きた時に、手を打つには遅すぎるからです。多くの会社では、決算は月次で、それも、1か月分の数字が上がってくるのは、翌月の5日とか、10日です。そんなに遅いと、何か販売面で問題があったとしても、もう、その月のうちには対応策を打てず、それは、次の月に実施することになります。問題が起きているのに、それを知るのが遅れると、常に後手に回ってしまうのです」(98ページ)

同社のウィークリーマネジメントのポイントのひとつは、30年の計画を、1週間にまで分解しているということです。30年の計画を達成するためには、いま、何をすればよいかと考えると、なかなか思い浮かべることができませんが、「10年計画→3年計画→1年計画→四半期→週」と分解して考えれば、すぐに着手するべきことが明確になります。このように、現在の活動を明確にして、確実に実践していけば、長期的に大きな目標を掲げても、それを確実に達成することが容易になります。

2つめのポイントは、1週間で会社の状況を確認していることです。似鳥さんは、1か月ごとの確認でも遅いと批判していますが、私は、1週間ごとの管理は、管理負担も大きくなるので、中小企業には、あまりお薦めしません。でも、1か月ごとの状況確認は行うべきだと思います。このように、1か月(または、1週間)のような短期間での改善サイクルによって、改善の速度も早まり、ニトリと同様、長期的な大きな目標達成の確実性も高くなると言えるでしょう。

2022/10/25 No.2141

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